(c) Monica Feudi
********************************
創業デザイナーのスコット・スタンバーグ氏が離れ、2015年春夏シーズンを最後にいったん休止していた米国ブランド「Band of Outsiders(バンド オブ アウトサイダーズ)」が2017年春夏・NYコレクションに復帰し、リスタートを果たしました。ロサンゼルスに原点を持つブランドながら、NYで発表を続けていて、私も創業当初からコレクション会場に足を運んできただけに、今回のカムバックは特別な気持ちで見守りました。
今回から3人構成のチームがデザインを任されているそうで、創業者との違いが関心を集めました。全体に見ると、本来の持ち味であるLAテイストがさらにはっきり打ち出された印象があります。ファーストルックにメッセージが込められていました。グレーのダブルブレストのコートはオーバーサイズの仕立てでルーズめの着映え。ボトムスは同じグレーのたっぷりめパンツで合わせ、両サイドにストライプを走らせています。足元は白いベルクロ留めスニーカーでスポーティーな雰囲気を添えています。
「アスレジャー」の流れに目配りしつつ、LAの風情を帯びさせ、カジュアルに寄せすぎない南カリフォルニア流シックにまとめ上げています。創業者から受け継いだプレッピー色がベースボールジャケット風ブルゾンやバスケットボール・ショートパンツにうかがえました。ただ、先代の見せたギークっぽさは薄れ、もっと親しげでジェンダーレスなムードにシフト。アメリカンスポーツウエアへの接近も感じ取れました。
正統派仕立てのジャケットにリラクシングなショートボトムスを引き合わせるような、上品顔コーディネートが目につきます。どのアイテムにも「コンフォート(着心地重視)」の意識がうかがえました。フーディーやトラックパンツでストリート気分も持ち込んでいます。ガウンライクな羽織り物や、Vネックが深いセーターもスラウチなたたずまいを印象づけていました。
Band of Outsiders
bandofoutsiders.com
Band of Outsiders Spring Summer 2017
********************************
◆グラム 宮田理江の「ファッションeye」更新中
◆アパログ 宮田理江の「おしゃれhack」更新中