ニューヨーク在住のイラストレーターでブロガーのJenny Walton(ジェニー・ウォルトン)さんは、注目ファショニスタの1人。ストリートスナップでもおなじみで、たくさんのメディアでその見事な着こなしが取り上げられてきました。今回、バレエシューズのブランド「Pretty Ballerinas(プリティ・バレリーナ)」とJennyさんとのコラボレーション「Pretty Ballerinas×Jenny Walton」が実現しました。
創業90周年を迎えたスペイン発の「プリティ・バレリーナ」は名前の通り、バレエをコンセプトにしたシューズブランド。バレエシューズ、バレエパンプス、フラットシューズを中心に展開しています。熟練の職人が作り上げ、それぞれの靴のモデルには、女優や女性歌手にちなんだニックネームが付けられています。
クラシックテイストやヴィンテージアイテムを上品に愛らしくミックスするスタイルが上手なJennyさんと大人かわいい「プリティ・バレリーナ」とのコラボはどんなものが生まれたのでしょうか。独占インタビューをしました。
◆パーソンズ美術大学のファッションデザインコースでBFAを取得し、ニットデザイナーもしていたそうですが、今回、靴ブランドとのコラボを選んだ理由は?
――私は昔からいつも靴にはこだわってきました(子供のころ母は私と靴の買い物に出かけることを嫌がっていました。というのも、子供のくせにやたら靴にうるさく、店から店へと引きずり回していたからです!)パーソンズでは実際に靴デザインのコースを選択し、手作りで自分たちの靴を製作したりもしました。このコースでは靴製作の科学的理論と共に、靴はどれほど細やかで特別な工芸品であるかという点を深く理解するようになりました。
◆「Pretty Ballerinas」とコラボレートするにあたって、アイテムに込めようと考えたメッセージは何ですか?
――主なメッセージとして伝わるといいと思うのは、この靴のデザインは、時代を超越しているということです。皆が長く愛用したいと感じてくれる靴であることを望みます。私の意見としては、クリスタルバレリーナフラットのようなバレエシューズはそういった時代を超越したもので、1950年代にもありましたが、今日でも完璧に活躍してくれると思います。
◆新型コロナウイルスの影響がファッションの世界でも大きくなっています。今回のコラボでもコロナの影響で、変化した点があるでしょうか?
――旅行や様々なイベント参加が出来なくなったので、私個人的には、その代わりに今まで以上に自分の街 (ニューヨーク)を散歩して、より街が理解出来たと思います。5マイル散策するには、快適な靴が必要ですよね。なので私にとってはバレエシューズが完璧です。私はいつもバレエシューズに魅了され続けていて、実際に生涯履いて来ました。その惹きつけられる理由は、恐らくバレエシューズが芸術と結びついているからだと思います。そのいでたちは信じられないぐらいクラッシックでもあり、デザインという観点から何かしら私を惹きつけてやまないのです。
◆バレエシューズは歩きやすくエレガントな靴です。その持ち味に加えて、自分がコラボすることによって、どんな魅力をプラスしようと考えましたか?
――バレエシューズの製作では、様々なカラーコンビネーションや素材を使ってとても楽しめました。Pretty Ballerinasは非常に高品質の素材を使用しているため、その中からセレクションするという仕事は素晴らしい経験でした。私たちは最もクラッシックなシェイプを採用し、一緒になって繊細なリボン、トリミングの組合せや靴底の仕上げをどうするのか、といったディテールを密接に打ち合わせながら、バレエシューズを作りあげました。
◆ストリートスナップで被写体になることも多いジェニーさん自身は、今回のコラボアイテムを、どのような装いで履きこなしたいと思いますか?
――私は常に60年代風シフトドレスのスタイルにフラットバレエシューズを合わせることが大好きですが、オードリーヘップバーンのようなフルスカートもしくはハイウエストパンツとのコーディネートも、とても楽しいと思います。
◆ジェニーさんのスタイリングは、とても独創的な印象があります。着こなしにあたって心がけている主義やポリシーは何ですか? ヴィンテージアイテムをミックスするのがお上手ですが、スタイリングに取り入れるときのコツや、ヴィンテージを取り入れる魅力なども教えてください。
――コーディネートを決める際に、私はしばしばその時にピンとくる一つのアイテムを取上げることがあります。その瞬間に一番好きな1点かもしれないものなら何であれ、そこからスタートしてスタイリングを組み立てて行きます。(時によって、それはスカートのようなトータルルックの主役となり得るものであったり、イヤリングのようなシンプルなアイテムだったりします。)そんな組み立て方が面白くて、その過程も楽しめます。ヴィンテージアイテムを取り入れる鍵は、やり過ぎないことですね。
もしあなたが1920年代ルックで全て揃えてしまったら時代遅れになってしまいますが、様々な年代のアイテムをミックスするところからスタートしたら、それは本当に楽しいスタイリングになるかもしれません。
◆今回のコラボで誕生した靴には、どことなくニューヨークの雰囲気が感じられます。ニューヨークテイストを意識したところはありますか? あるとすれば、それはどのあたりですか?
――私は、バレエシューズはまさしくニューヨークにピッタリな靴だと思います。というのも、私たちはかなり歩きますし、とても芸術と繋がっているからです。私がデザインする全てのアイテムは、デリフラワーに見かけるシンプルなカラーパレットから建築物に至るまでの、街を散策して見かけた全てのものからインスピレーションを得て、出来上がっています。
◆イラストレーターとして活躍していますが、今回のコラボにはイラストのエッセンスは反映されていますか?
