野菜レストラン「WE ARE THE FARM(ウィーアーザファーム)」とのコラボレーション連載「おしゃベジnote」の第6回です。ファッションジャーナリストで野菜ソムリエの宮田理江が「野菜×おしゃれ」の魅力をお伝えしていきます。
短期集中連載のつもりで始めて、ちょうど半年を迎えたことから、今回でいったん、【おしゃベジnote】は最終回!その節目にふさわしい第6回のゲストはオーガニックコットンのライフスタイルブランド「SkinAware(スキンアウェア)」のデザイナー、可児ひろ海(かに・ひろみ)さんです。今でこそ、サステナブルはファッションでも欠かせない存在となっていますが、「スキンアウェア」は日本でのエシカルファッションの先駆け的なブランド。糸の段階から認証・認定を受けたオーガニックコットンやボタニカルダイを使用しています。特に、直接肌に触れるアンダーウエアは優しく肌を包み込み、天然の風合いを肌越しに感じられます。
今回のインタビューでは、野菜と同じように豊作の年もあれば、収穫が難しかった年もあるという、手摘みで収穫されているオーガニックコットンの魅力を教わりました。さらに、ランジェリーやスリーピングウエアの上手な着こなし方に加え、ニューノーマル下での暮らし、野菜の食べ方など魅力的なお話をたっぷりとうかがいました。
Q: 「SkinAware(スキンアウェア)」を立ち上げる前に、ファッションブランドをお持ちでした。
スキンアウェアは2004年に立ち上げました。当時は「COCOON(コクーン)」という、東京コレクションにも出ていたブランドを手がけていました。少しドレッシーでエッジィなテイストでした。
ちょうどその頃、インターネットが普及し始めて、ランウェイコレクションの写真がウェブメディアで公開されるようになりました。ファストファッションがかなり出てきた時期でもあります。H&MやZARAが日本に入ってきました。ファストファッションがブームになった時期。いろいろ考えさせられました。
さらに、「コクーン」では大手セレクトショップとのおつきあいが多く、オーダーを受けていたのですが、セレクトショップも自社ブランドに切り替えていく時期でした。そういう過渡期にあたり、ファッション業界の変わり目を感じていました。
そういう意味では、展示会のために3カ月ぐらいかけてサンプルを作って、そこから4、5カ月かけて量産していくというサイクルが難しくなっていった頃でもあります。ファストファッションが何分の1の値段で売り出しているのを見て、危機感を募らせていました。
小さい組織で勝てるかといったら勝てないし、むしろ洋服にそういうものが求められるんだったら、私が作る意味って何だろうと考えてしまいました。自分のクリエーションを発表するためという意味も考えましたが、クリエーターのエゴみたいなものだけでやるのはビジネスとしては違うなと感じて、自分は世の中に求められていないんじゃないかとも考えてしまいました。
◆オーガニックコットンでフェアトレード 全員がハッピーになる仕組み
Q: 「スキンアウェア」を立ち上げた理由を教えてください。
ちょうどそのときに、オーガニックコットンを知ることになって驚きました。素材の上質さはもちろんですが、農家のみなさんが受けている健康被害にも驚かされました。普通のコットンは農薬や化学肥料を使っているので、農家の負担が大きいのです。
オーガニックコットンを使うことによって、栽培者を支えることができます。通常よりも高い金額で買い取ってもらえるから、生活もしっかり持続可能な形で守っていけるわけです。栽培農家の子どももちゃんと学校へ行くことができるようになります。
オーガニックコットンに切り替えることによって、人間として基本的なところを支えられると聞いたときに、オーバーラップした共感を覚えました。(コットンを)作る側が泣いている状況は、私が「コクーン」をやりながら感じていた、社会の中で取り残されたような気分と共通する部分が多かったのです。物の源を育てる人から、販売する人まで全員がハッピーになるような仕組みじゃないかと感じました。
そして、何よりも素材の気持ちよさがオーガニックコットンにはすごくありました。丁寧に育てられ、手摘みで収穫されているからこその、コットンという素材の可能性を改めて感じました。
当時はロハスやスローライフが関心を集め始めた時期でもありました。もしかしたら世の中もきっとこういう風に、丁寧に物を作って、長く大事にする時代になるんじゃないかと予感し、ビジネスを始めるなら今だと思って立ち上げたのです。
◆サステナビリティーやオーガニックへの認知度が急速に高まっていった
Q: それは思い切った決断ですね。実際に始めてみて、どうでしたか?
