仕事柄、出先でメールチェックや原稿書きをすることが多く、ノートパソコンは必需品です。過去10年間に何台も乗り換えて、最近までマイクロソフトのタブレット&ノートパソコン「Surface(サーフェス)」の初期Proモデルを愛用。タイプカバー(取り外しができる専用キーボードのこと)のマゼンタ ピンクがお気に入りでした。そして、さらに進化した新モデル「Surface Pro 4(サーフェス プロ 4)」を使ってみることになりました。本体が786gと抜群に軽いので、いろいろな場所に持ち出して使い心地をリポートしていきたいと思います。
普通であれば、マシンのパワーや機能を掘り下げていくところですが、私が真っ先に惹かれたのは、専用のタイプカバーキーボードでした。旧モデルの時から別売りの純正タイプ カバーを付けていました。マゼンタ ピンクの色は一目惚れでした。今回の「Pro 4」には何種類かのタイプ カバーが用意されているのですが、最上級と呼べるのが、イタリア製の「Alcantara(アルカンターラ)」を使ったモデルの「Signature タイプ カバー」です。
「Alcantara」はスエード調人工皮革のブランド名です。日本の素材メーカー、東レが開発した素材を、イタリアのAlcantara社が熟成して、同社のブランドとして販売しています。ファッションの仕事をしていると、「Alcantara」の名前を耳にすることがしばしばあります。たとえば、「アルカンターラ×レベッカ・モーゼス」(https://riemiyata.com/news/4522/)や、「アルカンターラ×ストラスブルゴ」(https://riemiyata.com/fashion/4585/)などを実際に見てきました。滑らかな手触りと上品な質感が好まれ、有力ファッションブランドやセレクトショップとのコラボレーションが相次いで実現。耐久性に優れているうえ、シルクのように柔らかい触り心地から、様々な用途に広がりを見せています。
最も有名なのは高級自動車の内装でしょう。ランボルギーニやアウディ、BMWといったヨーロッパの高級自動車メーカーがこぞって採用し、「ラグジュアリーカーの内装=Alcantara」というブランドイメージが確立しています。そのハイエンド素材を贅沢に投入したのが、今回のSignature タイプ カバーです。
実際にキーに触れると、指先からシルキーなタッチが感じられ、タイピングという行為そのものに優雅な気分が生まれます。グレー系の穏やかな色味も、ありがちな無機質なカラーリングとは異なっていて、特別な雰囲気を漂わせています。キーボード自体は各キーのサイズやキーストロークに十分な余裕があります。レイアウトがよく練られていることもあって、旧モデルより格段に入力しやすくなっています。
タイプ カバーを畳んだ状態でも、本体背面のキックスタンドを起こした状態でも見栄えがするから、あちこちに連れ出したくなります。いかにもパソコンや機械といった外見の場合、おしゃれなシーンでバッグから取り出すのを少々ためらってしまいがちですが、このAlcantaraカバーであれば、むしろ周囲の視線を感じられそう。だから、今回はゴールデンウイークにいろいろなアート展覧会や美術館に出かけて「Pro 4」をデビューさせてきました。
最初に向かったのは、「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」の歴史をたどる展覧会「VOLEZ, VOGUEZ, VOYAGEZ – LOUIS VUITTON(空へ、海へ、彼方へ―旅するルイ・ヴィトン)」。東京都千代田区紀尾井町の特設会場で6月19日まで開催されています。1854年の創業以来、旅人のパートナーであり続けているトランクやバッグを通して、ブランドヒストリーと旅行・ラゲッジ史をクロスオーバーさせた展覧会です。
広い会場内にはクラシックな木枠トランクからアートペインティングが施された近年のバッグまで、幅広いラゲッジ類が集められていて、旅とラゲッジの関係性をあらためて知ることができます。展覧会では珍しく、会場内は基本的に写真撮影が許されていたので、フォトジェニックな展示スペースではスマートフォンで写真を撮る来場者が多く見られました。近頃は撮った写真を加工して、すぐにSNSへアップするのが一般的ですが、軽くて持ち運びしやすうえ、スマホよりずっと処理能力が高い「Pro 4」はこういう場面でも頼もしい存在と言えそうです。
別の日に訪れた東京都現代美術館(MOT)でも活躍しました。現代アートの紹介を目的にしているだけあって、天井が高い開放的な空間であるところ。読書室にもパソコンが持ち込めるので、たくさんのアートブックに囲まれた知的なムードの中、「Pro 4」を使うこともできます。こちらでは、写真の整理をPro 2と2台使い。Alcantaraカバーを添えた「Pro 4」はMOTのクールで都会的な雰囲気にぴったりでした。
仕事の日だけでなく、休日にもサッと持ち出したくなるのは、やはり「Pro 4」の軽さゆえ。バッテリーの継続使用時間は最大9時間だから、頻繁に電源を切る心配はなさそう。もちろん、スマホよりずっとディスプレーが大きい分、画像のチェック、メールの作成などもスムーズです。取り出してすぐに立ち上がるのも、ちょっとした待ち時間や空き時間を無駄にしません。
しかも、Surfaceは付属のペンを使って、メモ感覚で文字を書いたり、絵を描いたりもできるのです。今度、試してみたいと思います。
公式サイトではSurface Pro 4のユーザーである著名人の写真やコメントが公開されています。ファッションデザイナーのJason Wu、イラストレーター、ブロガー、ファッションアイコンのGarance Dore、イラストレーターのRachel Ryle、スタイリストのJennifer Fisher、インテリアデザイナーのKelly Wearstler、ファッションブロガーのChiara Biasiといった各氏が愛用のPro 4と一緒に登場しています。目で見るだけでなく、手で持っても感じられる美しさ。そして、それぞれのライフスタイルやファッションにも溶け込んでいるのも素敵です。よかったらサイトを訪ねてみてください。
https://www.microsoft.com/surface/ja-jp/accessories/signature-type-cover
Surface Pro 4
https://www.microsoft.com/surface/ja-jp/devices/surface-pro-4
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