壁紙や床材、カーテンなどを取り扱うサンゲツは2018年春、ファッションブランド「MIHARA YASUHIRO（ミハラヤスヒロ）」の過去のテキスタイルアーカイブをデザインにした「sangetsu × MIHARA YASUHIRO コラボレーション」壁紙を発売します。壁紙カタログ「リザーブ」を通じて取り扱います
空間造りに対する新しいアプローチから壁紙の可能性を探るプロジェクトが「Pick Up Wallpaper」。第２回となる今回は、ファッションデザイナーの三原康弘氏を招き、テキスタイルデザインが空間でどのように化学反応を起こすのか、実験的な観点から制作を試みました。
遠くで見るとかっこいい、けれど近くで見ると、「あれ！面白い」という距離感の違いには、三原氏ならではの意外性が感じられます。今までの壁紙に求められていたロングライフなデザインとは違う、自己表現としての壁紙。新しい空間のあり方を提案してくれます。
「SPACE SEA」は数十年前の海洋図鑑がインスピレーションの源。遠目にはエレガントなフラワーモチーフに見えますが、近くで見るとグロテスクな海洋生物が潜んでいます。
「FLOWER CAMO」は遠目に見ると迷彩柄ですが、繊細な小花柄で構成されています。争いを想起させるネガティブな要素と、平和を象徴するポジティブな要素を同時に表現しています。
「KASURI WALL」は主に絨毯に使用されるゴブラン織りの柄を色鉛筆のドローイングで表現しています。トラディショナルで重厚な柄をカジュアルで味わいのあるタッチで仕上げました。
「PHOTO CHECK」はグレンチェックの生地を写真に収め、交互に並べることでブロックチェック柄を表現。遠くから見ると本物の生地がパッチワークされているかと錯覚します。
「SCAT TERED BE CHIDORI」は千鳥格子をピースの集合体としてとらえ、分解させるという実験的なアプローチから生まれました。無機質な配列から千鳥が飛び立っているかのように見えます。
「BE HERE NOW」は「BE HERE NOW」の一文を、ヒッピーの精神を表すアメリカの町の名前が刺繍された生地でアルファベットをパッチワークのように構成しています。
家具や雑貨の分野で、ファッションとのコラボレーションは先行してきましたが、プラーベートな空間を彩る壁紙はとても身近なインテリア。壁紙が醸し出す部屋のムード次第で、そこで過ごす気持ちもが変わりやすいから、今回のプロジェクトは「ファッションと暮らす」を実現してくれる素敵な提案と言えそうです。
サンゲツ
www.sangetsu.co.jp
