イタリア映画『靴ひものロンド』が9月公開 家族の複雑な気持ちの変化を描く ファッションが心理劇を読み解くヒントに

イタリア映画『靴ひものロンド』

イタリア映画『靴ひものロンド』

イタリア映画『靴ひものロンド』

イタリア映画『靴ひものロンド』

イタリア映画『靴ひものロンド』

映画『靴ひものロンド』が2022年9月9日(金)から公開されます。イタリアの名匠、ダニエーレ・ルケッティ監督(『ワン・モア・ライフ!』『ローマ法王になる日まで』など)が撮った、家族のストーリーです。ただ、単に仲睦まじい一家を描いているわけではありません。どちらかと言えば、波乱やいさかいを重ねていく「ややこしい家族」の物語です。

舞台になったのは、1980年代初頭のナポリ。夫のアルドと妻ヴァンダ、娘アンナと息子サンドロという4人家族が揺れ動く歳月を、静かなまなざしで追っていきます。

平穏な暮らしを終わらせたのは、夫の浮気。アルドは家から去り、ファミリーは3人暮らしに。精神的に不安定となっていくヴァンダ。子ども2人は動揺を抱えながら、母親に寄り添います。

家を出て、愛人をつくったアルドですが、新しい生活も行き詰まり、3人の暮らす家に戻ることに。年齢を重ねて、ぶつかり合いを避け、距離を縮めていく夫婦ですが、両親に振り回され続けたきょうだいは手放しで変化を受け入れることができず――。

子どもたちが幼かった頃から、成長していくまで、一家の年月をたどっていく構成なので、登場人物の装いも年格好に合わせて、いろいろと変わっていきます。それぞれが置かれた状況や、言葉には出さない内面などを映し出しているので、ファッションが心理劇を読み解くヒントに。80~90年代のムードも伝わってきます。

家族のありようを考えさせられる物語運びですが、深刻になりすぎていないのは、イタリアの国民性と一家のキャラクターゆえでしょうか。マントやニットベスト、袖コンシャスのブラウスやワンピース、レザーのクラシックシューズやロングブーツなどのイタリアのものづくり文化や美意識が随所にうかがるファッションにも注目です。レトロでノスタルジックな装いが支持を広げる中、タイムレスなおしゃれという意味でも見どころの多い映画です。

 

イタリア映画『靴ひものロンド』

映画『靴ひものロンド』 https://kutsuhimonorondo.jp/
2022年9月9日(金) ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー
配給:樂舎
(c)Photo Gianni Fiorito/Design Benjamin Seznec/TROIKA (c)2020 IBC Movie

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