「Johan Ku Gold Label(ヨハン・クー ゴールド レーベル)」はファスナーをキーパーツに用いて、SF感覚のショーを披露しました。ミニワンピースは両袖の付け根にぐるっとファスナーを配して、袖をデタッチャブル(着け外し可能)に。複数の使い方ができるマルチウェイのウエアが人気を得ていますが、こちらはスリーブレスにスイッチできる仕掛けです。
ファスナーはいろいろな用途が提案されています。トップスの正面に走らせたダブルジップは、開き具合を好きなように調節できます。背中側にもファスナーがあしらってあり、大胆な肌見せも仕掛けられます。身頃を斜めに横切るファスナーはダイナミックな見栄え。鎖骨あたりで縦に走るファスナーは、半端なポジションでジャケットに「裂け目」を生みました。ファスナーを開け閉めの「道具」ではなく、着映えを劇的に様変わりさせる切り替えツールと位置づけた試みです。
シルバーグレー、黒、白でモノトーン系のカラートーンに整えています。静かな色味がファブリックの質感を際立たせています。生地の表情が深く、ダークムードを寄り添わせました。透ける薄布とのマリアージュもミステリアスな風情。立体的なパッチワークや、ふわふわと毛羽立った風合いが着姿にファンタジーをまとわせています。
ボリューミーなアウターやトップスに、肌にぴったりしたレギンス風ボトムスを引き合わせて、量感を操りました。太ももにスラッシュ(切り裂き)を加えて、パンキッシュに肌を露出。服にまとわりつかせた黒いオブジェは不気味な雰囲気。地球を侵略する宇宙生物の恐怖を描いた、伝説的なSF映画『遊星からの物体X』から着想を得たという、今回のコレクションを印象づけていました。
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