「Chloé(クロエ)」は2023年フォールコレクションを発表しました。気候変動への解決策を探るメゾンの取り組みの第3章です。
自然が自らを自己保存していくことを目的とした環境保全の先進的アプローチ「リワイルディング」に焦点を当てた2022-23年秋冬コレクション。核融合エネルギーの可能性を探求した23年スプリング・春夏コレクション。それらに続く新シーズンに、クリエイティブ・ディレクターのガブリエラ・ハースト(Gabriela Hearst)氏とクロエチームは、環境問題とジェンダーの密接な関係に思いを巡らしました。
イタリアの画家、アルテミジア・ジェンティレスキ(Artemisia Gentileschi)をテーマに据えました。17世紀のヨーロッパで、アルテミジアは当時の常識を覆して成功した女性画家。女性を主人公として描いた数少ない画家の1人です。自らの絵画を通して女性を擁護し、女性の力の限界に対する誤った認識を覆しました。今回のコレクションでは、アルテミジア作品が持つ女性的なパワーが表現されています。
ビショップスリーブが特徴的な、膝上丈のオフショルダードレスにはナッパレザーを使い、ルネサンスを現代的、グラフィカルにアレンジしました。V字ウエスト、スクエアネック、トランペットスリーブのドレスは、グラフィカルなニットパターンをあしらい、ウールとシルクの組み合せがコントラストを生み出しています。スカートとトップスの組み合わせは、ルネサンス建築からインスピレーションを得た格子モチーフが身体のカーブに視覚的な効果をもたらします。
水の使用量を最大で80%削減した、環境への負荷が少ないデニムウォッシュを開発しました。ライニングにシアリングを用いたロングコートの全身デニムのルックは、3色のインディゴカラーからなるパッチワークが特徴的です。リサイクルコットンを使用した新しいコーデュロイも採用。トレンチコートやスカートにはフューシャ色のスエード素材を使用しました。
メゾンのシグネチャーであるブローダリー・アングレーズ(イギリス刺繍)のスカラップは、より環境負荷の少ないウールポインテルのニットスカートとセーターのセットの他、レザーのボンバージャケットとスカート、ホワイトリネンのドレスにあしらわれています。カシミアウールを用いたパフスリーブのポロシャツドレスは、コルセットに見立てた縫製が施されました。
Penelopeバッグはブロックカラーに彩られたコントラストの鮮やかなレザーとスエードの質感豊かな組み合わせに、メゾンのジュエリーアーカイブからインスピレーションを得たメタルコインクロージャーやブレードレザーといった職人技が随所に光ります。23年フォールコレクションのボヘミアンな新作バッグライン「Arlene」は、丸みを帯びたフォルム、シグニチャーのメタルハードウェアが印象的です。
Tevaとコラボレーションした、リサイクル素材のみを使用したスポーティなサンダルラインは、 2023年春夏のテーマであるレイヴカルチャーからヒントを得たデザインです。環境負荷の少ないレインブーツも登場します。
エシカルな取り組みで知られ、B Corp認証も得ている「クロエ」。ブランドがクリエーションを通じて、望ましいメッセージを発していて、プラウドな気持ちでまとえる、特別なブランドとしての信頼感を、23年フォールコレクションで一段と高めています。