2004年にブランドを立ち上げたときは、「コクーン」の取引先だった「BPQC」(三越伊勢丹のオリジナルブランド)や「クレヨンハウス」などのいわゆるオーガニック志向のライフスタイル系ショップにちょこちょこと卸す感じでした。割と細々とやっていました。ライフワークとして小さいコレクションでちょっとずつ世に出していこうと考えていたので、その後、サステナビリティーやオーガニックがこんなに盛り上がるとは、全く想像していませんでした。
しばらく細々と続けていたところ、2013年の展示会でラインナップをバイヤーとメディアに見せたときに反響がありました。表参道の信号待ちで、オーガニックコットンのことを話している人がいて、道端で普通の人がオーガニックコットンのことを話すようなところまで広がってきたんだと思って、急速な認知度の高まりにびっくりしました。
その頃から百貨店のほか、「バーニーズ ニューヨーク」「ユナイテッドアローズ」など大手セレクトショップのバイヤーさんが相次いで声を掛けてくださるようになり、時代の変化を感じました。2004年にはライフスタイル系のショップしか興味を持ってくれなかったのですが、2013年の展示会ではファッション系のバイヤーが乗り出してくれて、うれしさと驚きの両方を感じました。ただ、その時点でも、他の仕事と掛け持ちしながらだったので、売り上げ規模がここまで大きくなるとは思っていませんでした。
Q: 昔から環境やオーガニックへの興味が強かったのですか?
いや、実は全然。「コクーン」ではどちらかといえば、ミュージシャンも着てくれるようなモード系ブランドでした。「太陽に当たって健康的」ってブランドではなかったんです。夜は遊んでいたし、自分のライフスタイルはオーガニックではありませんでした。私をもともと知っている人は、「コクーン」からの方向転換を「意外だね」って言っていますね。
でも、振り返って考えてみると、自分のルーツは埼玉県所沢市で育った環境にあるように思います。育った環境はすごく自然が多く、地元では薬をあまり飲まないといった暮らしぶりもありました。母親が小さい頃に用意してくれた食事は主食が玄米でした。
何だか1周回って、自分のルーツに戻ったみたいな気がします。所沢はその後、ベッドタウンになりましたが、私が小学校の頃はトトロが出てきそうな、ほのぼのとした場所でした。いい時期にいい場所で子ども時代を過ごせたと思います。
◆野菜と同じように、身につける衣類も生産者を知るのは大切
Q: 認証・認定を受けたオーガニックコットンやボタニカルダイなどを使用しています。一般の人が購入する際、どのあたりを見て比べればいいのか、気をつけるべきことなどを教えていただけますか。
オーガニックの認証・認定は、コットンを扱う全ての企業が採用しているわけではありません。普通の人が見ただけでは分かりにくいものです。オーガニックの認証・認定を受けているというのは、過去3年間にわたって化学肥料と農薬を使っていないうえ、トレーサビリティーがしっかりしているコットンにだけ与えられます。
服の素材を知るには、ブランドや企業のウェブサイトを見るのがおすすめです。コットン栽培の取り組みを、自社のホームページで紹介しているケースもあります。そういう取り組みを知ることによって、この会社はこういうところにも気を配っているんだなと知ることができます。
野菜と同じように、この人たちがこうやって作ってくれているんだと知るのは大切です。自分が着ている服を、誰が作っていて、素材はどこから来たのかということに感心を持つきっかけの一つになるのかなと思います。
Q: ごくわずかにオーガニックコットンを使っている服も世の中にはありますよね。サステナビリティーやオーガニックがもてはやされるようになったので、消費者に使用をアピールしたがっているという事情もあるのでしょうか?
