「イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル」内覧会リポート

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「イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル」が国立新美術館で2023年9月20日(水)から始まります(12月11日まで)。「モードの帝王」と呼ばれたデザイナーの軌跡を総合的に振り返る大型回顧展です。

日本初公開のドレスを含むルック110体に加え、アクセサリー、ドローイング、写真など262点を公開。40年にわたる仕事の全貌を見渡せるチャンスです。「イヴ・サンローラン美術館パリ」の全面協力を得ているからこそのボリューム。12章構成でわかりやすくテーマ建てされているのも本展のいいところです。

最初の部屋では「流行は移り変わるが、スタイルは永遠である」という、彼の名言が壁に。女性の普遍的なスタイルのコーナーは、今すぐマネしたい、お手本になるコーディネートがいっぱい。テーラードジャケットをはじめ、パンツルック、ボウタイ・ブラウスなど、サンローランが広めたアイテムの多さを再確認できます。

 

「イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル」内覧会リポート

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アイコニックな作品が並びます。コーナーごとに「Creativity」「Tuxedo」「Safari Jacket」「Jumpsuit」「Tailored Suit」「Trench Coat」「Transparency」「Navy Look」「Evening Dress」と書かれていて、それぞれの代表的なアイテムをまとったマネキンが並ぶ構成。代表作を直感的にビジュアルでつかめるレイアウトです。

 

「イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル」内覧会リポート

 

次の部屋は暗闇の中。きらきらのジャケットが浮かび上がるかのような演出。刺繍に代表される、手の込んだクチュール技を堪能できます。イブニングドレスや、アンサンブルのカーディガンなどを展示。刺繍の芸術性を感じ取れます。

 

「イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル」内覧会リポート

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想像上の旅がテーマの部屋もありました。人生の後半はモロッコに好んで住んだサンローラン。アフリカのほかにもロシアや中国などに関心を抱き、コレクションにも取り入れました。日本に関連する作品もあり、桜、藤、葦(あし)などの植物を描いた日本風プリントを展示。エスニックの先駆けとなった彼のグローバルな関心がうかがえます。

 

「イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル」内覧会リポート

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ジュエリーの部屋はときめきの空間。ドレスはシンプルにとどめ、アクセサリーを風変わりな感じにするのが好きなんだとサンローランは言います。ジュエリーはイミテーションで、貴金属、真珠、宝石は使わないのだとか。本物のストーン類を使わない分、組み合わせが自由に。装いにひねりを加える効果を引き出せます。

 

「イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル」内覧会リポート

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映画や舞台演劇、バレエに関心を持ち、積極的に衣装をデザインしたサンローラン。映画『昼顔』でカトリーヌ・ドヌーブが着た衣装のためのスケッチとドレスも展示されています。

 

「イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル」内覧会リポート

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全体の中でもサンローランのアート性を示すのがアーティストへのオマージュの部屋。ピカソやマチスなど、同時代の芸術科から刺激を受けて、彼らへの敬意を服に込めました。ポップアートにも目配りしています。とりわけ有名なのは、ピート・モンドリアンから着想を得た「モンドリアン・ルック」。実物を間近で見られます。アートをまとうファッションは今の時代でも人気の装い。サンローランは先駆者といえるでしょう。

 

「イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル」内覧会リポート

 

ウェディングドレスを集めた結婚式の部屋はクチュール感でいっぱい。もともとオートクチュールのショーはマリエ(ウェディングドレス)がフィナーレという約束事がありました。繭のようでも、マトリョーシカ人形のようでもある、ユニークなドレスも登場しました。

 

最後を締めくくるのは映像のコーナー。生い立ちから始まり、最晩年までを伝える貴重な映像がぎっしり詰まっています。わずか10分程度でサンローランの偉大さがしっかりビジュアルで頭に入るという、上出来の映像作品です。

 

「イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル」内覧会リポート

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60年も昔なのに少しも古びていないスタイルは、タイムレスで革新的。見応えがあり、文化やセンスを吸収した満足感も味わえる構成です。「ファッションは装飾するだけでなく、不安を取り払い、自信を与え、自己を受け入れることを可能にさせてくれる」サンローランの言葉から、自分らしさを表現する新たな発見にもつながりそう。パンツルックや透ける服、ジェンダーミックスなどを先導したデザイナーだけに、着こなしノウハウを磨くうえでもメリットの大きい展覧会へ、ぜひ足を運んでみてください。

 

イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル
https://ysl2023.jp/

 

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『J-WAVE TOKYO MORNING RADIO』に出演しました(「イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル」について解説)
https://riemiyata.com/work/73159/

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