「Maison Margiela（メゾン マルジェラ）」は2021年10月4日、2022年春夏「Co-Ed」コレクションを発表しました。クリエイティブ・ディレクターのジョン・ガリアーノ氏は、オートクチュールのグラマーを、自然のパワーと時の経過を反映した「Co-Ed」の表現へと発展させました。
自然との再結合の意識は、ニットウェアやランジェリー、ソックスにあしらわれた動物の刺繍に見て取れます。そしてその感覚は、海にまつわるワードローブにも表現されています。
コートやドレスには、羽根飾りの刺繍をほどこしたネットを重ね合わせました。さらに、マグネットフィッシングによって川から汚染物質が取り除かれるように3Dシャドープレイ（影絵）のイリュージョンを演出しています。
「Essorage（エソラージュ）」という「アーティザナル」で提起された錬金術のようなテクニック。それは、エンザイム・ストーンウォッシュ加工によって生地のテクスチャーや色調を一変させ、ガーメントに時の痕跡を吹き込みました。
質素なトワルのコートのライニングに精巧な刺繍をほどこすような表現も取り入れています。それは、装飾と土台の反転の発想から生み出されました。
フィッシャーマンのワードローブに着想を得た「タビ」ブーツや「タビ」ダービー、「タビ」パンプスはリサイクルラバーで作られて鮮やかな色目がインパクトを放ちました。レザーのアッパーに木製のプラットフォームを留め付けたサンダルも登場します。
ウェーダー（漁師の長靴）にはゴム引きのレザーにハンドペイントがほどこされ、トウキャップが付けらました。キャンバス地のアッパーに白いウッドソールを付けたクロッグスニーカー。ブラックとブラウンのクロッグサンダルや、ブラックレザーとゼブラプリントのウッドソールのダンシングダービーシューズには、植物染色が用いられています。
ビンテージピースを再利用して作られた「レチクラ」のバッグシリーズは、海にまつわるストーリーを想起させます。「レプリカ」バケットバッグとガソリンバッグは消防士が使用するバッグを反映。生分解性ラバーを採用した「5AC」バッグにはトーションのライニングと3Dのフィッシュネットプリントがほどこされ、ホワイト、ブラック、イエロー、レッド、デルフトブルーで登場。さらに、レザーにタペストリーのモチーフがプリントされたものや、色あせたクロコダイルプリントのタイプなど、豊富なラインナップです。
「アーティザナル」で提起したテクニックに、幻想的な世界観が相まって、魅惑の新世界に誘ってくれるかのようなコレクションです。