「スキンアウェア」は100%オーガニックにこだわるポリシーを持っています。ただ、他のブランドさんの場合、いろいろな形で、たとえば、ちょっとだけ使うのも、私はいいと思います。お客様がオーガニックの実物に触れるきっかけになるからです。まだ知らない人も多いと思うので。たとえ少量でもオーガニックが入っていたら、オーガニックのシェアが広がっていることにつながります。
10%しか使っていないのに、100%と誇張・偽装してしまうのはよくないけれど、そういうネガティブなことがないと考えたときに、少量でもオーガニックを採用するのはオーガニック市場、背景を広げていくことになります。オーガニック素材を体験してもらえるという意味では、100%オーガニックより価格が安いので、試しやすいかもしれません。多くの人がオーガニックとかフェアトレード、サステナビリティーに関心を持たないと、世の中全体は変わらないから、低い割合であっても、オーガニックコットンを含む製品は重要です。
◆天然素材はマルチファンクション(多機能性)が魅力
Q: 機能性のある抗菌、撥水などの素材が支持を広げていますが、オーガニックコットンはまた違う魅力があるような気がします。その特長やメリットはどういったところでしょうか?
野菜やワインと同じで自然なものなので、産地とか、取れた年によって微妙に違うというのがおもしろいところです。ナチュラルな色味や糸の張りなども、一様ではありません。ワインにヴィンテージがあるように。豊作の年もあれば、収穫が難しかった年もあるわけです。
そういった自然なものであるのと同時に、機能面での「着るメリット」が最近、ますます分かってきた面があります。コットン、シルク、ウールなどの天然素材に共通するよさの一つはマルチファンクション(多機能性)にあると思っています。人工の機能性素材は保温や冷感など、基本的に一方向のファンクションです。だから、夏に発熱素材の服を着ると、大変なことになるわけです。機能性繊維は単一の方向に向けて特化したものが多いからです。双方向にはなかなかいきません。
でも、コットンは冬は暖かく、夏は涼しい。ウール、シルクもそう。天然素材はマルチファンクションなのです。人間が必要な機能を季節に応じてもたらしてくれるわけです。科学技術でマルチファンクションを実現するのは、たぶんかなり難しいと思います。どれかの機能に特化するほうが現実的な選択です。
温度だけではありません。湿度も整えてくれます。自然の素材だから、湿気が多いときは涼しく、通気性があって、乾燥したときは、保温・保湿ができるという、双方向の機能を備えているわけです。
◆化学繊維のデメリットを、天然繊維は持っていない
Q: オーガニックコットンは、着用することで身体によい・健康によいなどのメリットがあるのですか?
実は冬に保温・発熱性の人工繊維で作った服を着て、肌荒れを起こしたというお客様が「スキンアウェア」でお求めいただくパターンが多いんです。近頃の保温・発熱性の化学繊維は体の蒸気を熱に変える仕組みが多いので、肌の湿気が奪われて、乾燥肌になることが起こり得るようです。冬はただでさえ乾燥しがちなのに、さらに乾きやすくなるわけです。
年齢が上がると、適度なうるおいを保つ、肌のバリア機能が落ちてくるので、服に湿度を奪われてしまうと、肌がダメージを受けがち。肌荒れしたお客様がオーガニックコットンの服を買い求めるケースが多くなっています。
刺激が少ないという意味でも、素肌に最も近いウエアは天然素材をおすすめします。ナイロンやポリエステル、レーヨンなどはアレルギーを起こすこともあり得るからです。特に下着はデリケートです。
静電気も気になるところです。人工的に作られた繊維は静電気を起こしやすいといわれます。逆に、天然素材は体になじみ、電気的なバランスを整える働きがあるようです。化学繊維のデメリットを、天然繊維は持っていないので、アンチエイジングの点でもメリットが期待できます。
ただ、天然素材はどこかの特許製品ではないので、なかなか効果やメリットを大がかりに宣伝できず、お客様に知ってもらいにくいというもどかしさがあります。やはり実際に試してもらうのが一番、実感してもらいやすい方法です。
◆体が弱っているときは、自然に天然繊維を求める傾向がある
Q: 私はハイテク素材も好きなんですが、どう思われますか。
いいと思いますよ。天然素材だけでは服の需要すべてはカバーしきれませんから。人工繊維を完全に締め出すのは、日常生活では難しいでしょう。バランスの問題ですね。
たとえ天然繊維を使っていても、ファストファッションのように使い捨てであれば、エコでもサステイナブルでもありません。むしろ、ハイテク素材を長く使うということのほうがサステイナブルだと思います。「スキンアウェア」の場合は、アプローチとしてかなり特化して分かりやすくしてありますが、毎日をオーガニック服だけで過ごす必要はないでしょう。人工繊維とのハイブリッドというバランス感覚が必要かなと思います。
