世界で最も権威のあるデザイン専門学校の学生や卒業生を対象とした、次世代の才能を表彰する「H&Mデザインアワード」。12月に発表されたH&Mデザインアワード2016では、ロンドンのロイヤル・カレッジ・オブ・アート出身のハナ・ジンキンス氏が受賞者に選ばれました。
8人の最終候補者から選ばれた、ジンキンス氏には賞品として、H&Mによる1年間のメンターシップ、5万ユーロ(約650万)の賞金、自身の受賞作品をH&Mの一部店舗とオンラインで2016年秋に販売する機会が与えられます。日本国内では限定店舗のみにて取り扱われる見込みです。
審査員には女優でファッションアイコンのケイト・ボスワース氏、「BALMAIN(バルマン)」のクリエイティブディレクターのオリヴィエ・ルステン氏、写真家のニック・ナイト氏といった著名人が顔をそろえています。ボスワース氏は「無骨でありながらも洗練されていて、大人っぽい雰囲気がありながらも若い空気感があり、バランスをとることにとても長けている」と、ジンキンス氏を評価。「女性の体型を理解したシルエットで、とてもモダンで現代的」(H&Mクリエイティブ・アドバイザーのアンソフィー・ヨハンソン氏)、「独自のビジョンと強いエネルギーがあり、若くて、現代的で、何が自分に必要かを理解している」(ルステン氏)といった声もあり、ジンキンス氏の実力を証明しました。
世界で最も権威のある40のデザインスクールから選抜された8人の最終候補者は、ロンドンのケンジントン宮殿内にあるレストラン「オランジェリー」でのファッションショーに臨みました。各候補者は自らの卒業制作の中から4点の作品を披露しました。
ジンキンス氏のコレクションは、生のデニムとシルクのインナーの裏地素材という難しい素材のバランスで構成されました。オーバーサイズでありながらも、女性らしいシルエットを構築。女性の体型への深い理解を印象づけました。
H&Mデザインアワードは、ファッションの未来に対するH&Mの強い関心を表すものとして、2012年に初めて開催されました。8人の最終候補者はそれぞれ5000ユーロ(約650万円)を獲得しました。
近頃のミラノやロンドンのコレクションを面白くしているのは、新世代と呼べそうな伸び盛りの才能たち。ファッション界は常に新たな「おそるべき子どもたち(アンファン・テリブル)」を求めていて、H&Mのような巨大アパレル企業がその出現をサポートするのは、とても意義深いことです。このところ新鋭発掘・支援を目的にした仕組みが相次いで立ち上がっていて、その成果が期待されます。
Hannah Jinkins from Royal College or Art is the winner of H&M Design Award 2016.
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