「まとふ」ゲストアーティスト・シリーズ第4弾「うつわをさぐる時間」で妙なるひととき

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「matohu(まとふ)」が時折、国内外のアーティストを招いて
表参道本店で紹介するゲストアーティスト展の
第4弾は「そこにうつわがあるなら」

毎回、独創的なクリエーションに取り組むアーティストが
参加するこの催しですが、今回は、食を体験する時間そのものを
アートにするというとても興味深いアプローチで知られる
TAKAGI KAORU氏がこの企画のパートナーに選ばれました。

特別な器を作り、少人数での食体験を通して心を揺さぶる。
TAKAGI KAORU氏が生み出す陶器の器を用いて、実際に食事をして
食べ残しで汚れた状態までもアートととらえるという構成。
人の「生」の営みや、過ぎゆく時間、変化する器の風情などを
トータルに愛でる重層的な試みと言えるでしょう。

TAKAGI KAORU氏は1年も前からこのイベントのために
準備を始めていたそう。「matohu」デザイナーの
堀畑裕之氏と関口真希子氏も「ゆっくり待とう(まとふ)」と、
この日を楽しみに待ち続けてくれたと聞きました。
そして、ようやく実現したコラボレーションだけに、
「matohu」の服づくりと同じ丁寧な心配りが随所に感じ取れました。

器の作品展示と、食の参加イベントを合わせて開催する
展覧会「そこにうつわがあるなら」
2013年7月27日(土)~8月6日(火)の間、
matohu表参道本店で開催
されています。

参加型イベント「うつわをさぐる時間」は7月27日~31日、
毎回8人限りの完全予約制で開催されます。

すでに満席となり、キャンセル待ち状態となるほどの人気ぶり。
その貴重なイベントの前夜祭となるプレスイベントにお招きいただき、
一足早く、五感を刺激されるような時間を過ごしてきました。

「うつわをさぐる時間」の招待状には、参加に当たって
用意するものとして、カメラとペン、懐紙が指定されていました。

普段使う機会がなかなかない懐紙を、どうしてわざわざ
持参するように念押しするのか不思議?に思いつつ、
日本橋三越本店のお茶コーナーで懐紙を買い求めて、表参道店へ。

店内に入る前に受けた指示の通り、カメラ、ペン、懐紙だけを小袋に移し、
それ以外の私物は係の方に預けて、テーブルの前に進みました。

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8人がついたテーブルの上には、「matohu」がデザインした
特製の布にすっぽり包まれた状態の器が鎮座。

布の結び目をゆっくりほどくと、TAKAGI KAORU氏がこしらえた器が
静かに姿を現しました。不規則な起伏がいくつも施された器は
まるでいのちが備わっているかのよう。
食事に用いる器は一般的には機能重視の無機質なかたちですが、
この日の器はどれもたとえようのないほどに異形。
しかも、8人それぞれに器も布も異なっていて、
特別なお招きにあずかったことをあらためて実感しました。

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いよいよ「うつわをさぐる時間」がスタート。
TAKAGI KAORU氏自らがスープ状の液体が入った器を運んできました。
この体験イベントの趣向は、1つずつ運ばれてくる液体料理を味見して、
それを自分用の器に注ぎ入れるかどうかを、各自が決めるというもの。
数種類の異なる液体料理がテーブルの8人へ順繰りに回され、
それぞれは自分の好みで目の前の器に好きなように液体を注ぎ、
自分オリジナルの「料理」に仕上げていくのです。

運ばれてくる容れ物にどんな液体料理が入っているかは知らされません。
8人の前には味見用の棒状陶器が用意されていて、これを使ってその都度、
味を確かめながら、自分の器に取るか否かを決めていきます。
少量を注ぎ入れて、色と質感を見て、さらに足すかどうかを判断することもできます。
用意された液体は鮮やかな色だったり、澄んだ色だったり。
また、さらさらした質感もあれば、どろどろとした状態のものもあり、
選んで取った中身次第で、徐々にみんなの器は思い思いの
ワンプレートディッシュへと変身していきました。

さらに、各自の器は平坦ではなく、あちこちが不規則に
くぼんだり盛り上がったりしているので、どこのあたりに
しずくを垂らしたり、池を作ったりするかを考える楽しみもあります。

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やがて、8人の前にある器はほかの誰とも違うオンリーワンの
景色に変わっていきます。一通り、食べる用意が済んだところで、
全員が立ち上がってお互いの器を見比べ合ったのですが、
全然別の見栄えになっていることに驚きました。

静かな店内では、時に器が触れる音や、懐紙で拭く音、
注ぎ入れる音などが響き、色や見栄えに加え、音、さらには匂い、
最後には味まで加わって文字通り、五感を楽しませてくれました。

注ぎ終わった後、TAKAGI KAORU氏が液体料理の中身を
種明かししてくれましたが、これから参加する人もいらっしゃるので、
どれも自然の食材でしたということだけにとどめて、
ここでは伏せたままにしておきます。

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クライマックスでは氷と岩塩を入れます。
そして、それぞれの器に注いだ「料理」をスプーンで食すのですが、
まだ終わりではありません。食べた後の汚れた器も眺めて楽しみます。

TAKAGI KAORU氏の言葉によれば、この食後の景色がまたよいのだとか。
確かに、食べる前も目を楽しませてくれた器でしたが、食べ残しがついた
状態も趣深いもので、茶道に通じる感じ方のようにも思えました。

私は、どろどろ感のある緑の液体を、器の「山」の上からダイナミックに
注いだので、その垂れ具合が山裾の高原のように見えて、さらに氷も加わって、
偶然の出来映えではありますが、それはそれで美しいと感じました。

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最後に各自が感想を紙に短く書き留めて、終わります。
「食」という最も本能的な行為と、その道具である「器」を、
様々なスープ状料理を「絵の具」と見立てる格好で結びつけ、
その全体を包み込む「時間」までもアートで味付けした「五感フルコース」。

器をくるんだ「matohu」の布が物語るように、
ほっこり幸せな記憶を残してくれました。
素敵な時間を本当にありがとうございました[E:heart04]。

ここからは、撮影:Waki Hamatsu氏のオフィシャル画像をご覧下さい[E:camera]。
美しい写真にうっとり・・・[E:lovely][E:heart04]

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(c)Waki Hamatsu

matohu表参道本店 ゲストアーティスト・シリーズ第4弾「うつわをさぐる時間」
http://www.matohu.com/news/2013/07/post_25.html

TAKAGI KAORU
http://www.woshiribenren.com/

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