2018年の開業から、わずか10カ月で『ミシュランガイド2020』の京都版ホテル部門で3つ星を獲得した、京都市のホテル「MOGANA(モガナ)」。その奥深い魅力を紹介するリポートの後編は、繁田善史・代表取締役と繁田有子・企画、広報担当のオーナーご夫妻へのインタビューです(前編の滞在リポートはこちら)。あまりにお話が興味深かったので、開業に至るエピソードから、これからのホテル像まで、たっぷりうかがったロングバージョンです。旅好きのお2人だけに、旅行や宿を考えるうえでも、貴重な「気づき」をもらえるインタビューになりました。
◆創り手の思いが詰まった「どこにもないホテル」を京都に
Q 「MOGANA」のコンセプトは、オーナーご夫妻の豊富な旅の経験から練り上げられたと聞いています。これまでの旅経験と、そこから導かれたコンセプトをお聞かせください。
【繁田善史・代表取締役】(以下、繁田)
もともと旅は好きでした。ただ、段々と普通の旅に飽き足りなくなり、マニアックな旅を好むようになりました。たとえば、「どうしてもこのホテルに泊まりたい」とか、「すごく訪れにくい場所であっても、絶対そこに滞在したい」といった感じです。
そういう旅を重ねるうち、創り手の思いが詰まったホテルが好きなのだと気づきました。そして、いつの日か、自分の思いが詰まったホテルを作りたいと考えるようになりました。しかも、できることなら、なじみの深い京都でホテルを構えたいとも考えました。かなり時間はかかりましたが、その思いをようやく実現できたのが「MOGANA」です。
【繁田有子・企画、広報担当】(以下、有子)
彼とは学生時代から、いろいろな国や地域に出掛けました。彼と同じで、旅が大好き。だから、あちこちを訪ねてきたのですが、社会人になると、もうあまりメジャーな観光地を回るというよりは、こだわりの強い空間を味わうような旅へと、スタイルが変わっていきました。
ただ、こだわりがはるかに強いのは、彼のほうです。たとえば、「飛行機はこのエアラインのこの機体に乗りたい」とか。だから、発着時間をその機体の運航スケジュールに合わせるわけです。一緒に旅する者としては「え?」とも思うのですが、そうやって旅行を組み立てるのが、彼のやり方。さらに「トランジット(乗り継ぎ)はこの空港のこのラウンジで過ごしたい」と、もっと注文が細かくなってくる。私もいろいろ希望は出しますが、基本的には彼の好みに合わせて、旅行プランを立てています。
◆「とにかく、うちのホテルはこれ」という一点張りのこだわりに惹かれた
Q 旅先の現地でも、こだわりのツアーが続くのでしょうか?
【繁田】
いや、目的地に着くと、やっていることは意外に単純です。ただひたすら毎日海に行くとか、ただひたすらおいしい物を食べるとか。結構、目当てのホテルに着いたら、満たされる感じがあります。とにかく動機がピンポイントで、「どうしてもこのホテルに泊まりたい」というような具合なので、名所を分刻みで巡るようなことはありません。
【有子】
彼のこだわりプランに、別のストーリーを添えると、もっと旅全体が楽しくなります。たとえば、ホテルをあらかじめ決めてあるから、あとはそこまでたどり着く経路を探すしかありません。その場合、レンタカーしか選べないときは、車でどういう道を通れば、ストーリーが膨らむかを考えるわけです。ホテル周辺の歴史を調べたり、おいしいレストランを探したりするのは、主に私の役目。彼のこだわりポイント以外の楽しみを肉付けしていくのが、私の役割です。
【繁田】
実は「MOGANA」のプランづくりにも、2人で泊まった、あるホテルのイメージが大きく関わっています。「MOGANA」とは全く別のタイプなのですが、スイスにある、ヨーロッパで最も標高の高い場所にあるというホテルです。ここの魅力は断然、眺め。アルプスの山々を見渡せる立地です。実に単純で、「とにかく、うちのホテルはこれ(景色)」という一点張りの売りがすがすがしい。
最初に見つけたときに一目惚れして、虜(とりこ)になりました。かつてはスキー小屋だったらしく、そんな山奥までどうやって行ったらいいのかすら分からない状況でしたが、見た瞬間、もうここに行こうと決めてしまいました。実際に調べてみたら、電車の駅はなく、普通のレンタカーでも困難。結局はジープで向かう羽目になりました。
◆ホテルビジネスのプロではないからこそ伝えられる「斬新さや驚き」
Q MOGANAと日本的美意識(特に京都)との関係について聞かせてください。
【繁田】
空間が好きで、空間の力を信じています。極めて居心地のいい空間はモチベーションを上げてくれるものです。ホテルを京都に作るなら、インスピレーションの源になったり、悩んでいることも、何とかなるかと思えたりという、一つのきっかけになる空間にしたいと考えました。
「MOGANA」はホテル業界の常識とは異質の造りです。これは建築家の先生に教えてもらったんですが、客室ボリュームの大きいホテルには、建物や構造のフォーマット(標準的な型)があるそうです。大抵の場合はそのフォーマットに沿って決めていくようです。こういう手法は投資やスペースの効率がよい半面、斬新さに欠けてしまい、驚きが少ないホテルになりがちです。「MOGANA」はそういった型にはまったデザインを避けています。
【有子】
「MOGANA」の客室にはテレビがありません。あえて置いていない理由は、おしゃれして京都でご飯食べたり、ホテルのバーでゆっくりお酒を味わったりと、お客様の思い思いの形で「時間」を楽しんでほしいと思うからです。部屋で本を読んだり、夫婦・カップルで話し込んだりするのも素敵な時間の過ごし方でしょう。
