ロンドン・ファッションウィーク取材の空き時間を利用して、世界で最も人気のある現代美術館の1つである「Tate Modern(テート・モダン)」に行ってきました。昔の発電所を改造して誕生した建物はテムズ川に面しています。発電所の雰囲気を残す本館「Boiler House(ボイラー・ハウス)」と、隣接する新館「Switch House(スイッチ・ハウス)」を行き来ができる仕組みです。
この日はちょうど夜間まで開催されているということでショーの取材の後、行ってきました(夜間開館プログラムをユニクロが支援していると、ポスターで説明してありました)。黒人パワーをテーマにした「SOUL OF A NATION」という特別展が開催されていました。フラッシュを使わなければ、どの展示室でも写真撮影が許されていたのもうれしいところでした。
常設展ではピカソやサルバドール・ダリ、アンディ・ウォーホルなどの著名アーティストの作品に圧倒されました。現代アートの歴史を書き換えたとされる、マルセル・デュシャンの『泉』もさらりと展示。興味深く見えたのは、キュレーションのセンス。マーク・ロスコの抽象画とモネの『睡蓮』を向かい合わせに配置して、輪郭のない作品同士を対比してみたり、有名画家と新進アーティストの作品をわざと並べたりと、工夫や目利きを感じさせる見せ方に感心しました。その展示室を担当したキュレーターの名前もちゃんとクレジットされていて、本来の意味の「キュレーション」へのリスペクトを感じました。時間があっという間に過ぎてしまうような貴重なひとときでした。
Tate Modern
http://www.tate.org.uk/visit/tate-modern