体の不調をきっかけに、オーガニックコットンの服を手に取るお客様が多い気がします。「スキンアウェア」の場合は特に多いです。たとえば、婦人科系の病気にかかって、病院で手術を受ける場合、2週間程度の入院になるからと、下着やスリーピングウェアを買い求めるようなケースです。そういった需要もあるんだなと感じます。
いろいろな過敏症やアレルギーに悩んで、刺激の少ない天然素材を求める人も珍しくありません。新築住宅に移ったら、フローリングの加工に反応してしまい、裸足で歩くと、足裏がしびれるようになってしまったというお客様もいました。「スキンアウェア」のルームシューズを履いたら、ビリビリが収まったそうです。
天然素材のよさに、おしゃれなデザインが加わると、さらに気持ちがポジティブになれます。体が弱っているときに、見た目が冴えない服では、気持ちが落ち込んでしまいかねません。気持ちがふさぎがちなときこそ、おしゃれな服を着たいというニーズがあると思います。
◆日常の中でも自然のサイクルと寄り添ってもらえるよう
Q: 旅行がお好きだということで、可児さん自身が撮影した写真をパッケージや商品ラベルに使っているのが素敵です。
「スキンアウェア」は2008年にいったん休止して2013年に再開しました。再開する直前にアイスランドを訪ねました。1週間にわたって、車であちこちを見て回りました。
心を動かされたのは、自然のすごさ。私が見てきた人間のスケールの比じゃないすごさです。地球と正面から向き合っている感覚で、人間と自然が一つになって暮らしているような。日常の中でも自然のサイクルと寄り添っていけたらと考えて、ランドスケープ(風景)の写真を使うようになりました。
「スキンアウェア」は自然なものからできているので、着てもらうことによって、自然に戻っていくような感じになったらいいなと考えて、自分で撮った写真をパッケージに使うようになりました。どこも自分が行った場所だから、そのときの空気感みたいなものまで含めて、着たり感じたりしてもらえるとうれしいところです。
Q: 「スキンアウェア」のランジェリーやスリーピングウェアの、上手な着こなし方や様々な使い方を教えてください。
家でも外でも自分の時間に戻れるというのがいいところかなと思っています。「スキンアウェア」はステイホーム向きの服ですが、今は難しいけれど、自宅以外で泊まるときでも、自分らしくいられるという長所があります。本当の自分に戻れる服とも言えるでしょう。
お気に入りを着ていると、自分の家にいるみたいにリラックスした気持ちになれそうです。だから、家を離れての仕事中にも着てほしい。自分らしくいられる時間を、オンにもオフにも拡張していけるので、家と外がどんどんミックスされていくような感覚です。外に出るから、緊張感の高い服を着なきゃいけないわけではないはず。どこにいても、「アウェイ」ではない「ホーム」の気分で過ごしてもらううえで役に立ててもらえればと思います。
◆「旬の野菜を買って食べる」 ごろごろした感じの野菜が好き
Q: お好きな野菜や野菜料理を教えてください。
野菜は大好き。なるべくオーガニック野菜をとるようにはしています。「旬の野菜を買って食べる」が基本です。まめなタイプじゃないんですが、この1年以上はほとんど自炊です。2019年の後半からはランチも作って、仕事場に持っていくようにしています。忙しくなればなるほど、食事を外で食べる時間がもったいなくなってきました。だったら、自分で作って、持っていっちゃおうと。
料理は簡単に、煮込むとか、炒めるとか。いろいろな種類の野菜をざっくりカットして、鍋に全部入れて、煮込む感じです。鍋形の電気調理器「クロックポット」に入れて、タイマーで煮込むだけ。8時間ぐらい煮込むと、肉もホロホロに。家を出る前にカットして鍋に入れておけば、家に帰ると出来上がっています。「あっ、誰かがご飯を作ってくれている」といった感じです。
外食の場合、ランチで野菜食べたくても、店も量も限られています。外食が減った一番の原因はそれかな。冬のランチでは野菜がたくさん入ったスープを食べています。「サーモス」の保温スープジャーに入れて、仕事場に持っていって、弁当と一緒に食べるのが好みです。
夏は野菜盛りだくさんのサラダをよく食べます。野菜をそのままオフィスで切って、家で作った蒸し野菜と肉を入れて、大きめのサラダボウル風に。ラーメンのどんぶりくらいの大きさですが、ペロッと食べられます。
朝は豆乳のヨーグルトを食べます。ヨーグルトにフルーツを入れて。朝の定番です。仕事が忙しくなってきても、何とかこなせているのは、食事のおかげかなと思います。2、3年ぐらい自炊を続けていますから。もちろん、会食の席では、食べたいものを食べますよ。
野菜は全部好きです。中でもキノコ。葉物はクレソンやパクチーとかが好きですね。サラダにしたり、スープにしたり。根菜系を含めて、ごろごろした感じの野菜が好きですね。
◆サステナビリティーを大事に考える流れはさらに広がる
Q: 新型コロナウイルスは生活意識を変えました。今後、ファッションや食を含めたライフスタイルの面で、消費者の意識や暮らし方はどのように変化していくとお考えですか?
