「MIKAGE SHIN(ミカゲ シン)」は2021年8月30日、2022年春夏コレクションを東京コレクション(Rakuten Fashion Week TOKYO)で発表しました。技巧を凝らしたジェンダーフリーでアートフルなルックを打ち出しました。
これまでよりも踏み込んだ形で、デザイン美を印象づけています。フォルムにイレギュラーな造形を持ち込んでいるのは、今回の目立った変化。トレンチコートを解体したような、正面がショート丈の変形アウターも披露しました。
胸の高さで切り替えたシャツは、腕の露出がトリッキー。胸から上のチェック柄と、デザイナー手書きによる田園柄のずれ加減が楽しい。裾が曲線を描き、横一直線ではないヘムラインが動感を呼び込んでいます。異素材同士のレイヤードも、装いに意外感と深みをもたらしました。プリーツスカートには多彩なバリエーションを用意。トップスは身頃に大胆なカットアウトを施して、ヘルシーな肌見せに誘っています。
布を自在に操って、服の標準形からはみ出すようなシルエットを構築。あえて全体をワンアイテムで隠さず、レイヤードで重層的にカバーするスタイリングを組み上げています。たとえば、太編みのフィッシュネット風スリーブレストップスには、ブラレットをオン。田園柄のロングスカートと引き合わせて、「異素材、異ムード、異バランス」に仕上げました。
「分離派建築会」に着想を得て、田園と都会を対比するような構成を試みています。先が見えにくい時代に望まれる、単に着るだけではない、フィロソフィーを感じるコレクションです。