WWDジャパン編集長&伊藤操氏のトークイベント行って来ました!

B1「WWDジャパン」の山室一幸編集長と、元「ハーパース・バザー日本版」誌編集長でファッションジャーナリストの伊藤操氏のトークイベントが開催されました。「NYクリエイティブクルーズ」と名付けた全5回シリーズの第1回目。主催団体であるバンタン・広報のN様からご連絡をいただき、私も行ってきました。

NYファッションがなぜ今世界中から注目され、これほど盛り上がっているのか。山室氏のこのテーマからトークは始まりました。世界中から様々な人種が集まる街だからこそのNYクリエイション。リアルクローズが支持されるニューヨーカー志向。ヨーロッパよりも若手デザイナーが活躍する場が多い懐の深さ。いずれも私もNYで実際に感じていたことです。

NYコレクションブランドはショーに登場した服をそのまま街に着ていけるデザインが多いのです。着られる服=売れる服。アメリカがファッションをビジネスとしてしっかり考えている証拠です。4大コレクションはそれぞれにスタイルや役割が異なりますが、このような形でNYコレの特質を説明してもらえるのは、多くの来場者にとって参考になったことでしょう。

東京とNYの違いに関する話もありました。

例に挙げられたのがデザイナーオーディション番組「プロジェクト・ランウェイ」。厳しいバトルで勝ち残った優勝デザイナーに、CFDA(米国ファッション協議会)からの支援があったり、デザイナーとして今後活躍する場を与えてくれたりなど、日本では望みにくい支援態勢です。

NYではファッションがビジネスとして広く認知されていて、ニュースや新聞にも大きく取り上げられます。ファッションウィークの期間中はテレビのニュース番組でもショーの話題が伝えられます。NYに比べれば、日本ではファッションはまだまだニュースとして報じられる機会が少ないと感じます。

WWDはアメリカで100年続いているファッション業界紙です。マンハッタンの繁華街では街のベンダー(屋台のようなショップ)でも販売されています。山室編集長ご自身による「WWDジャパンはファッション誌の東スポ」という例えも面白かったです。

伊藤氏の9.11米同時テロ後のNYコレクションのお話は心に残りました。私は9.11の日に仕事でNYへ行く予定になっていたので、第一報を聞いて衝撃を受けたことを今でも忘れられません。

テロ後のニューヨーカーのたくましさ。ファッションにできること=世の中を明るくする。美しさを発信し、人々の気持ちを豊かに幸せにできること。私もテロの後、NYへ行ったときに同じ事を感じました。

9.11テロでNYコレが中止になったとき、直後のミラノコレクションでは様々なメゾンがコレクション内容を急遽変更し、「Peace」とうたったコレクションを発表したのも印象的でした。ファッションは人々を幸せにしたり、元気にしたり、パワーを与える力を持つのだということを証明した格好でした。

「ジャーナリズムとは何か?」というお話も聞けました。

ジャーナリズム=エンターテインメント。コミュニケーション力(言葉)が大事。自分の言葉で取材し、文章を書く。真実を伝え、嘘を付かない。宣伝や広告と本質的に違うところです。

言葉の力、メディアの力について責任を持つ大切さも語られました。最近目にするブログやネット掲示板での言いたい放題とは違うということです。ただし、ネットでの表現は今後ますます重要視されるというお話もありました。

ネットで執筆している私にとっても、大先輩のお話は、とても勉強になりました。身の引き締まる思いのする、貴重な会でした。

B2伊藤氏の著書『私をみつけて』もこれからしっかり読ませていただくつもりです。1980年代のNYファッション業界を舞台にした、華やかで切ないラブストーリーだそうです。

バンタン・広報のN様や役員の方をはじめ、今回のセミナーで私のブログやサイトをよく見てくださっている人が何名かいらっしゃってくれたのも、とても嬉しかったです。ありがとうございました。これからもエンターテインメント感覚の楽しいファッションを伝えていきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

~関連記事~

NYコレクションに見るアジア系デザイナーの台頭
http://mediasabor.jp/2008/03/2008ny.html

プロジェクト・ランウェイ/NYデザイナーズバトル
http://allabout.co.jp/fashion/nyfashion/closeup/CU20070716A/

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