精神的にストレスを感じる状況です。家で過ごす時間が増えたときに、すごく癒やしを求めているというか、心身共にリラックスできることがさらに重要になっているのを感じています。「スキンアウェア」の服を着ていただけるきっかけになるのかなと思うところがある一方で、ファッションだけではなく、自分に必要なものを見詰め直すタイミングになっているような気がします。
身の回りの品もそうだし、人間関係とか家族とか、自分が身近で支えてもらっている物事を強く意識するようになっていると思います。そういう意味では、よく考えてみたら、実は自分にとって全然いらないものだったという発見がファッションをはじめ、いろいろな面で出てくるんじゃないでしょうか。
逆に、自分を支えてくれるものを大事にするという気持ちが強まったときに、「スキンアウェア」のアイテムがライフスタイルに寄り添っていけるのかなとも感じます。
コロナ禍の影響はこれから2、3年続くと思います。根本的な生き方や世界観みたいなところまで変わっていきそうです。どんどん消費して使い捨てるという暮らし方は変わっていくでしょう。サステナビリティーを大事に考える傾向が強まるはずです。自分の生活がサステイナブルかどうかを重視する人も増えていきと思われます。
ずっと先になって振り返ると、「あれ(2020年のコロナ禍)が時代の変わり目だった」と位置づけられるのではないでしょうか。着て楽しむだけでなく、自分にとって大切なもの、地球にとってもサステイナブルなもの、自分がハッピーになれるもの。これらを優先する意識が広がるでしょう。逆に、どこかのバランスが崩れているものは、手に取られなくなっていく気がします。これから数年は歴史の大きな変わり目になると予感しています。
◆健康のための服ブランド「HEALTY TO WEAR(H2W)」をローンチ
Q: 今後の展開に関しても教えていただけますか。
「スキンアウェア」からは20年3月にマスクが発売されました。クラボウの抗菌・抗ウイルス機能繊維加工技術「クレンゼ®」を、オーガニックコットンと組み合わせました。ウイルス対策アイテムはケミカルな製品になりがちですが、もっと身近なオーガニックなもので提案したかったのです。
ブランドらしい工夫を詰め込んだ結果、既にマスクが広く行き渡っている状況だったのにもかかわらず、かなりの売れ行きとなりました。値段はちょっと高いけれど、1度買ったらすごくよかったので、もう一度買いますというリピート率がすごく高いんです。自分が買ってよかったから、家族や友達にもお裾分け買いしたケースも結構ありました。
リラクゼーションや癒やしだけでなく、機能性、抗ウイルス、抗菌というところも重要だと思っていて、「ヘルシートゥーウエア(H2W)」という健康のための服ブランドをローンチします。オーガニックでしかも抗ウイルスで、50回洗ってもOKの生地です。フーディー(パーカ)やポンチョ風のデザインで、体を包み守るようなシルエット。フェイス&ネックガードみたいなアイテムもユニセックスで出す予定です。マスクで使ったクラボウさんの抗菌クレンゼ技術をこちらのアイテムでも使用します。
オーガニックの抗ウイルス商品ということでシリーズ化していく予定です。アイテムを増やしていけたらと思っています。デビューコレクションはアウター寄りのアイテムが多くなっています。いずれはスリーピングウェアやインナーみたいなものにも広げていけたらいいなと思っています。
photo credit
©Hiromi Kani ©SkinAware
【Profile】スキンアウェア デザイナー
可児ひろ海(かに・ひろみ)さん
東京コレクションのファッションブランドCOCOON(コクーン)を2001年に立ち上げ、2007年まで東京をベースにコレクションを展開。2004年にCOCOONと並行してオーガニックコットンのライフスタイルブランド Skinware(スキンウェア)をスタート。Ethical Fashion(エシカルファッション)の流れの先駆けとなった。2008年にCOCOON、Skinwareのコレクション休止。その後は、グローバルファッションブランドでのデザイナー、コンサルタントとして新規ブランド立ち上げや、ブランドリニューアルなどの様々なプロジェクトに参画。2013年 Skinwareを、リニューアル再スタートし、2017年 SkinAware 「スキンアウェア」にブランドリニューアル。
