2014-15年秋冬NYコレクション! 次トレンドはコレ

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Alexander Wang/3.1 Phillip Lim

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Anna Sui/Diane von Furstenberg

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Michael Kors/Milly

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Anna Sui/Helmet Lang

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Donna Karan/Carolina Herrera

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BCBGMAXAZRIA/Band of Outsiders

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ICB/Adeam

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Alexander Wang/Jason Wu

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Herve Leger by Max Azria/Diesel Black and Gold

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3.1 Phillip Lim/3.1 Phillip Lim

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Alexander Wang/Jason Wu

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Rag & Bone/Rag & Bone

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Thakoon/ICB

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Milly/Derek Lam

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Herve Leger by Max Azria/Nanette Lepore

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BCBGMAXAZRIA/Desigual

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Band of Outsiders/Tracy Reese

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Lacoste/Lacoste

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Michael Kors/Tracy Reese

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Theory/Theory

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Thom Browne/Thom Browne

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Tommy Hilfiger/Tommy Hilfiger

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Nanette Lepore/Thakoon

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Rebecca Minkoff/Rebecca Minkoff

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Rebecca Taylor/DKNY

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Tadashi Shoji/Vivienne Tam

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Diane von Furstenberg/Rebecca Taylor

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alice + olivia/alice + olivia

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Cynthia-Rowley/Cynthia-Rowley

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J. Crew/J. Crew

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Kate Spade New York/Kate Spade New York

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Elizabeth and James/Elizabeth and James

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Moncler Grenoble

2014-15年秋冬・NYファッションウイークが終了し、無事に帰国しました~[E:airplane]。
今回のNYコレクション全体のムードは、イージーグラマー。
力まず気張らず、でも程よいあでやかさやリッチ感、
エレガンスを漂わせるという感じ。それは、2014春夏の
「エフォートレス」の延長線上にあり、さらにゴージャスさや手仕事美、
素材感をプラスした進化系エフォートレスとでも呼べそうなたたずまいです。
リラクシングでスラウチなシルエットに、上質素材やハンドクラフトを交わらせ、
飾り立てないリュクスや抜かりのない目配り、自然体の気品を宿らせています。

見るからに防寒性の高そうな暖かい服が目立ったのも、
歴史的な寒波に襲われたNYファッションウィークにふさわしい
リアルでリッチな提案と映りました。アウターはオーバーサイズの
フォルムが増え、素材感ではまるでぬいぐるみのようなふわもこ感が
打ち出されていました。ムートンをさらに柔和にしたような、レザーと
ファーの長所を兼ね備えたマテリアルが脚光を浴びました。
穏やかで優美な着姿の内側に、静かな芯の強さ、譲りたくない自分らしさを、
物静かなトーンで主張するようなハイブリッド感は目新しく感じます。
はかなげフェミニンではなく、何者にももたれかからない
自立感の強い凛々しげフェミニンです。

秋冬らしいレイヤードルックはさらに重ね方のバリエーションが
豊かになってきました。男女両方のモデルがランウェイを歩く
ミックス構成のショーもしばしば見られ、ジェンダーミックスが
スタイリングにとどまらず、発表形式の上でも自然に溶け合って見えました。

労働者の風情が濃いワークウエアは新しい柱になりそうな気配。
雰囲気に共通点のあるミリタリー、スポーツ、アウトドアも
さらにこなれた着姿へ浸透してきたのがうかがえます。
ヒップホップやストリートなど、90年代の気分も復活の兆しが見えてきました。
これら一癖あるテイストを、そのまままとうのではなく、ラグジュアリーに
仕上げたり、たおやかに整えたりと、異なるテイストとミックスして操るのが、
新しいスタイリングのようです。全体的に一筋縄ではいかないひねりが
利いていて、一見するとカジュアルのように見えて、実は
クチュールテクニックがふんだんに注ぎ込まれているといった具合です。
テクノロジーを駆使したプリントやカッティングでフューチャリスティックな
ムードを醸し出したり、戦士の甲冑・鎧風のディテールで中世の武骨さを
借りてみたりと、新技術・新発想が相次いで投入され、アイデアフルな
提案が増えたのも、今回の目立った動きと言えるでしょう。

では、早速、ネクストシーズン(2014-15年秋冬)のファッショントレンドを
予測し、主なキーワードとともにご紹介していきましょう。

◆ファー、シャーリング、ふわもこ、モフモフ素材
ファーが例年以上に多く見られ、コレクションによってはファーラッシュと
いった感じの勢い。もともと冬が厳しいNYに寒波が追い打ちを掛けたことも
手伝って、モデルから借りて今すぐまといたくなるようなムードに。
あちこちのブランドから打ち出されたのが、ぬいぐるみにありそうな、
ムートンをもっとソフトで分厚くした感じのふわふわ、もこもこ、もふもふとした
風合いの素材。くるまれるだけで気持ちまで癒やされそうなアウターが
たくさん登場しました。犬が雨に濡れた後のような、ウエットな表情を持つ
毛並みのコートも目新しく映りました。ストリート感とラグジュアリーの
ミックスを異素材の組み合わせで表現する試みも見受けられました。

