荻野いづみ氏がイタリアから発信しているブランド「ANTEPRIMA(アンテプリマ)」は2018年に25周年を迎えます。節目の年にミラノ・ファッションウイーク期間中の2018年2月22日に発表した2018-19年秋冬コレクションは縦に長い流麗なシルエットがクラス感を醸し出していました。
18-19年秋冬シーズンに世界トレンドとなりそうなビッグシルエットが鮮明に打ち出されています。いわゆるオーバーサイズはふくらみが増す方向のボリュームアップも指しますが、今回の「アンテプリマ」はレングスを長くする方向でのアレンジが加えられました。ロングドレスは裾が床に届くほど長く、たっぷり使った布地が流麗でゴージャスなムードを引き出しています。
着丈だけではなく、襟や袖もボリュームがアップ。リボン風に巻いたネックウエアは特大で、ファニーな表情。肩口をのぞかせたドレスは指先まで覆い隠し、ウィットフルな風情をまとわせています。フラワーモチーフを少しくすませたカラートーンであしらっています。全体にダーク寄りのカラーパレットが着姿をノーブルに整えていました。
80年代を思い起こさせるパワーショルダー、揺らめくプリーツ、湾曲したフェミニンなラインなどが複雑な雰囲気を立ちのぼらせています。1人の女性が併せ持つ複数の人格・キャラクターを、素材やシルエットの多面性で表しているようでした。
荻野氏は日本人女性として唯一、ミラノ・ファッションウイークに公式参加し続けています。クチュール感と作家性を印象づけた今回のコレクションは、1993年にデビューして以来、25年間にわたる成熟を証明してみせていました。
ANTEPRIMA
http://jp.anteprima.com/