【HP】
SkinAware Online Shop
https://skin-aware.com/?mode=f8
【Istagram】
アカウント名 @skinaware
https://www.instagram.com/skinaware/?hl=ja
【LINE】
アカウント名 skinaware で検索
QRコード
https://line.me/R/ti/p/%40983jdscg
※詳細はInstagram, LINEのオフィシャルアカウントで告知されます。
■取材を終えて
わかりやすい言葉を選んで、丁寧に答えてくださった可児さんの言葉からは、オーガニックコットンに対する愛情、働く人達への思いやり、フェアトレードを重んじる気持ちなどが伝わってきました。ファッションを通して、世の中の皆がハッピーになる仕組み、ソーシャルグッドな取り組みを感じました。体が弱っているときは自然にオーガニックコットンのウェアを求めるようになるという話も、直接肌に触れるものだけに納得できるところです。野菜と同じように、この人たちがこうやって作ってくれているんだと知るのは、身につけるものでも、普段の生活用品でも大切なのだと実感しました。自分にとって大切なもの、地球にとってもサステイナブルなものを装いに迎えるのは、意義深いことだと教わりました。
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野菜好きの可児さんのお話は共感することばかりでした。さて、ここからは、野菜をたっぷり摂れる食事に興味のある方におすすめのレストラン情報をご案内します。野菜がおいしいレストラン「WE ARE THE FARM(ウィーアーザファーム)」。冬の名物はケールをふんだんに使った鍋で、この冬は「ケールラムしゃぶ」が初登場しました。
キャベツの祖先ともいわれる緑色野菜のケールは、「ケールのシーザーサラダ」が「WE ARE THE FARM」の通年の代名詞的なメニュー。冬になると、みずみずしいケールを、鍋料理でも楽しめるようになります。
この冬のおすすめ鍋メニューとして「ケールラムしゃぶコース」が新たに登場しました。ケール鍋を主役に据えたコースは値段の面でもお得です。
価格は通常のコースが3980円で、2時間飲み放題付きのコースが5980円。実施店舗はWE ARE THE FARM渋谷、WE ARE THE FARM赤坂、WE ARE THE FARM 目黒、WE ARE THE FARM豊洲の各店舗です。
コースで頼めば、鍋の前に「季節の野菜2種」が出て、さらに鍋の後に「ケールチャーハン」と、満足感の高い鍋フルコースが味わえます(コースによって、構成が異なります)。飲み放題も用意されています。
しかもケール、ラム、豚バラは食べ放題です。野菜好きにはこたえられない献立です。ケール以外に用意される野菜はそのタイミングによって変わります。
美容や健康へのポジティブな効果が期待されるケールがびっくりするような山盛りで登場するから、思わず上がった歓声があちこちのテーブルから聞かれるのも、冬の「WE ARE THE FARM」の風物詩。味のしっかりした鍋スープに浸せば、ケールがやわらかくなって、いっそう食べやすくなります。
健康的な野菜のひとつとして知られるスーパーフードのケールが今年は自前農場で豊作。土づくりからこだわって育てているケールは、程よい甘みがあって、鍋にもぴったり。相性抜群のラムと豚バラ、数十種類スパイスをブレンドした火鍋のだしのおかげで、ケールがますますおいしく食べられます。
(実施店舗)
WE ARE THE FARM 渋谷
WE ARE THE FARM 赤坂
WE ARE THE FARM 目黒
WE ARE THE FARM 豊洲
野菜レストラン「WE ARE THE FARM」
https://allfarm.co.jp/restaurant/watf/