「KIDILL(キディル)」は2023年1月17日、パリ・ファッションウイークで2023-24年秋冬コレクションをプレゼンテーション形式で発表しました。
末安弘明デザイナーは自身の「コア」を意識したクリエーションを披露しました。とりわけ、スケーターたちの自由を重んじるマインドへの敬愛を表しています。
ティーンエイジャーの危なげな雰囲気を活写したドキュメンタリー。スパイク・ジョーンズやハーモニー・コリン、ダニー・ボイルらの作品。スケートやパンクなどのユースカルチャー。これらから着想を得ています。
「DC SHOES」と、DCスケーターとのコラボレーションはデザイナーのエモーションを映しています。ミリタリー素材などにオールドスケートのDIYの雰囲気を彷彿とさせるマルチプリントを随所に施しました。
ツィードとチュールの思いがけない出合い。ビジューやリボンといった装飾とテキスタイルの意外なコンビネーション。これまで以上にDo-It-Yourselfの精神を前面に押し出しています。
ウォン・カーウァイの映画に漂うノイジーな雰囲気も醸し出しています。劣化した壁紙のような質感をイメージしたデニムとガールプリントの組み合わせも一例。KIDILLらしいボーイズルックがコレクションのエッセンスに反映されています。
ロンドンで服作りを始めた頃の原点に立ち返るかのようなコレクションは程よくエモーショナルで、インディペンデントなテイストの装いに導いてくれそうです。