◆ワークウエア、アウトドア、スポーツ、ストリート、ミリタリーをラグジュアリーに
箱ポケット付きのパンツやチェック柄のシャツなどの労働者スタイルを
フェミニンやキュートに整える提案も相次ぎました。古き良きアメリカへの
ノスタルジーを感じさせるスタイリング。でも、本来のワーカー風ではなく、
ジェンダーミックスをしっかり効かせています。同じように、ストリートは
ラグジュアリーに、スポーツやアウトドア、ミリタリーも大人テイストに仕上げ、
装いに深みを与えています。なかには部屋着やパジャマのような
雰囲気なのに、どことなくアッパーでアダルトなムードを漂わせる提案もあり、
シーンフリーはさらに一歩先へ進んだ感じがあります。

◆大人レイヤード、スラウチ、フリュイドライン、アシンメトリー
重ね着スタイルをもっと大人っぽくファッショナブルにという提案が目に付きました。
レイヤードはボーホーやゆるカジの風情を濃くするところがありますが、
今回のNYで主流になっていたのは、スラウチではあっても、だらしなく見えない、
非・脱力系の重ね着スタイル。アイテム面ではニットを使ったり、透ける素材を
ミックスしたりといった工夫で、レイヤードにありがちなもっさり感をそいでいます。
チュニック系のトップスが様々な素材で登場していて、着こなしの
キーパーツになりそう。流れ落ちるようなシルエットにもレイヤードの効果で
動きが出て単調に見えにくくなっています。前後・左右のバランスを
崩して変化を印象づけるアシンメトリーも多用されました。

◆ボリュームアウター×透けるスカート
アウターはややオーバーサイズと見えるほどにゆったりしたフォルムが
台頭しています。たとえばファーのボリュームコートや、マスキュリンな
縦長のチェスターコート、毛糸をどっさり使った量感が朗らかなニットなど。
こういったいかにも暖かそうな装いに、ボトムスはあえてシーズンの
常識を裏切る透けるスカートで合わせるという逆張りのハイブリッドは
ニュースなマッチング。ボリュームアウターからのぞく透ける素材が一段と
軽やかに見えるうえ、動きも出て、全体が重たくみえない高度な合わせ技です。
14年春夏は季節のセオリーを破る「夏コート」が話題を集めましたが、
14-15秋冬は「冬シースルースカート」が視線を集める予感がします。

◆バミューダパンツ、センタープレスのゆるパンツ
パンツはワイド方向に振れました。たっぷり幅のスラウチなシルエットで
ありながらも、メンズ風にきちんとセンタープレスされ、ルーズに見えない
品格ワイドが来季の方向感。ダボッとしていても、だらしなく見せないで、
ドレープを躍らせる余裕のスタイリングにまとめ上げるのが、
次なるパンツルックの手なずけ方。パンツと呼ぶべきか、
キュロットと見るべきか迷うようなタイプも登場しています。
ふくらはぎ丈のバミューダパンツもボーイズ感を抑え込んで、
エレガントに着こなすと、かえってフレッシュなレッグラインが引き立ちます。

◆フレアミニ、ミディ丈スカート、フレアロングスカート
スカートは複数の異なるアレンジが入り乱れて提案された感じがあります。
ガーリー感の高いフレアミニを大人の着姿に落とし込むスタイリングは、
先シーズンから続くスクールガールのトレンドを解釈し直したかのよう。
一方、節度や分別を印象づけるミディ丈スカートは、少し古風な風情が持ち味。
ボマージャケットやスポーツブルゾンのような表情の異なるトップス、アウターと
合わせて、微妙なずれ感を楽しめそう。フレアロングスカートも復活の兆し。
裾シースルーや大胆スリットで重たく見せない工夫が盛り込まれています。

◆大柄チェック(バッファローチェック)、抽象(アブストラクト)柄
モチーフは総じて大きめになりました。たとえば、チェック柄は赤と黒の
ネリルシャツでよく見るようないわゆる「バッファローチェック」といわれる大柄へ。
抽象的なモチーフは柄サイズを大きくする傾向が強まりました。
デジタルプリント技術の進化を追い風に、極端にデフォルメした柄や、
一見何の図柄が分かりにくいような変形を施した柄も登場。モチーフ・模様は
全体にダイナミックでポップな見栄えに変化しつつあるようです。
柄を彩る色も強めカラーが多く使われるようになってきています。

