「SAINT LAURENT(サンローラン)」は2022年9月27日、2023年春夏コレクションをパリ・ファッションウイークで発表しました。
舞踏家マーサ・グレアムが1930年作の『Lamentation(哀歌)』で着用した、頭からつま先まで包み込むようなチューブ状のタイトなドレスは、イヴ・サンローランのコレクションにも影響を与えました。
1969年に制作した、フード付きの透けたシフォンドレスや、モデルの頭を覆うファブリックがルックにカジュアルなニュアンスを与えました。なかでも1980年代半ばに発表されたフード付き「カプッチョ」は、メゾンを象徴するキーモチーフとなりました。
シルクジャージーニットで表現される滑らかな流動性がこのコレクションを特徴づけます。地面に届くほど長いドレスは上品な気安さを醸し出し、力強いショルダーラインのウールコートやレザーのボンバー ジャケット、トレンチコートなど、マスキュリンなアウターウェアとの絶妙なバランスを生みました。
シアーなタンクドレス、カシミヤのパンツ、パジャマにインスパイアされたサテンのルックは、コレクション全体を通したテーマである洗練されたエフォートレスを表現。スカルプチュアルなウッドやゴールドのジュエリーが効果的なアクセントをプラスします。
ブランドのヘリテージを巧みにモダナイズしつつ、しなやかで優美なコレクションは、アンソニー・ヴァカレロ氏のビジョンの確かさを印象づけています。