次世代を担う、若手の実力派として期待を集める中井英一朗デザイナーが手掛けるブランド「ELZA WINKLER（エルザ・ウィンクラー）」が2018年春夏シーズン向けのコレクションを「Amazon Fashion Week TOKYO（アマゾン ファッション ウィーク東京）」で発表しました。「ELZA WINKLER」が東コレで本格的なランウェイショーを開催したのは、今回が初めてです。
シルエットをドラマティックに仕立てています。シンボリックなパーツは襟。キーアイテムになっていたジャケットは大襟が立体的にロールしていて、胸元は広めに開いています。デコルテがきれいに映えるカッティングが優美なムードをまとわせていました。襟にだけ柄を配したディテールは意外な仕掛け。背中側に大襟を配した、奇想のワンピースも披露しました。
多彩なストライプ使いが着姿にシャープさと躍動感をもたらしています。まっすぐに縦縞を走らせるだけではなく、手の込んだ切り替えを施すことによって、直線を入り組ませました。複数のストライプが交錯して、軽やかなリズムを奏でています。
全体にパターンメーキングの巧みさがうかがえます。黒一色のコートドレスはフォルムにエレガントな抑揚がつけてあり、ダークトーンのワンカラーなのに、ノーブルなたたずまい。上半身にもプリーツを効かせたワンピース、袴ライクなスーパーワイドパンツなども工夫を感じさせます。正面にたるませたネックラインは朗らかな風情を漂わせていました。
「Yohji Yamamoto（ヨウジヤマモト）」でパタンナーとして経験を積み、「Alexander McQueen（アレキサンダー マックイーン）」でもサラ・バートン氏の信頼を得てシニアパターンカッターを務めただけあって、新鋭離れした表現力を備えています。2014年にブランドを立ち上げ、翌15年には「Tokyo新人ファッション大賞」のプロ部門で支援デザイナーに選ばれていて、さらなる飛躍が期待されています。
