インド映画『プレーム兄貴、王になる』から学ぶ、「ロイヤルファッション」と「暑い夏を乗り切るおしゃれ」

プレーム兄貴、王になる

プレーム兄貴、王になる

「歌って踊って」の構成で知られるインド映画ですが、近年は以前に比べて、歌とダンスの要素が減っているそうです。社会問題を描くドラマや、派手なCG・アクション演出を重視する作品が増えているようで、かつて日本でもブームを呼んだ「マサラムービー」はやや勢いが衰えているのだとか。でも、インドの国民的スター、サルマン・カーンが主演した『プレーム兄貴、王になる』(2月21日から新宿ピカデリー他で全国順次ロードショー)は、お約束的な歌とダンスがたっぷり盛り込まれた、ハートウォーミングなマサラムービーです。

ストーリーは割とシンプルです。下町の貧乏役者、プレーム(サルマン・カーン)と、王位継承を間近に控えたヴィジャイ王子(カーンの2役)が入れ替わるという身分スイッチ物です。王子が意識不明に陥ったことから、王子と顔立ちがそっくりのプレームが替え玉を務める羽目に。尊大な性格の王子は、フィアンセのマイティリー王女からも愛想を尽かされていましたが、人なつこいプレームのおかげで、王室の複雑な人間関係も徐々にわだかまりが薄らいでいきます。

プレーム兄貴、王になる

プレーム兄貴、王になる

◆ロイヤルレディーのおしゃれ、インド流とは?

舞台の大半がマハラジャの王宮だけに、プレームが扮する替え玉王子をはじめ、登場人物の装いは、ゴージャスなインド流ロイヤルファッション。しかも、インドの王様だから、ゴールドがふんだんにあしらわれています。近頃は日本でも世界の王室レディーたちのおしゃれが品格コーディネートのお手本として好まれています。多くはヨーロッパや中東のロイヤルズなのですが、今回はインドならではのテイストに触れることができます。

◆「ネイチャー&シアー」に注目! 2020年春夏トレンドカラー&マテリアル

暑い地方では薄着が好まれるという誤解がありますが、実は強い日差しを避けるうえでは、肌を隠す装いのほうが快適に過ごしやすいところもあります。とりわけ、王室の人たちは立場上、素肌の露出を好まない傾向が強いので、薄い生地で仕立てた服を重ねてスタイリングするのが上手。今回の映画でも劇中人物がしばしば薄物レイヤードを披露します。実はこのまとい方は2020年春夏のトレンドコーディネートでもあります。シアー素材とメタリックパーツを交わらせる使い方も新トレンドの一つです。

2020年春夏はナチュラル志向が強まり、グリーンやイエローなど、天然イメージの色が主役になります。映画でもゴールドと好相性のイエローをはじめ、ヴィヴィッドカラーがふんだんに注ぎ込まれ、スクリーンはポジティブなマルチカラーで彩られます。大勢が歌い踊る場面では、たくさんの色やきらきらパーツが響き合って、いっそうグラマラスな雰囲気に。エネルギーを帯びた色は、見る人の気持ちも弾ませることがよく分かります。

プレーム兄貴、王になる

プレーム兄貴、王になる
インド映画の原点回帰を感じさせる、起伏に富んだストーリー運びで、一気にエンディングまで話が進んでいきます。「古き良きボリウッド映画の再来」という評判にも納得。聡明で上品なプリンセスのマイティリー王女は飾り立て過ぎない装いでも登場するので、民族衣装以外の着こなしも参考になります。細部にまで目配りを欠かさないロイヤルレディーのおしゃれは、この映画のもう一つの見どころにもなっていて、アジア流の王室コーデを堪能する機会にもなりそうです。

配給:SPACEBOX 宣伝:シネブリッジ
公式HP:prem-aniki.jp 公式twitter @prem_aniki 公式facebook prem.aniki.jp
原題:Prem Ratan Dhan Payo/2015年/インド/ヒンディー語/シネスコ/ 5.1ch/164分 (C)Rajshri Productions cFox Star Studios
2月21日(金)、新宿ピカデリー他、全国順次ロードショー

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