「pillings(ピリングス)」は2024年3月18日、自由学園明日館 講堂で2024-25年秋冬コレクションを発表しました。強みを持つニットを軸に据えながらも、表現の幅を一段と広げています。
襟の高いタキシード風のシャツにセーターを重ね、シャイニーなパンツで合わせて、質感の違いを際立たせています。全体に多用されたケーブル編みがダイナミックな起伏をもたらしました。膝丈のショートパンツで合わせて、セーターの動感を引き立てています。
天使や精霊のような人形風モチーフをいくつも縫い付けて、ニットウエアに朗らかな表情を添えました。ニット自体の穏やかな風合いにユーモラスなムードが加わっています。小ぶりのメタルモチーフをピンズのように付けてきらめきを宿しています。
レザーの総柄コートがつやめきをまとわせました。ジャケットは正面のボタン間隔が不ぞろい。ドレーピーなパンツを様々なバリエーションで見せました。かしこまった端正さやオーソドックス感を抜け出す「ずらし」「崩し」の意図がうかがえます。
パンツのポケットに両手を差し込んで前傾気味に歩くモデルをランウェイに送り出しました。ニット帽とのコンビネーションも装いを弾ませていました。
2014年に「RYOTAMURAKAMI (リョウタムラカミ)」のブランド名でスタートして約10年の節目に、サザビーリーグと事業譲渡契約を結びました。これまで以上に詩情や手仕事感を印象づけています。