「クリスチャン・ディオール、夢のクチュリエ」展が2022年12月21日に東京都現代美術館で始まりました(23年5月28日まで)。パリ装飾芸術美術館で始まり、ロンドン、ニューヨークなどを巡回してきた大型ファッション展です。私は最初のパリで見て、心から感動。今回、あらためて東京バージョンを開催されるということで、わくわくしながら行って参りました。
近年はファッションをテーマに据えた大型展覧会が相次ぐようになってきました。その中でも展覧会は破格の規模。1500点を超える展示には圧倒されるほど。「ディオール」というメゾンの大きさを再確認することができます。
会場に入ると、代表作の「ニュールック」が出迎えてくれるのは、パリ展と同じ。以後の各展示室での見せ方は、東京向けのオリジナル仕様。建築家の重松象平氏が日本文化へのオマージュとしてデザインした新しい空間演出だそうです。ファッションアイテムにとどまらず、クリスチャン・ディオール氏の着想や、日本との関係性などにも目配りの行き届いた展示内容となっています。
「ニュールック」を象徴する「バー」スーツをはじめ、歴代の代表作が勢ぞろい。うっとりしながら展示室を巡るひとときを楽しめます。
メゾンを支えたデザイナーは、創業者のクリスチャン・ディオール以降も、イヴ・サン=ローラン、マルク・ボアン、ジャンフランコ・フェレ、ジョン・ガリアーノ、ラフ・シモンズ、マリア・グラツィア・キウリなどの各氏がいて、いずれも各時代を担うトップデザイナーばかり。展示室を巡ると、それぞれのクリエーションの違いを感じつつも、メゾンに共通するDNAのようなものを感じ取れます。
バッグの「レディ ディオール」や、フレグランスの「ミス ディオール」「ジャドール」など、服以外の幅広いアイテムも紹介されていて、「ディオール」というブランドの裾野の広さも実感できます。
最大のみどころと思えるのは、天井までドレスで埋め尽くされた展示。シルエットも彩りも様々で、「これ以上はない景色」と感じられるほど。ずっといつまでも眺めていたくなるようなドレス絵巻は息を呑む美しさ。しばらくひたすら心を奪われて、「ディオール」の世界に浸り込みました。
この展覧会の人気を示すのは、チケットの売れ行き。予約は早々に売り切れてしまい、当日券も長い列。当日券も早くに並ばないと、販売終了となるので、これから以降と考えている人は余裕を持って、チケットを準備したほうがよいでしょう。
勢いづく「イースト東京」の清澄白河エリアにあるから、カフェや雑貨店巡りと組み合わせての来訪もおすすめ。アートやファッション好きの仲間と連れ立って、「ディオール」の世界を堪能して、話題のレストランやカフェで感想を語り合うのも、素敵なプランになりそうです。
・「クリスチャン・ディオール、夢のクチュリエ」展 公式ホームページ
https://www.mot-art-museum.jp/exhibitions/Christian_Dior/