2017-18年秋冬ニューヨーク・ファッションウイーク（2月9～16日）が終了し、無事に帰国しました。今回のNYコレクションでは「反トランプ」の政治的メッセージが強く打ち出されました。フェミニスト的主張や移民コミュニティー尊重など、NYならではのダイバーシティー（多様性）を強調するクリエーションも目立ちました。見てすぐに買える「see-now-buy-now」形式を採用するブランドや、NY以外の都市で発表するブランドも増えて、NYは曲がり角に差し掛かりつつあるようです。一方、メンズとウィメンズを同じランウェイで発表するショー形式が広がり、パーティー風の発表も相次ぎました。
近頃はNYとパリでトレンドの方向感が食い違う傾向が見られます。トレンドの全体像はパリまで見ないとつかみかねますが、NYコレクションだけから見ると、「強い女」のイメージが押し出されています。反対にロマンティックやガーリーのテイストも盛り上がっていて、女性を多面的にとらえる意識がクリエーションに写し込まれていると言えそうです。「強い女」を象徴するのはパワースーツの復活。優美に膨らんだベルスリーブ袖や、つやめきを帯びたベルベットはロマンティックを感じさせます。以下に17-18年秋冬NYコレクションのトレンドキーワードを挙げます。
◆テイスト、ムード、スタイリング
アンチ・トランプ、アメリカン、ステートメント、テーラード（テーラーリング）、ブリティッシュ（英国調）、ウェスタン、プレッピー（アメリカントラッド）、アフリカン、カウンターカルチャー、ヒッピー、ＤＩＹ、ヒップホップ、フォークロア、レイヤード、インディペンデント（自信、自立）、強い女、カルチャーミックス、ガーリー、エキゾチック、古きよき時代、クラシカル、パワードレッシング、ダイバーシティー（多様性）、90年代、ノスタルジック、グラマラス、ミリタリー、プロテスト（反抗、反発）、マイノリティー、アイデンティティー、マスキュリン、ボヘミアン、ロック音楽、ランジェリー、ストリート、ノスタルジー、ボヘミアン、プレイフル、ロマンティック、グランジ、カウンターカルチャー、ヴィンテージ、ワークウエア、ジェンダーレス、フォークロア
◆シルエット
パワーショルダー、ワイドボトムス、アンチフィット、アシンメトリー、ベル×ベル、フィット・アンド・フレア、パフスリーブ、ベルスリーブ、スーパーサイズ（オーバーサイズ）、ハイウエスト、ダブルブレスト、オフショルダー、ロング丈、バギー、ミドリフ（ショート丈トップス、ウエスト見せ）
◆アイテム
パンツスーツ、タキシード、肩張りジャケット、ボーイフレンドジャケット、レザーパンツ、ブレザー、ヒジャブ、マイクロバッグ、タートルネック・ニットトップス、ビッグニット、ジャンプスーツ（コンビネゾン）、ダウンジャケット、ボリュームソール、クロップトップス（ミドリフ・ニット）、パーカ、ポエットブラウス、ベルボトムパンツ、ステートメントＴシャツ、大学生風カーディガン、ポインテッド・トゥ、デニムジャケット（デニム・セットアップ）、バギーセーター、黒タイツ、トレンチコート、ロングコート（マキシコート）、ケープ（ケープレット）、ルーズカット・パンツ、マキシ丈ドレス、チュールスカート、ボマージャケット、ワイドパンツ、紳士服風スラックス、ファーバッグ、フーディー、スリップドレス、バイカー（モーターサイクル、ライダース）ジャケット、コンバットシューズ、チャンキーブーツ、ロンググローブ、ワイド（バギー）パンツ、チェーンバッグ、プリーツスカート
◆ディテール
ハイウエスト、大襟、ボア襟、肩カットオフ、脇カットアウェイ、見せジッパー、シャーリング（ファー）、レース、ビッグボウ（リボン）、アップリケ、飾りスリーブ、フィッシュネット、刺繍、ラッフル、フリル、パッチワーク、ビーズ、スリット、スタッズ、ギャザー、ドレープ、ビッグレター、ビジュー、、フリンジ、プリーツ、手仕事（ハンドクラフト）感・ＤＩＹ、ハンドステッチ、キルティング、ワッペン、ブランドロゴ、インド風、ダブルブレスト、斜め掛けバッグ
◆マテリアル
ベルベット、コーデュロイ、デニム、ファー、フェザー、ギャバジン、サテン、シアー（透ける）生地、プラスチック（ビニール）、メッシュ、レース、メタリック生地、ツイード、ジャカード
◆カラー
ピンク、レッド、ブライトカラー、黒、黒×白、パープル、ブルー、ボルドー、（バーガンディー）、ブラウン、ニュートラルカラー（キャメル、ベージュ）、メタリック、オレンジ、グリーン、オリーブ
◆柄・モチーフ
スローガン（ステートメント、メッセージ）、レパード柄、英国伝統柄（ヘリンボーン、ハウンドトゥース、ガンクラブチェック、ウィンドーペーン、アーガイル、グレンチェック、タータンチェック）、ピンストライプ、ポップアート、アメリカンモチーフ（国旗、ニューヨーク、星、ウエスタン）、フローラル（花柄、バラ）、カムフラージュ（迷彩）、アニマル柄、オリエンタルモチーフ、エスニック模様、ネイティブアメリカン柄
◆話題
フェミニスト的主張、アメリカ愛、移民カルチャー、連帯・結束、コミュニティー尊重、政治的ステートメント、ダイバーシティー（多様性）尊重、プラスサイズ・モデル起用、see-now-buy-now浸透、パーティー風プレゼンテーション（展示会）、多世代モデル起用
～関連記事～
2017-18年秋冬NYコレクションリポート（前編）～「ＮＹらしさ＝多様性」を追求
http://www.yomiuri.co.jp/komachi/beauty/fcolumn/CO005410/20170224-OYT8T50035.html
宮田理江のランウェイ解読「2017-18年秋冬NYコレクション～Vol.39」
http://www.apparel-web.com/column/miyata/2017-18aw_ny_01.html
2017-18年秋冬NYコレクション・リポート
https://riemiyata.com/work/13939/
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◆グラム 宮田理江の「ファッションeye」更新中
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