[東コレ]Yukiko Hanai/Hidenobu Yasui/Reem/RITSUKO SHIRAHAMA/@IZREEL/fur fur

1「Yukiko Hanai(ユキコ ハナイ)」は、雪色をイメージしたアイボリーからはじまり、サーモンピンク、グレーへと色を変化させた。テーマは、「It twists it」(大自然のつくるカタチ)。自然界の色が移り変わっていく様子を表したようだ。綿飴のように空気をふんわり含んだ膨らんだトップスやスカート、サーモンピンクダウン、オレンジ系へアリーな毛足長いファーボレロ、モヘアシャギーニットなど、優しく身体を包み込んだ、癒やし感あるエレガンスを表現した。デザイナーの花井幸子氏がトータルプロデュースし、4月中旬に発売されるスキンケアシリーズのイメージである優雅な花を刺繍したダウンやスカートもお披露目された。

2「Hidenobu Yasui(ヒデノブヤスイ)」は、トップグレーやブルーグレーなど曖昧な色を使って、Iラインが主流のノーブルなコレクションを送り出した。今までのボリュームあるロングスカートやドレスのコレクションから一変。クラシカルなブラウスに、ミディ丈のセミタイトやセミフレア、プリーツなどの上品スカートを合わせた、縦に落ち感のある控えめなシルエット。そこにエレガントなハイヒールやクラッチバッグをプラス。女性らしさを際立たせた。トレンチコートの肩にあるようなボタン留めのエポレットが袖脇全体にあしらわれていたり、指で摘んでひだをたくさんとったものがあしらわれていたり、緻密で職人気質を発揮したディテールが際立っていた。

3「Reem(リーム)」はスカッっとパンチの利いた刺激的なコレクションだった。アンティークシフォンやレースにスパングルやレザー、ファー、フェザーなどを巧みに組み合わせてミックスレイヤードで仕上げた。ふわふわした素材に、パンクやグラムロック・テイストをミックス。洗いをかけたレザージャケットは、長いフリンジが揺れ下がり、レイヤードスタイルに動きをプラスしていた。
ヴィンテージファブリックに精通しているデザイナーならではの、素材選びやミックスの使い方に魅了された。スパンコールのレオパード柄レギンスやオールインワン、ニットやメタリック素材のジャンプスーツなどエッジが利いてゴージャスなものに、アンティーク素材の取り入れ方が絶妙で、ファッションの楽しさを改めて感じさせてくれた。

ロンドン発「Reem」期間限定ショップ記事
http://fashionbible.cocolog-nifty.com/blog/2008/11/reem-c201.html

4「RITSUKO SHIRAHAMA(リツコ シラハマ)」は、オブジェのような服をインスタレーション形式で発表した。「モードと野菜のインスタレーション」がテーマ。野菜をアートと考え、布を重ね合わせて野菜に見立てた服が並べられた。立体的なフォルムをベースにしたメルトン生地のコートやワンピースに手作業で編み込まれたローゲージニットから柔らかい立体を生み出した。野菜の写真をデジタル処理してプリントした服も「野菜アート」を表現していた。

5常識を崩すアプローチで仕掛けたのが「@IZREEL(イズリール)」。ストリートの要素をカジュアルアップ、スーツアイテムをドレスダウンさせたコレクションを発表した。ライダースジャケットやブルゾンには、上質なパンツで合わせ、スーツスタイルのジャケットのまわりにはフリンジをあしらったり、ジャンパーに付いている紐をスーツジャケットに施したりと、原型をぶれさせるアレンジが冴えた。ジャケットとベストが一体化したアウターや、ライダースジャケットとGジャンを融合したようなデザインなど、トロンプルイユ(だまし絵)的なテイストミックスも見せた。

6「fur fur(ファー ファー)」は、お得意の複雑レイヤードスタイルは健在、さらにメンズエッセンスを取り入れ、飛躍したコレクションを見せつけてくれた。田舎の農夫風のワークスタイルからインスパイア。ナイロンパーカーにロマンティックなフリルやレースのブラウスやカーディガンなどを何枚も重ね付け。そこに老舗デニムブランド「Lee」とのコラボジーンズで合わせた。甘さの中にオーガニックな風合いを持たせ、マニッシュな味付けが生きてていた。メンズ風のトレンチコートやダッフルコートを、ショート丈のAラインに変形させ、甘くロマンティックな新顔アイテムに昇華させていた。80年代に一世風靡したブランド「ピンクハウス」を彷彿させる「fur fur」の独自世界観はますます今後が楽しみだ。

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