――はい、実際に私は今回作ったバレエシューズのプリント柄を描きました。(それは私が作ったカラフルなデイジーのブレスレットからひらめいた柄です。)私にとって、1960年代のある種の感覚を捉えようとする場合、バレエシューズはイラストと同じ意味を持つもので、全てのアイディアに対する最初のスケッチから大いに楽しむことが出来たのですが、それがデザインを進める過程において重要な部分なのです。私も多くの仕事でイラストレーターといったコンピューターソフトを使いますが、やはり私にとって手で描くことに勝る方法はありません。
以上です。
Jennyさんのインタビューから感じたことは、自身の経験やライフスタイルが作品に生かされているということ。靴デザインの勉強を学校でしていたこと、そしてイラストレーターとしてイラストもプリントで取り入れていること、NYを散歩するうえで快適な靴が大切ということなど。そして、「60年代風シフトドレスのスタイルにフラットバレエシューズを合わせることが大好き」という自分自身のスタイルを持っているところも魅力です。ニューヨーカーらしさを随所に感じます。
ニューノーマルな生活様式が広がり、屋外での移動手段も歩くことが多くなった私にとっても、足が楽なフラットシューズはマストアイテムです。Jennyさんの着こなしを参考にしながら、街中をスイスイと気持ちを盛り上げながら歩いてみませんか。
「Jenny Walton&Pretty Ballerinas」コラボレーションモデル 2021年春夏
発売日:2021年4月9日(金)より
発売店舗:直営店4店舗+オンラインストア
・青山店
・銀座店
・なんば店
・梅田店
・オフィシャルオンラインストア
https://prettyballerinas.fen.co.jp
(4月9日にコラボモデルがアップされます)
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◆Though you got BFA from Parsons School of Design’s fashion design course and you have been active also as a knit designer in the past, could you kindly tell us the reason why did you choose to collaborate with the shoe brand this time?
――I’ve always been very particular about shoes (my mom used to hate when we would go shoe shopping as I would make her go from store to store because even as a kid I was very picky about shoes!) When I went to Parsons I did actually take a shoe design elective course where we designed and made our own shoe by hand. In this course I came to appreciate the science of making a shoe and just how detailed and particular of a craft it is.
◆What kind of message did you want to include in the items at the collaboration with “Pretty Ballerinas” ?
――I hope the main message that comes through is that these are timeless designs. I hope they are shoes that people feel they can hold onto for a long time. In my opinion, a ballerina like the crystal ballerina flat is such a timeless shoe, I could see it in the 1950s and think it works perfectly today as well.
◆Harmful influence of the new coronavirus (Covid 19) is resulting also to fashion world. Was there any change in your mind in this collaboration due to the influence of Corona?
――For myself, it’s a time when because I am not traveling or going to many events, instead I’ve been doing even more walking and appreciating my city (New York) even more than in the past. You need comfortable shoes for walking 5 miles, so the ballerinas for me are perfect. I’ve always been drawn to ballerinas and have actually worn them my whole life. I think it’s their tie to the arts that always drew me to them. They’re also incredibly classic and that’s something I’m drawn to in terms of design.
◆Ballet shoes are originally easy to walk and elegant. What kind of charm did you consider to add in this collaboration by yourself in addition to such a characteristic?
――I had a lot of fun playing with different color combinations and materials. Pretty Ballerinas uses such high quality materials that it was wonderful to work with them on this selection. We worked together to create ballerinas from some of their most classic shapes, working closely on finishing details such as the delicacy of the bows, or the coordination of the edge trimming, or how the bottom of the shoes would be finished, etc.
◆What kind of outfit and total coordinate would you like to wear this collaboration item, as Jenny yourself, who is often the subject of street snapshots?
――I’ve always loved Ballerina flats in a 60s sort of shift dress styling, but they’re also quite fun styled with a full skirt or a pair of high waisted pants ala Audrey Hepburn.
◆Jenny’s styling has a very original as impression. What are the principles and policies you keep in mind when dressing? You are amazing at mixing vintage items, but please tell us the key for coordinating them into your styling and the attractive feature of incorporating vintage items.
――When I’m dressing I often take it one item at a time. I start with whatever my most favorite piece of that moment might be and I work from that (sometimes it could be a main element of a look such as a skirt or it could be something as simple as a pair of earrings). I find it fun to just build from there and have fun with the process. I think the key to coordinating vintage is to not go overboard with it. If you do a whole 1920s look it can come off as dated, but if you start mixing different time periods, that’s when it can get really fun.
◆The shoes created in this collaboration have feeling somehow familiar to New York atmosphere. Is there anything that is conscious of the New York taste when you created them? If so, where is it?
――I think Ballerinas are a great New York shoe since we walk so much and they are also tied to the arts. Everything I design is inspired by what I see walking around the city, from simple color palette moments I see in the deli flowers to architecture and anything in between.
◆Though you are active as an illustrator, is there any essence of illustration reflected in this collaboration?
――Yes, I actually drew out the print for the printed ballerinas we created (this was inspired by a colorful daisy bracelet I made). Ballerinas to me are synonymous with illustration, thinking of that 1960s kind of feel, I had a lot of fun first sketching out all of the ideas and it’s an important part of the design process for me. Even though I do a lot of work on computer programs like Illustrator there is still nothing like drawing by hand for me.
That’s all !