「Mame Kurogouchi（マメ クロゴウチ）」は2022-23年秋冬・ウィメンズコレクションを発表しました。ランウェイショーの会場は東京国立博物館内の法隆寺宝物館。生まれ故郷の長野県にオマージュを捧げつつ、クラシックな空間にふさわしい、日本の古代史に通じるコレクションを披露しました。
信州の山野に由来する、深い色調がコレクションにナチュラル感と落ち着きをもたらしています。さらに、縄文文化への憧憬を織り込んで、どこかノスタルジックな雰囲気もまとわせました。
オープニングで披露した、細身のパンツセットアップは秋の野山を思わせるアースカラーで染め上げました。ミニ丈のワンピースは袖先にアクセントを配し、オーバーニーのネオンンイエローのレギンスで若々しさを加えています。
苔を思わせる深いグリーンやブラウン、カーキなどのアースカラーを主体にしながらも、オレンジやイエローなどの差し色を利かせて、ダークトーンを沈ませていません。野山の深遠なテクスチャーを、オリジナルのファブリックに写し込んでいます。
パワーショルダーのジャケットや、ミリタリーコート、ノーカラー（襟なし）ジャケットが凜とした女性像を描き出しました。スキーニットやスキーパンツは雪山のアスレティック感を漂わせています。
小物類も雪山ムードのスポーティー感を帯びました。キャッツアイのゴーグル風サングラスやヘアバンド、バラクラバがスキーヤー気分をまとわせています。
縄文文様が立体刺繍であしらわれ、岡本太郎にも刺激を与えた縄文アートへのリスペクトが込められました。不定形のロープモチーフが装いに動感を添えています。
カーブを描くプリーツが流麗な表情を帯びました。ベルベットの風合いはミステリアスな雰囲気を呼び込んでいます。
「KIJIMATAKAYUKI（キジマタカユキ）」のハット、「履物関づか」の草履がルックに特別感をもたらしています。日本各地に受け継がれた伝統的な服飾技術への敬意がオリジナルのファブリックや繊細なディテールに息づいて、オンリーワンの景色を立ちのぼらせています。
