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「ISSEY MIYAKE(イッセイ ミヤケ)」は2022年9月30日、パリ・ファッションウィークで2023年春夏コレクションを発表しました。タイトルは「A Form That Breathes ―呼吸するかたち―」です。
今回のコレクションは彫刻創作を基点に、服づくりへ発展させたそうです。そうしてできた服は布地から成る彫刻のように立体的でありつつ、滑らかさや柔らかさも兼ね備えています。
「TORSO」は彫刻のようなフォルムが特徴の、今シーズンを象徴するシリーズです。デザインチームが実際に手で制作した彫刻のトルソーの形を、1枚の布で表現しました。しっかりとした生地でありながら伸縮性も兼ね備え、着用することで生まれる立体感のあるシルエットとドレープは身体上に彫刻をつくりだしているかのようです。
「TORSO JUXTAPOSE」はデザインチームが制作した彫刻の形を柄に起こし、TORSOシリーズと同じ生地に大胆にプリントしたシリーズ。発色の良い顔料を採用し、手作業でベースの生地に厚くプリントを施すことで、まるで彫刻の持つ重厚感のようなテクスチャーを出しています。
「R COAT, R SHIRT」シリーズは肩から袖口にかけて滑らかな曲線がつくりだすシルエットが特徴になっています。コートは軽量で伸縮性のある生地に撥水加工を施し、機能性にも優れています。シャツはナイロンストレッチ糸を使用。服づくりの過程で発生した残布のパイピングテープを縫い付け、軽やかで柔らかな素材に仕上げました。
「RESONANT SUIT PB」は生地を折った状態で、部分的に円形のハンドプリーツ加工を施したシリーズです。循環や再生をイメージした円形のプリーツが連なるデザイン。未来につながる新しい素材に独自のプリーツ技術を掛け合わせた取り組みです。
「LINKAGE」はさまざまな編み組織を組み合わせることで現れる丸みや尖りを生かした、有機的なシルエットが特徴の無縫製ニットのシリーズ。素材はリサイクルポリエステルを使用しています。2色の糸が混ざり合って生まれる色の表情も、動きに合わせて上下に弾む様子も、まるで呼吸している彫刻のようです。
「ASSEMBLAGE」は抽象的な彫刻から着想を得た立体的なフォルムと透け感が特徴の無縫製ニットのシリーズです。繊細な糸を使用し、複数の編み組織を組み合わせることで、軽やかで弾むようなデザインに仕上げました。
「NUDE」シリーズは体をイメージした抽象的な彫刻をグラフィック化し、ニットで表現しました。モチーフ部分は透け感のある糸を使用することで、直線的なカッテングの中にドレープと立体感が生まれました。前後を逆にして着用することもできます。
「SCULPTURES」はデザインチームが制作した彫刻群をモチーフにしたアクセサリーのシリーズです。彫刻を3Dスキャンしたデータをアクセサリーサイズに落とし込み、繊細な造形を忠実に表現しました。
彫刻を通して、身体性を際立たせた造型には、亡き三宅一生氏の面影が感じられます。大きな喪失に直面しても立ち止まることなく、前へ進む意識も印象づけるかのようなコレクションです。
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