「ALEXANDER McQUEEN(アレキサンダー・マックイーン)」の2019-20年秋冬メンズコレクションは、イングランド北部に位置する町の織物工場、製鉄所、波止場の雰囲気や、音楽ムーブメントのノーザン・ソウルからインスピレーションを受けています。1950年代戦後の故郷を懐かしむ楽観主義と、80年代に台頭した“New Order” “Joy Division” “The Smith”のようなニュー・ウェーブの持つ独創性、思想や創造の自由への敬意を表現しています。
アウターウエアとワークウエアが随所に登場します。コットンギャバジンのトレンチコート、ハウンドトゥースとプリンス オブ ウェールズチェックを組み合わせたオーバーサイズコート、レザーパネルをスリーブに施したウールのドンキージャケット、ウールシルクや上質なレザーを用いたジャンプスーツ、ディープレッドのレザーコートなどが披露されました。
拡大されたドックトゥースチェックのモヘアのセーターには、レザーのスキニーパンツをコーデ。50年代を思わせるパステルカラーやバーガンディのスーツには、ウールとメタリックフローラルジャカードを組み合わせています。大胆な手描きのチェックと引き裂かれたバラのプリントはスーツやジャケットに、ピンストライプのスーツにはイングリッシュローズのモチーフが織り込まれています。
コットンシャツは一輪のバラの刺繍で仕上げています。コットンギャバジンにハンドペイントのチェック柄、シルクウールにレザーなど、今シーズンもハイブリッドな組み合わせが登場。タキシードジャケットには、50年代のグラマラスな舞踏室より着想を得た、クリスタルのシャンデリア刺繍を施しています。
英国の地域性や音楽に着想を得たクリエーションは、アレキサンダー・マックイーンならではのアプローチ。英国風モチーフとワークウエアの組み合わせにも、ブランドらしさが感じられます。英国テイストの取り入れやワークウエアのアレンジは19-20年秋冬もトレンドとして注目度が高まりそうです。
~関連記事~
英国流テーラーリングの美意識 「ALEXANDER McQUEEN」2019-20年秋冬パリコレクション
https://riemiyata.com/runway-collection/33015/