いよいよ6月28日から開催される「ショーメ 時空を超える宝飾芸術の世界」展。前日のプレスプレビューにお招きいただき、行ってきました。
ヴァンドーム広場に軒を連ねる「パリ5大宝飾店」の代表格である「CHAUMET(ショーメ)」は、1780年に創立された老舗ジュエラーです。ナポレオン1世と皇妃ジョゼフィーヌの御用達ジュエラーとして知られ、伝統を重んじつつ、今なお革新性を追求し続けています。
18世紀後半から現代まで、約240年に及ぶショーメの伝統と歴史を紹介する日本初の貴重な展覧会です。ダイヤモンドのティアラやネックレスなどの宝飾品から始まり、未発表の素描や古写真など合計約300点が展示されています。これらの貴重な品々を間近で見られたのは、至福の時間でした。
約20点のティアラと、300点のニッケル=シルバーのモデルが並んだ部屋では、権力の象徴であると同時に流行のアクセサリーでもあるティアラが、時代ごとに変わっていくのもわかります。たくさんのティアラからお気に入りを見つけてみたくなります。私は自分の誕生石のアメジストのティアラが気に入りました。1830年代のものです。
愛を象徴するメッセージや生き物モチーフを備えたジュエリーのデザインも見事で引き込まれてしまいます。タコのネックレスやヘーゼルナッツのネックレスはウィット感がありながらも、洗練された美しさを宿しています。
当時はヘアスタイルも凝っているので、当然、ヘアジュエリーもきめ細やか。緻密で豪華なヘアジュエリーも印象に残りました。
ブローチとしてもエグレット(ターバンや帽子)としても使える、いわゆる2WAYジュエリーが1890年頃から存在していたのは意外でした。重宝な多WAYアイテムは今のおしゃれマインドにマッチしていますが、その時代からあったことにビックリしました。
私が個人的に気に入ったなかのひとつがこちら。スコットランドのタータンチェックをイメージした「タータンチェックのリボン」ブローチです。こちらは19世紀当時、女性らしい服装に必須であったリボンの蝶結びから派生したデザインを取り入れたそう。同時に、心の結びつきの象徴という意味合いも暗示していたそうです。なにげなく気に入ったジュエリーにこんなストーリーがあることに驚きました。こちらのポストカードまで購入してしまいました。
ショーメの作品は19世紀半ばのジャポニスムからも着想を得ています。その影響は今日まで続いていて、メゾンの日本に対する敬意を表現した空間も日本人としてうれしく思いました。
赤レンガで復元されたレトロシックな「三菱一号館美術館」は、建物の中を歩いているだけで、アート気分が楽しめます。ミュージアムショップでは展覧会の関連グッズも販売されています。ミュージアムカフェバー「Cafe1894」では展覧会にちなんだデザート、ランチ、ドリンクも用意されています。
非日常感が味わえるうえ、いろいろと勉強になって、1日ずっと展覧会とジュエリー美の余韻に浸れました。展覧会開催期間は2019年9月17日まで。至高の展覧会は必見です。ぜひ足を運んでみてください。
「ショーメ 時空を超える宝飾芸術の世界」
https://mimt.jp/chaumet/
CHAUMET
https://www.chaumet.com/
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