[東コレ]LESSTHAN/SOMARTA/JUNYA TASHIRO/HAN AHN SOON/HEATH/BOUTIQUE NICOLE by Kyoko Higa

01_2「LESSTHAN(レスザン)」は、パープルそのものや、ネイビーがかったパープルをポイント色としたロック&モードなコレクションを展開した。アイテムやスタイリングからは、女の子が取り入れたくなるような男前アイテムがたくさん。プリーツスカートの下にパンツをレイヤードしたり、白シャツの上に、ワンショルダーのボーダー柄ニットチュニックを重ねたり。蝶ネクタイのフォルムのブローチやハーフパンツ、パーカーなど取り入れやすそう。格闘家の北岡悟さんがモデルとしてランウェイに登場、マントを翻し、チャンピオンベルトをのぞかせるパフォーマンスもありました。

02「SOMARTA(ソマルタ)」は、「ADAMANTNINE(アダマティン)」がテーマ。物質、人の意志がダイアモンドのように輝き、堅固な姿と意味する言葉だそう。洋服が人間の身体を守るというイメージを持ったようだ。無縫製ニットがアイコンであるブランドだが、今まで以上に新素材の取り組みに積極的で、特に目を引いたのが、レザーアイテム。ボディを守る防具である、鎧や甲冑のようなレザーアイテムが、ニットに合わせてコーディネートされ、ニットの柔らかさとレザーの硬さや強さと優しさを融合させていた。
レザーは、エンボス加工後に京都の職人の手仕事技で一枚一枚箔加工を施し、レリーフモチーフを浮立たせているのだそう。また、ダイアモンドカットを部分的に表現し、アンティークな鈍い輝きが美しいスワロフスキーを使用、ニットワンピにあしらったものも登場した。得意のニットはゴールド、シルバーラメやファーとニットが組み合わさったジレのような新しい手法を取り込んだ作品が見られ、デザイナーの引き出しの多さを見せつけた。

03「JUNYA TASHIRO(ジュンヤタシロ)」のテーマは、「暴発(BO-Ha-TSU-)」。黒を基調に、合繊を使用したコレクションを送り出した。ジャージー素材からはじまり、ポリエステル、ナイロン、エナメルを中心に、ミリタリーテイストやジップ使いがポイントになったアウターなど、80年代調を感じさせるスタイルが主流。そこに、携帯ブログシステム「MEIBLO」とのコラボにより、QRコードをモチーフにしたチェック柄や招待状に描かれたファニーなイラストのスカートやパーカーなどを差し込み、遊び心も加えていた。これまでのブランドコンセプトである、天然素材を用いてきたコレクションとは真逆とも言えるスタイルで勝負した。

05「HAN AHN SOON(ハンアンスン)」のテーマは、「It’s a New Little World!」。世界中の民族衣装からインスパイアされたコレクションを披露した。花刺繍のツィード素材にフォークロア調のファーが付いたベストにショートパンツをはじめ、チロリアンテープを施したり、インディアンビーズのベルトでジャケットの上からウエストマークしたスタイルなど。ハンガリーの民族衣装である、花柄刺繍の膨らんだスカートやワンピースなどキュートな民族の香を漂わせた。フェミニンでガーリーテイストが満載のコレクション。

04_2「HEATH(ヒース)」は、全体的にミニマルでコンパクトシルエットなのに、作業着を彷彿させるものを取り入れ、エレガントカジュアルを匂わせた。上質ウール素材や変形トレンチ、変形ダッフルのショートジャケットなどに、スリムシルエットのワークパンツ、サテン地のチノパンで合わせた。ファーベストやファーのフーディネックウォーマーなどファーアイテムも見逃せない。スウェットパーカーの中にカッチリとしたベストを合わせるスタイリングはレディス服の着こなしにも取り入れてみたいと感じさせた。メンズの東コレブランドの中でも希少なアッパーカジュアルでノーブルなテイストが漂うブランドだ。

06「BOUTIQUE NICOLE by Kyoko Higa(ブティック ニコル バイ キョウコ ヒガ)」はボーホースタイルを打ち出した。ピーコック柄のシフォン素材のワンピースやスカートにファーアイテムをミックスした作品や、思いっきり長いフリンジが付いたワンピースやスカートなどが登場。背中が3段ラッフルになったトレンチコートや、脇にフリルをあしらったジョッパーズパンツなどを目をとらえた。毛足がカールされたファーはカラーリングされ、パンチと勢いをプラス。レース柄のニーハイブーツなどで味付けもしていた。

Pic1_2Pic2_3JFW開催中に東京ミッドタウンでは、繊研新聞社主催の展示会「Luxe by PLUG IN」が開催されました。こちらは、上質&クリエイティビティなブランドを厳選しています。
大御所の「HIROMI YOSHIDA」をはじめ、大人女性のための「FUMIO」、東コレ常連の「翡翠(HISUI)」、メンズの「UNDER CASTLE」、今回初の「SHINMAI Creator’s Project」などなど、話題ブランドが集結していました。

私が昨年、目を付けた「GANGLION(ガングリオン)」も出展していました。吉崎結一さんが手がけるブランドで、毛皮会社と組んでいます。吉崎さんは毛皮に関する知識に長けていて、毛皮を普通の布帛の一部として考えているデザイナーです。

先週、カナダ・トロントに行ったときも、トロントの毛皮を使うデザイナーが同じような事を言っていたのですが、日本ではこういった発想を持ったブランドがあまりないので、とても共感が持てました。「GANGLION」は、ミンクやゴート、フォックスなどのファーをミックスするのが得意。今回はフォックスのベリー(お腹の部分の毛)を使ったジップ使いのオシャレアウターが登場。とにかく驚くほど軽いです。

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