(2005/3/16) 「オペラ座の怪人」

映画「オペラ座の怪人」を観てきました。ずっと気にはなってはいましたが、ミュージカルを観たこともないし、小説も読んでいないし、と、今さらながらどんなものなのか知らなきゃ、という思いで足を運びました。

 映画なのに、全編、歌と音楽で物語が進み、まるでミュージカルを観ているようでした。歌姫のクリスティーヌと、オペラ座に潜む怪人、ファントムの歌声はともに見事の一言。クリスティーヌのハープを奏でるようなピュアな歌声は心地よい眠りを誘います。一方、ファントムの歌声は燃えるように熱く力強く、ゾクゾクさせられ、一気に目が覚めます。

 ファントムとラウル(クリスティーヌを愛する若い子爵)。正反対の男性を前に揺れ動くクリスティーヌの女心は、女性なら誰もが持っている本能だと感じ、共感しました。脇役だったクリスティーヌがオペラの主役を舞台で演じることになり、芸術的な音楽という世界とファントムが一体化し、尊敬が愛に変わっていったかのように、ファントムへの想いがどんどん強くなっていきます。

 実際、仮面をかぶっているときのファントムと、仮面をはずしたときのファントムは別人です。仮面をかぶることによって、醜い顔だけでなく、人間の弱い面を隠しています。自信に満ちていたはずの彼が、仮面を取られた瞬間、弱い部分をさらけ出してしまいました。そして、自分かラウルを取るか、究極の選択をクリスティーヌに要求してしまうのです。それまで仮面の裏側に押し込んでいた女々しい部分があらわになってしまいます。仮面をはがされてからの彼はある意味、ストーカーのようでした。

 一方、ラウルは典型的な王子様タイプ。一緒にいれば、何の心配もなく安心できるような人です。だけど、女性は「いい人」だけじゃ物足りない。なぜか、危険な男に惹かれてしまうものです。

 クリスティーヌはファントムに確かに惹かれていました。これは女性の本能です。でも、最後にラウルを選んだのは理性があったからだと思います。ファントムは仮面を失って、理性までもなくしてしまいました。でも、クリスティーヌは理性を持っていた。人間は本能と理性の両方を持っている生き物だと実感した映画でした。

 会場を見回した限りでは、圧倒的に女性が多く観ていました。でも、男性にもぜひ観てもらって、女の気持ちを分かってほしい。私も機会があれば、もう一度じっくりみたい映画です。この日は1日中、ファントムの歌声が頭の中で回っていました。

 今回も「VIRGIN TOHO CINEMAS 六本木ヒルズ」で観ました。スクリーンが他の映画館より大きめですし、何と言っても世界でも数少ない「THX」という音響システムを使っているので、この映画を観るには最高のロケーションでした。19世紀の世界にどっぷり浸かった後に、映画館の外に出て先端エリア、六本木ヒルズを肌で感じつつ食事をするというのも、都心ならではの楽しみ方です。

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