「MIKAGE SHIN(ミカゲシン)」は2023-24年秋冬コレクションを発表しました。テーマに選んだ「Wunderkammer(ヴンダーカンマー)」はドイツ語で「驚異の部屋」を意味し、現代の博物館の源流になった私的なコレクションです。
今回のコレクションでは、「(愛でるものを)蒐集しておきたい」とする、人間の本能的欲求と、余白を楽しもうとする知的好奇心にフォーカス。例えば、ブランドらしい様々な珍しい大理石柄をはじめ、やや不気味さのある天使の西洋絵画、19世紀の心理学研究書で紹介されていた精神分析の筆跡データを用いた論文、国内の職人の方の長年の研究開発により、丁寧に創られたニットのように錯覚してしまう刺繍シフォン布地など。あらゆる珍品・不思議な手工芸品を、MIKAGE SHINらしい感性で構築的かつアンビバレントなシルエットに落とし込んでいます。
奇奇怪怪で不思議なもの、美しいもの、珍しいもの。何でもかんでも詰め込んだ”知の小宇宙”のWunderkammer。そこにあるのは、学ぶ悦びとワクワクする気持ち。そして他人には理解されずとも己のフェティシズムと知的冒険心を刺激する発見による喜びです。
意味や生産性、ルール、他人からのステレオタイプや評価なんか取っ払って、本能的にときめく摩訶不思議なファッションの小宇宙へ誘うかのよう。目眩く魅惑の世界への招待状のようなコレクションです。