「ALEXANDER McQUEEN(アレキサンダー・マックイーン)」の2019-20年秋冬コレクションのランウェイショーが2019年3月4日、パリで開催されました。英国流テーラーリングの美意識を印象づけています。伝統的な服飾文化とリュクスな素材感、大胆な発想が融け合って、世界モードをリードするコレクションとなりました。
クリエイティブ・ディレクターのサラ・バートン氏はイングランド北部の故郷を、デザインチームと一緒に訪ねました。今季のコレクションは、実際に見た職人の手作業と機械から作られた織物にインスパイアを受けたアイテムが中心になっています。
ファーストルックは黒一色のマスキュリンでスリムなストロングショルダーのスーツ。ウエストシェイプが利いています。
以後もオーセンティックなパンツルックが登場しました。テーラードジャケットはクラシックな本格仕立てが品格を寄り添わせています。千鳥格子やグレンチェックといった、伝統的なチェック柄も多用されました。
古風な装いにとどまらず、ジャケットを左右で丈違いに仕立てるようなエスプリを忍び込ませています。グラフィカルなワンピースはスリリングな着映えに導きました。
ランカスター地方を象徴するローズモチーフが繰り返し登場。バラの花びらをそのまままとったかのような、クチュール感の高いドレスも提案。黒革のワンピースにはバラ柄の透かしを施しました。
ブランドらしいパンクスピリットは健在。スタッズを施したライダースジャケットや、まばゆいメタリックジップを何本も走らせたジャケットは創業デザイナーの魂(ソウル)が今も受け継がれていることを証明していました。
サビル・ロウで腕を磨いた創業デザイナーが得意とした、ブリティッシュテイラーリングはファッションシーンの主旋律としてあらためて価値を認められています。クチュールエレガンスを加えた今回のコレクションは極めてモード感が高く、独自の美学を印象づける内容に仕上がっています。
ALEXANDER McQUEEN
www.alexandermcqueen.com/jp