◆メタリック、グリッターとのミックス
シャイニーなまばゆさは先シーズンから勢いを増して主要トレンドの
仲間入りを果たしていましたが、来季はその勢いが加速。
ゴールドを中心にグリッターが輝きを増しそうです。未来感覚の
フューチャリスティックなデザインと相乗効果を発揮して、きらめき素材や
メタリックカラーがさらに出番を増やしています。ただ、単にギラギラを
まとうのではなく、レザーと交わらせたり、ベルベットやサテンなどの
ファブリックと響き合わせたりして、異素材、別テイストとのマリアージュを
試すのが、来季のミステリアスなグリッターの味付けとなっています。

◆デニム
復活の流れがはっきりしてきたデニムは新たな解釈が施され、アレンジに
広がりが出てきます。デニムの質感は生かしながらも、カッティングや
テイラーリングに工夫を凝らして、昔ながらのジーンズっぽくは見せない
スタイリングも現れました。その一方で懐かしいデニムフレアスカートを
リバイバルする動きも出ています。カジュアル、ストリートの匂いが強いデニムを、
対極のファーと合わせるような、リッチめのコーディネートも試みられています。

◆太ベルト、ファーマフ、フリンジ、ジップ、
小物に目を移すと、主張の強さが今の気分だと分かります。
象徴的な太ベルトはさらにメタリックバックルの力も借りてパワーアップ。
アウターの上から巻くスタイリングも広がりを見せています。
ファーは種類や色が一段と豊富になり、ロシア風の帽子や
ハンドウォーマー(マフ)、さらにはバッグにまでもファー使いが広がっていました。
レザーや布を細くカットして短冊状にしたフリンジをバッグや服から垂らす
ディテールは多くのブランドで提案されました。テキサスやウエスタンを
思わせる演出でもあり、全体的なクラシックアメリカへの回帰の
方向感ともなじみます。メタリックやデジタル感覚の流れに合わせて、
ぎらつき感のあるジップがランウェイで照り映えていたのも目に残りました。

会場を訪れたファッショニスタの着こなしでは、極寒ということもあり、
オーバーサイズのコートやチェスターコート、ブルゾン系、ファーコートなど、
アウターでおしゃれを楽しむ人が多く見受けられました。
冬の防寒アウターとなると、ダーク系が多くなりがちですが、
今回のショー会場ではパステルピンクや赤が目につきました。
コートを軸にしたスタイリングでは、デニムや、レザーの
トレッキングパンツをはき、靴はスニーカーやローファー系で合わせ、
グラマラスなアウターにストリートやスポーティーをミックスしたコーデを
試みていました。キャップをファーに合わせるようなラグジュアリーストリートの
ウィットフルなミックスはいかにもNYらしいと言えるでしょう。
ロングのチェスターコートにメンズ系パンツをゆるっとはいて、
彼から借りてきた感じのスタイリングも技ありのコーデでした。
バッグはミニバッグ(3.1 フィリップ リムのmini pashli satchel)や
フリンジバッグなどを多く見掛けました。氷点下の気温なのに、
ボリュームアウターの内側はお腹チラ見せという、おしゃれへの
並大抵ではない気合いを証明したファッショニスタもいて、
ファッションウイークを来場者も一緒になって盛り上げようとする
心意気にはあらためて感心させられました。

2014-15年秋冬NYコレクション・リポートを執筆しましたので、
こちらも合わせてご覧くださいませ[E:heart]

◆NYコレクション=ハイライト1 
「BCBGMAXAZRIA」「Desigual」「Tadashi Shoji」
http://apparelweb-collection.tumblr.com/post/75958780740/ny-1-25-bcbgmaxazria-2

◆NYコレクション=ハイライト2
「Alexander Wang」「rag & bone」「Jason Wu」「Lacoste」
「MONCLER GRENOBLE」「kate spade new york」
http://apparelweb-collection.tumblr.com/post/76107771693/ny-2

◆NYコレクション=ハイライト3
「DIANE von FURSTENBERG」「DONNA KARAN」「3.1 Phillip Lim」
「Tommy Hilfiger」「DKNY」「Band of Outsiders」
http://apparelweb-collection.tumblr.com/post/76427420971/ny-3

◆NYコレクション=ハイライト4
「MICHAEL KORS」「TORY BURCH」「Diesel Black Gold」「ICB」
http://apparelweb-collection.tumblr.com/post/76628672549/ny-4-ny

~関連記事~

2014-15秋冬NYコレクションの新潮流(前編)
http://www.yomiuri.co.jp/komachi/fashion/column/20140306-OYT8T00359.htm

デジタル先進国・米国が映し出す「NYコレクション」の現在形(2014年秋冬レポート)
http://www.fashionsnap.com/inside/ny-14aw-report/

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