「Victoria Beckham(ヴィクトリア ベッカム)」は2023年3月3日、パリ・ファッションウィークで2023-24年秋冬コレクションを発表しました。多岐にわたる、一風変わった提案を通じて、優れた構造を研究し、作品に落とし込みました。
型破りな女性たちから着想を得て、実験的なスタイルと、恐れのないアプローチへのオマージュとなりました。子どものころのコスチュームパーティーに始まり、10代にはルール破りのカスタマイゼーション、そして自分のスタイルを見つけるようになったデザイナーの、服を通して私たち自身を変えたいという強い欲求が形となりました。
1975年の同名ドキュメンタリー映画に基づき、魅力的なキャラクターであるリトル・イディのドレスアップへのアプローチを現代風に昇華。新たな構築を試み、カスタマイズ。引っくり返すような表現を込めた特異な提案も盛り込まれました。
プリーツのパッチワークで不規則に構成されたドレスは、今シーズンのシルエットのトーンを決定づけています。多くのルックで大きなフェザーをあしらってグラマラスでリズミカルなムードに。コレクションの核となる素材にフォーカスし、目の錯覚のような効果を現しました。
動きに合わせて回転し、ねじれるサークルカットは、ドレスやガウン、ニットに多用されています。職人的な進化の象徴的な表現であるテーラリングは、創造的なプロセスの探求へと広がりを見せます。裏返した襟をあしらったストロングショルダーのブレザーも披露。テイラーによるワークショップステッチや切り込みが入っているデザインもあります。
エレガンス、フォーマルに華やぎや官能美を取り入れる新たな実験的なアプローチ。意外感のあるドレスアップに支持が集まる流れを代弁しているかのよう。世界的なファッションアイコンでもあるデザイナーの自身の着こなしにも通じる、独創的なスタイリングが光りました。