「HARUNOBUMURATA（ハルノブムラタ）」の2025年春夏コレクションが2024年8月27日、国立新美術館で開催されました。テーマは「BUT THE IDEA, THE ESSENCE OF THINGS”（概念、あるいは物事の本質）」。
彫刻家ブランクーシの思想からインスパイアされたコレクションは、静寂なラインに野性的でフィジカルな感性を融合させたもの。プリミティブな造形に、首長族のようなロングチョーカーが体の動きと共に凛とした華やかさを放ちます。
有機的な要素と人工的な要素、滑らかさと粗さ、重厚さと軽やかさといった相反するムードを表現。ペプラムや大襟、ラッフルなどのエレガントなリズムで調和し、魅力的なコントラストを生み出しています。
石から削り出したようなフォルムと素材で輪郭を描くドレスから始まり、磨き上げられたブロンズのように滑らかなボンディング素材、さらに柔らかな布の流れを一瞬で固定するかのようなムードが作品に落とし込まれています。
創業100年を迎える京都の西村商店の工房の協力によって実現した京都の伝統的な焼箔技術を用いたシリーズは、深みのある仕上がりで、さらにコレクションに奥行きを加えています。
優雅さと穏やかさを兼ね備え、内面的な豊かさや成熟を反映。あらためて実力の高さを証明したコレクションは、まるで着るアートのような美意識をまとっています。
HARUNOBUMURATA
www.harunobumurata.com/
