「Mame Kurogouchi (マメ クロゴウチ)」は2025年3月、パリ・ファッションウィークで2025-26年秋冬コレクションを発表しました。
これまでに引き続き、「かたち」を見つめてゆきます。黒河内真衣子デザイナーが想像する独自の美しいかたちを希求。自身の手でかたち作りながら、そこに立体的で柔らかな質感を与える試みが用いられます。
ドレスのようにエレガントな存在感を放つダウンシリーズは、柔らかな小石や鏡餅、綿菓子のようにふんわりと重なり合うシルエットが印象的。精緻なパターンメイキングにより、複数のダウンパーツがつながり、まるで生き物のような有機的な膨らみを生み出します。
自然の偶然が生み出すオーガニックなシェイプと、漆器のような艶やかで優しい曲線が叶いました。アシンメトリーなシルエット、ボリュームスリーブ、首元を包むワイドカラー、大胆なタックなどがルックを構成しています。
アシンメトリーなドレープのドレスは、ジャージー素材で仕立てられ、セレモニーにも日常にもなじみそう。提灯のようなフォルムのニットドレスは、ふくらみが生み出す陰影で赤の濃淡を際立たせます。小花柄ジャカードとベルベットを切り替えたドレスは、朱色の漆器の内側に広がる黒のように、コントラストを引き立てます。
ブランドの象徴である草花モチーフは刺繍やジャカード、ニットで表現され、紅葉のようにコレクションに彩りを加えています。日本で揺らぎつつある豊かな季節感を、装いで取り戻せそうなコレクションです。