展覧会メインビジュアル
コシノジュンコ氏
新潟県立万代島美術館は2024年2月22日（木）から、展覧会「JUNKO KOSHINO コシノジュンコ 原点から現点」を開催します。期間は5月26日（日）までです。
コシノジュンコ氏の現在に至る活動の全貌を紹介する過去最大規模の展覧会です。衣装やデザイン画、写真パネル、映像演出など、約200点を展示。創造の軌跡を振り返ります。コシノ氏の創造の原点である高校時代に描いた絵画や装苑賞の受賞作をはじめ、現在に至る、多彩な活動の全貌を紹介する過去最大規模の展覧会です。
コシノ氏は「画家を目指した高校時代、激動の時代の日本を、友人達と切磋琢磨し世界へと飛び出した’60～’70 年代、“対極” という私自身の体験から生まれたデザインコンセプトとの出会い、ゆるぎない独創的意志の表現はコシノジュンコのデザインの美の原点でした。人との出会い、新たなモノ・コトへの挑戦、デザイナーとしての原点が、現点から未来へと続きます」とメッセージを寄せました。
装苑賞受賞作品 1960 年
キューバでのファッションショー Cabaret “TROPICANA” HAVANA, CUBA 1996 年
展覧会の見どころとしては
1）コシノ氏の「原点」を知ることができます
文化服装学院在学中の 1960 年に新人デザイナーの登竜門とされる「装苑賞」を最年少で受賞したコシノ氏は、東京を拠点にファッションデザイナーとしての活動を開始。1966 年には、青山にブティック「COLLET（コレット）」をオープン。その後、南青山キラー通りに移転しブティック「JUNKO」をオープン。「キラー通り」はコシノ氏の命名とされます。1970 年の大阪万博では、３つのパビリオンユニフォームを手がけ、1978年にはパリ・コレクションに初参加。さらに、中国、アメリカ、キューバなど各国でショーを開催しました。
POROPORO at GOBI Desert 2016 年
Spike Dress 2010 年
2）コシノ氏の「対極」を感じることをができます
1980年代からコシノ氏が取り組む「アール・フュチュール（未来の芸術）」という表現は、宇宙を構成する太陽、地球、月、大気、そこに生滅する人間など、それらすべてを表現しようとする試みです。宇宙という完全なる神の創造物を象徴する「円」、人間がつくり出す合理的なものを象徴する「四角」、光や人知の方向を示す「三角」をベースにしながら、「光と陰」「東洋と西洋」「用と美」「論理と感性」など対極的要素を共存・融合させて、万物の摂理を作品で表しています。
DRUM TAO“現代甲冑”衣装 2018 年
DRAM TAO“甲冑”衣装 デザイン画 2016 年
琳派コレクション“松柄羽織” 2004 年
琳派コレクションデザイン画 2021 年
3）コシノ氏の「現点」を実感することができます
コシノ氏はスポーツユニフォーム、オペラやブロードウェイミュージカルなどの舞台衣装にも活動の幅を広げていきます。なかでも2012年から手がける和太鼓エンターテインメント集団「DRUM TAO（ドラム タオ）」の舞台衣装は、累計数千着以上にのぼります。17年の「KIMONO」展（フランス国立ギメ東洋美術館）、翌18年の「Theatre 能 et mode」（パリ市庁舎）でショーを開くなど、伝統的な着物に現代のデザインを織り交ぜて、日本文化の魅力を世界に発信。近年の新型コロナウイルスによる外出と交流の制限下では、自身の原点であった絵を描くことに時間を費やしたといいます。それは、画家を目指していた高校時代の「原点」でもあり、現点」から「未来」へと続いていきます。
タイトルの通り、コシノジュンコ氏の現在に至る歩みを振り返ることのできる貴重な展覧会です。5月の連休過ぎまで続くので、展覧会を目当てに、旅を通じて春の多彩なおしゃれとアートに触れてみませんか。
2024年2月25日（日） 11:00～12:00には、コシノ氏のトークイベントが開催される予定です（定員200人、要事前申込／要観覧券）。
※申込方法はこちらから。
https://banbi.pref.niigata.lg.jp/exhibition/koshino/
新潟県立万代島美術館
https://banbi.pref.niigata.lg.jp
X・Instagram: @niigata_banbi
