第5回の「ロエベ財団 クラフトプライズ2022」の大賞と特別賞の受賞者が2022年6月30日、韓国ソウル工芸博物館(SeMoCA)で発表されました。大賞はダヘー・ジョン(Dahye Jeong)氏に、特別賞はアンディル・ディヤルヴァーヌ(Dahye Jeong)氏とユリア・オベマイア(Julia Obermaier)氏に贈られます。
今回のクラフトプライズでは、116の国と地域から、3100点以上の応募がありました。専門家たちによってファイナリストが選出されました。30点の最終選考作品はソウル工芸博物館(SeMoCA)で7月31日まで展示されます。日本からも田辺竹雲斎氏と、小梛真弓氏の2人が選出されています。
ダヘー・ジョン氏のバスケットに用いられた、馬の毛を使った帽子作りの技法はこれまで韓国では失われた技術と考えられていました。審査員は、クラフトプライズの主要な目的の一つである伝統の復活と更新に向けられたジョン氏の献身的な努力と、作品の緻密な完成度、透明感、軽やかさを賞賛しました。
2016年より毎年発表しているクラフトプライズは、現代のクラフトマンシップの卓越と芸術的貢献、先進性を讃えるものです。クリエイティブディレクター、ジョナサン・アンダーソンによって着想されたこの賞は、今日の文化におけるクラフトの重要性を認め、アーティストの才能、ビジョン、革新への意欲を未来に欠かせないものとして再認識することを目指しています。
この賞は1846年にクラフトの協働的な工房としてスタートしたロエベの原点を賞賛するものでもあります。ロエベが誇るクラフトマンシップの奥深さをあらためて思い起こさせてくれます。