「JIL SANDER(ジル サンダー)」は2022年2月26日、ミラノで2022-23年秋冬コレクションを発表しました。
ルーシー&ルーク・メイヤーは、ジル サンダーのクリエイティブ・ディレクターとしてこの5年の間、厳密なデザイン構築とテーラリング、クラフトマンシップと革新的な素材の活用に無条件の献身を示し、ブランドを現代性と洗練性の柱として確立してきました。その明確なアプローチは、特に今季の新しい提案に表れていて、エレガンスにあふれたシャープなコレクションに仕上がっています。
ボリュームと素材は、身体を覆う部分と露出する部分、色の組み合わせ、際立った特徴と空間の相互作用によって、生き生きとした動きを見せるように仕立てられています。これまで以上に多様で重要な意味を持つ、ほとんどのスカートとドレスは幅と形が重要で、彫刻のようなスーツの形状にジャケットの下でカットされるか、液体の様にうねり、素足に履いた先のとがった細身のチェルシーブーツやローファーにその姿を根付かせています。
洗練されたサルトリアルスタイルの表現において、ウィメンズウェアとメンズウェアは融合。それは、マスキュリンな仕立て作法を生かしながら、ボリューム感のある女性らしい曲線を描き、相反する要素を両立していきます。
シルクジャージーにプリントされた手描きの星座や、柔らかなタフタのキルティングドレスは、メイヤー夫妻の作品を個人的に解釈し、応用し、自分のものにしてほしいという提案を強調するものです。
クチュールからの明確な引用は、意識的かつ遊び心に満ちた方法で解釈されています。ドレスはロング丈でフレア、もしくはショート丈で幾何学的に、裾にはフリルがあしらわれています。パンツは丈が長く、リラックスした男性的なもの。手作業で仕上げられた総スパンコールやダブルフェイスのリバーシブルニットなど、贅沢でユニークなアイテムが揃います。スポーティーなアクセントが加えられたものもあります。ボリュームのあるアンゴラ素材のジャンパーは流れるようなシルエットを描き出しました。
ニットのボウバッグ、細長いストラップが付いたエンベロープバッグ、1枚の革を折ってつくられた台形の新しいショルダーバッグは幾何学的な見かけと柔らかい触感が特徴です。これらはグラフィカルや、フラワーモチーフのジュエリー、ビーズのヘッドピースと共に、コレクションの多彩な性質を高めています。
クチュールの品格と現代の感覚が装いに特別感をもたらしています。内なる強さを秘めた人物像を印象づけてくれるようなコレクションにまとめ上げられています。