「毎日ファッション大賞」(毎日新聞社主催、経済産業省後援)の2022年(第40回)の各受賞者が決定しました。大賞は「KENZO(ケンゾー)」アーティスティックディレクター、「HUMAN MADE(ヒューマンメイド)」デザイナーのNIGOさん、新人賞・資生堂奨励賞に「FUMIE=TANAKA(フミエ タナカ)」デザイナーの田中文江さんが選ばれました。
長らくファッション業界に貢献した人や団体に贈られる鯨岡阿美子賞にはスタイリストの北村道子さん、話題賞は「デニム de ミライ ~ Denim Project ~」、シンガー・ソングライターの松任谷由実(ユーミン)さんが選ばれました。
NIGOさんは1970年生まれ。文化服装学院在学中から DJやライターとして活動を始め 1993年に自身のブランドを設立。裏原ブームを牽引し、ストリートファッションの礎となりました。2010年にはブランド「HUMANMADE」を立ち上げ、20、21年には「ルイ・ヴィトン」から2度にわたってコラボレーションコレクションを発表。21年9月から「KENZO」のアーティスティックディレクターに就任。22年1月にパリで発表した初コレクションは、ブランド創始者の故・高田賢三氏へのオマージュを表現しながらリミックスした服を発表しました。
新人賞・資生堂奨励賞を受賞した田中さんは1975年生まれ。98年にワールド入社。その後、ユナイテッドアローズやJUNなどで企業デザイナーとして活躍した後、2016年に「THE Dallas」を立ち上げました。20年には自身の名を冠した「FUMIE=TANAKA」に改名し再スタート。アクセサリー制作でも人気が高く、ファッションとアクセサリー両方で支持されるブランドとして知られています。
鯨岡阿美子賞の北村さんは1949年、石川県生まれ。サハラ砂漠やアメリカ大陸、フランスなどを放浪ののち、30歳頃から、映画、広告、雑誌など、様々な媒体でスタイリストを務めてきました。映画衣裳デザインのデビューは85年の「それから」(森田芳光監督)。2007年に「スキヤキ・ウエスタンジャンゴ」(三池崇史監督)で第62回毎日映画コンクール技術賞を受賞しました。「殺し屋 1」「アカルイミライ」「メゾン・ド・ヒミコ」などの映画でも衣装を担当しました。
話題賞の「デニム deミライ~ Denim Project ~」は小売6社がタッグを組んだ協業プロジェクトです。ヤマサワプレスが所有する「リーバイス® 501®」のユーズドストックを、国内外の60以上のブランドやクリエーター、アーティストの手を介し、200型以上の多彩なアイテムにアップサイクルしました。
話題賞の松任谷さんは1972年、多摩美術大学在学中に荒井由実として、シングル「返事はいらない」でデビュー。ユーミンの愛称で親しまれ、「ひこうき雲」「やさしさに包まれたなら」「守ってあげたい」「真夏の夜の夢」「He llo,my friend」「春よ、来い」など、数々の名曲を生み出してきました。名実共に日本を代表する女性アーティストとして活躍を続けています。2022年にデビュー50周年を迎え、ベストアルバム「ユーミン万歳」をリリースする予定です。
毎日ファッション大賞は40回を記念して、「アートとファッション」をテーマにしたオンラインイベントを開催します。日時は2022年9月13日(火)18時半~20時。出演者は日比野克彦・東京藝術大学学長、アーティストの山縣良和・coconogacco代表、writtenafterwardsデザイナーです。申し込み方法は後日、毎日ファッション大賞の公式サイト(https://macs.mainichi.co.jp/fashion/)で公開されるそうです。
40回を数え、一段と重みを増した感のある「毎日ファッション大賞」。公式サイトではこれまでの歩みが「過年度受賞者」のページ(https://macs.mainichi.co.jp/fashion/kako/)に紹介されています。たとえば、大賞は第1回が川久保玲さん、第2回が三宅一生さん、第3回は高田賢三さんなど、そうそうたる各賞受賞者の顔ぶれを振り返ると、日本のファッションの歴史をあらためて感じ取る機会になりそうです。
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