「KANAKO SAKAI（カナコサカイ）」は「Rakuten Fashion Week TOKYO 2024 A/W」で2024-25年秋冬コレクションを発表しました。フェミニニティや身体性に新たなアプローチを試みています。
これまでのテイストからあえて離れて、フェティッシュに攻め込んでいます。ファーストルックからジャンポール・ゴルチエを思わせるような、鋭く突き出るコーンブラを投入。バストコンシャスなトップスをクールに表現しました。サカイカナコ・デザイナーがこれまで距離をとってきた「女性的」な要素に向き合ったのは、マリリン・ヤーロムの『乳房論』が着想源になったようです。
ハート形にカットアウトしたレザーのショーツを披露。シアー素材も多用して、素肌が透け見えるルックを連打。しかし、視線は受け入れるけれど、「こびない、甘えない、もたれかからない」というイメージの芯の強い女性像を描き出しています。
シルバーメタリックのパンツやベストはまばゆくクール。メタリックのアクセサリーはスタッズに見えて、実は千羽鶴のシルエット。和柄の亀甲紋も程よく古風。ネクタイはゆるく巻き垂らしてパンキッシュなたたずまいに。日本らしさを取り入れつつ、一筋縄ではいかないキャラクターを引き寄せています。
強みのテーラードはしっかり見せつつ、真っ赤なドレスのようなフェミニン濃度が高いウエアも提案。引き出しの多さを印象付けました。
マニッシュに強く見せるのではなく、あえて女っぽさに踏み込むことによって、新たな居場所に引き込むかのようなたくらみの深いスリリングなコレクションに仕上がっています。
