デザイナーの小泉智貴氏が手掛けるブランド「TOMO KOIZUMI(トモ コイズミ)」は2022年の新作コレクションを京都市の二条城で発表しました。国内で2回目のショーです。
京都の老舗ブランドとの特別なコラボレーションにより創り上げられた、日本古来の美しい素材や特徴的なモチーフを使用したドレスを含む、全23ルックが披露されました。
新型コロナウイルスの影響から、社会全体に暗雲が漂う状況が続く中、小泉氏は「暗い気分の時にこそ人々に明るさを届けたい、華やかなものや美しいもので人の心を癒やしたい」と、心から感じるようになったといいます。
今回のコレクションでは、日本文化や京都といったテーマが大きなインスピレーションとなっています。創作過程の中で何度も京都に足を運び、訪れたお寺で目にした装飾や住職の話から感じた“祈りの力”が発想源。一種の厄除けとしての効果をもたらしたかったと取り入れた刺繍では、鶴・鳳凰・獅子・龍・虎・獏・亀・コウモリなど、吉兆の象徴や守り神として祀られる瑞獣や動物が表現されています。
伝統的な技法や思想を受け継ぎながら、それらの素材を再構築し、自身のフィルターを介して新たな解釈を与えることで「トモ コイズミ」ならではのファンタジックな世界観を紡ぎ出しています。「夢・花・愛」をキーワードにスプレーペイントで施された鮮やかなドレスの彩色と、モデルの動きによって変化する立体的なラッフルのシルエットがポエティックな印象を残しました。
京都の匠の技に敬意を表しつつ、小泉氏ならではのオリジナルなクリエーションを示した本コレクション。グラマラスな量感とポジティブな色使いから、パワーがもらえそうです。