「LOEWE(ロエベ)」は2023年3月3日、パリファッションウィークで2023-24年秋冬ウィメンズコレクションを発表しました。
ロエベはぼかしの概念を通じて、ファッションは現在ではなく、その先にあることを示唆しました。「今はまだおぼろげな何か」に目をこらすこと。焦点のあたるものとあたらないものの緊張関係が心地よいテンポを生み出すようなコレクションです。
シルエット、テクスチャー、光と素材の関係を顧みる内向的なスタンスを提示します。レザー、ダッチェスシルク、サテン、ベルベット、カシミヤニット、羽毛、クリスタル。黒、ブラウン、キャメル、白、赤。際立つパステル。2023年春夏に登場したピクセルアイテムはさらに曖昧な輪郭となって表現されました。
ドレス、トレンチコート、フェイクファーコートは物体から「印象」へ。ぼんやりとした幻影、あるいは去来を繰り返しやがて刻まれる記憶のようなイメージを落とし込まれました。
シンプルなアイテムに単一のディテールや操作が生み出すシルエットが印象的。たとえば、折り畳まれたアーム、ピンでつくられたボリューム、バッグのチェーンによるドレープ、崩れ落ちたフォルムのブーツなど。徹底してプロポーションを追求し、流体性、垂直性、ドレープやカーブ、コンパクトなシェイプを表現しています。
様々な気持ちが入り交じるかのような意識を、ぼんやりした輪郭で打ち出したコレクションは、先を見通しにくい時代を象徴するかのよう。はっきりしない曖昧さやぼかしを、あえて受け入れるスタイリングは、やわらかい雰囲気の装いに導いてくれそうです。
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