人気イラストレーターの進藤やす子さんが『アラフォー女性のスタメンアイテム、見つけた!』(KADOKAWA刊)を出版しました。おしゃれ好きの進藤さんはこれまでにもたくさんのファッション本を書いています。今回はご自身の年齢を踏まえて、主に40歳代の女性に向けて納得感の高いアイテムを選ぶという新たなアプローチのおかげで、さらに参考になる本に仕上がっています。
進藤さんがチョイスしたのは、「主役にはならないけれど、実力はお墨付きで長く活躍している名脇役」的アイテム。つまり、普段からヘビーローテーションしやすく、頼りになるようなアイテムです。「等身大のおしゃれ」をかねてから提案している進藤さんならではのスタンスと言えるでしょう。
いわゆるファッション指南本の場合、スタイリングの全体をテーマにする場合が多く、個別のアイテムは二の次になりがちでした。しかし、実際に私たちが買い求めるのは、個別のアイテム。「ジャケット編」「シャツ・トップス編」などと、各アイテム別に編集された本書は使いやすいと感じました。
ブランド志向が強すぎない点も本書の親しみやすさにつながっています。各アイテムにはブランド名が示されてはいるのですが、手を出しにくい憧れ級ブランドばかりではなく、割と身近な存在のブランドがいくつも含まれています。自分らしいおしゃれを楽しみたい女性にはうれしい切り口です。
「手に取りやすくて品質にも納得できる、適正価格の大人アイテム」というチョイスの条件は、読者が実際にアイテムを選ぶ際の手がかりになります。とりわけ、本書の裏テーマとも言えそうな「コスパ感」というのは、これまでのファッション指南本で割と軽視されがちなところだったけに、魅力となっています。
いわゆるおしゃれ着だけではなく、スポーツアイテムのような、使い勝手に優れたウエアも取り上げられています。今のトレンドをしっかりつかんでいる著者ならではのさばけたセレクトがコーディネートのリアル感を支えています。
進藤さんの本に共通しているのは、イラストの丁寧な描写。たとえばボタンの形のような、写真ではつぶれてしまって、判別が難しい細部も本書ではしっかり描き込まれています。イラストは不要な部分を省略して描けるので、写真よりも重要ポイントに絞って表現しやすく、読む側も直感的に理解できます。ファッションの場合、ムードやテイストを感じ取ってもらううえでは、情報量の多すぎる写真よりもイラストのほうが向いていて、本書でもその強みが存分に発揮されています。
素敵なイラストに目を落としながら、パラパラとめくっているうちに、自然と賢いアイテム選びやコーデのコツが頭に入ってきます。タイトルには「アラフォー」とありますが、その上下両方の世代にとって頼りになりそうな、愉しいファッションブックが生まれました。
『アラフォー女性のスタメンアイテム、見つけた!』
https://www.amazon.co.jp/dp/4040687639/
イラストレーター・進藤やす子オフィシャルサイト
http://yasukoshindo.main.jp/
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