「JIL SANDER(ジル サンダー)」は2021年9月22日、ミラノ・ファッションウィークで2022年春夏コレクションを発表しました。ルーシー&ルーク・メイヤー両氏ならではの折衷主義は繊細さと力強さ。シルエットとボリュームは、力強く、しかし同時に軽く感じられます。
ゆったりとしたシルエットは、生地、加工、ディテールの巧みなバランスにより、ウェアごと、ルックごとに変化していきます。スモッキング、コーディング、パディング、コーティングなど、コットンドリル生地はゲッソ塗料やナッパで光沢を出すなど、すべてにおいて質感が高められ、創造性にあふれた開発技術と職人のクラフツマンシップを示唆しています。
強調されたショルダーのジャケットやコートは、角張っていてマスキュリンなデザインで、滑らかなロングパンツと合わせることで、ソフトなシルエットにまとめられています。
カラーパレットは、パステルカラーとダークカラーを中心に構成されました。アイコニックなベルベットのコートに潔く施されたタイガープリント、拡大された手描きのストライプ、ガウンにあしらわれたスパンコールで彩られたペイズリー。コットンとシェニールは、対照的なビビッドカラーで編み込まれ、長方形状のロングドレスに、まるで中綿がつめられて弾力がありそうな印象を与えています。
新作の「カンノーロ バッグ」は、円筒のような形で、ホワイト、ディープバーガンディ、キャラメル、ブラックで展開され、バックルで調節可能な幅広のストラップが付いています。シューズはデコルテシューズ、ブーツ、そしてブローチで装飾されたものもあり、シャープな印象を醸し出しました。ミニマルな丸いゴールドディスク、モザイクプレートがはめ込まれたイヤリングやネックレス、レザーで裏打ちされた滑らかな圧縮金属のブレスレットやイヤリングはルックに幾何学的な印象をもたらしています。
異なる要素を巧みに融け合わせた折衷主義を表現したクリエーションは、新しいエレガンスと品格を漂わせました。着る人のイメージにまでしなやかさと力強さを寄り添わせてくれそうなコレクションに仕上がっています。