ニットに特化したブランド「Motohiro Tanji（モトヒロ タンジ）」は2016-17年秋冬・東京コレクションで手の込んだ「ニットクチュール」を紡ぎ上げました。ボトムスはあえてユーズド感を出した「リーバイス」のジーンズで合わせて、ニットの表現力を目に飛び込ませています。ひねりの利いた実験的な編み方でニットウエアにアート感を寄り添わせています。
モード界では「長すぎる袖」がブームの兆しを見せていますが、「Motohiro Tanji」はそのさらに先を行きます。強いて名付ければ「飾り袖」か、「ワンモア袖」という感じ。ケーブルニットのアイボリー色セーターは、両腕が通る本来の袖の上に、左右それぞれもう１本のニット袖が用意されています。もちろん、ブランと垂れているだけで、のどかに遊んでいます。
着丈の短いボレロ風ニットトップスはうねる編み地がダイナミックな着映えを引き立てました。左右で丈違いのカーディガン、セーターを首に巻き付けたようなディテールなども披露。ニットの可能性を一段と押し広げてみせました。セーターで首を通す穴は普通、１つだけですが、さらに余計なホールを開けてカットアウト（くり抜き）に似た肌見せ効果を生んでいます。
ねじったり結んだりして、毛糸の立体感を引き出しました。ボリューミーなニットの隆起がグラマラスでアートフルなたたずまい。身頃の正面にオブジェ風の盛り上がりをこしらえる演出も仕掛けました。コスチュームライクなニットトップスはプレーンなボトムスをパートナーに迎えて、かえってこなれた表情に落ち着いて見えました。
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“Mercedes Benz fashion week Tokyo 2016-17 A/W”Motohiro Tanji
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