日本のホテルはホスピタリティがすごいですよね。「これもあったほうがいいでしょ、あれも便利でしょ」という足し算が日本流ですが、海外では電気ポットがないホテルが珍しくありません。「電気ポットがないんですけど」と、フロントに電話すると、オーナーさんが「下においで、お湯を沸かしてあげるから」といった具合。でも、堂々としていて、「私たちのホテルは窓を開けたらアルプス。最高でしょ」とニッコリ。そういうホテルをいくつも見てきて、京都の「MOGANA」らしいホスピタリティを提供したいと考えました。
【繁田】
私たちは2人とも、ホテルビジネスや観光業のプロではないところから「MOGANA」を企画しています。今の時代は「素人力」というか、全然違う畑から入ってくるほうが、新しいことや面白いことができる気がします。業界のならわしや常識にとらわれずに済むからです。テクノロジーが発達し、情報も増えたおかげで、昔に比べて、業界の外からチャレンジしやすくなったのも、追い風になりました。
「MOGANA」は23室だけの、割と小規模なホテルです。数百室規模のホテルと同じ目線で動かしても意味がありません。規模が小さい分、気に入ってくれる人たちから大好きだと思ってもらえるようなホテルにしようと決めました。ホテル業界の経験が豊富だったら、こういう発想は出てこなかったかもしれません。自分たちが好みのはっきりした旅人だったので、そういうお客様に向けて、ホテルを作っていきたいと考えたのです。
◆日本的美意識を「圧倒的にかっこいい」ものに 未来思考の京都を表現
Q 建築家の山口隆氏と一緒に作り上げた建築は、京都文化を印象づける、優れたデザインだと感じます。具体的な建築表現の特徴と、設計にあたって目指したものは、どういったところでしょうか。
【繁田】
山口さんは安藤忠雄さんに建築を学んだ方です。安藤さんを尊敬している一方で、いい意味での反論も持っています。特に日本人の繊細さや日本的美意識を表現するところに、山口さんらしさが感じられます。木や大理石、アルミなど、いろいろな素材を使う取り組みも、山口さんならではのアプローチになっています。
一緒に話し合う中で、「圧倒的にかっこいいものを作ろう」という先生のメッセージに惹かれ、共感したのが決め手です。京都に建てるとなると、一般的には木造のいわゆる町屋造りを目指しがちです。瓦屋根で行灯があってといった具合です。でも、私たちが作りたかったのは、もっと未来思考の京都。過去のジャポニズムをなぞるのではなくて、もう少し先端的なイメージを見せたいという方向性で、山口さんと意見が一致しました。
「MOGANA」のデザインはモダンでスタイリッシュといわれることが多いのですが、歴史的に見ると、京都は結構、新しい発想を受け入れてきた街です。たとえば、京都駅もそうです。企業もロームや村田製作所、島津製作所など、精密機械の分野で世界的な先駆けとなるような技術を生み出してきた会社が多い。古いものだけが京都ではないんです。そこは意識しました。
◆1日を気持ちよく過ごせるような、気分が上がる「装い」を
Q スタッフさんが着用しているユニフォームにマスク、そして、泊まり客用の部屋着も素敵でした。「装い」をメッセージとして打ち出している理由は?
【有子】
ユニフォームに関しては、契約上の都合から、あえてどこのブランドであるかは、名前を伏せています。ただ、機能性だけではなく、着ているスタッフがそのまま外に出ていけるようなファッション性、「MOGANA」の空間になじむデザイン性などを総合的に考慮して、日本を代表する、しかるべきブランドのものを採用しました。
マスクに関しては、「真っ白い使い捨てタイプよりも、ユニフォームにマッチするスタイリッシュなマスクが欲しい」という、スタッフからの提案があって、新たにデザインを依頼して、オリジナルなものを作ったという経緯があります。スタッフの間からそういう声が上がってきたのを、とてもうれしく思いました。こちらは「CONN」というブランドのファッションデザイナーが個人的に作ってくれたもので、オニベジという植物由来の染料で染めた色を使うなど、特別感があって、スタッフも喜んでいます。
【繁田】
「MOGANA」の部屋に置いているインテリアや雑貨、部屋着を気に入って、購入するお客様は結構、多いんです。ホテルの暮らしを、インテリアや雑貨の形で、日常に持ち帰っていただけるのは、運営者としてはうれしいことです。
ホテルは服と似たような存在だと考えています。気に入った服を着ると、その日は何だかちょっとテンションが上がるじゃないですか。あの感覚です。ホテルも気に入ったところに泊まることによって、京都での1日を気持ちよく過ごせるような存在であればと思います。
よく「旅は非日常体験」と説明されることがありますが、私たちの感覚は違います。むしろ、「非日常」よりは、日常を豊かにできるようなホテルや旅を提案したい。チェックアウトした瞬間に夢からさめてしまう感じが嫌なんです。さみしい。旅が終わってしまって、しんどい日常に戻るのではなく、「MOGANA」で得たものを、日常に持って帰ってもらって、また明日からも元気よく生きていくみたいな流れにしたい。
◆自分が大好きだからこそ、おすすめしたい すべてにこだわる理由
Q アメニティが「SHIGETA PARIS(シゲタ)」で驚き、感激しました!
【有子】
世界のどこにも、「MOGANA」以外で「シゲタ」のアメニティを用意しているホテルはありません。もともと私が「シゲタ」のスキンケアの大ファンだったんです。お願いを重ねて、ようやく認めていただいた次第です。この先もおそらく「MOGANA」だけだと思います。世界でここだけなので、「シゲタ」を知っているお客様にはすごく驚かれます。「シゲタ」のファンで、このアメニティをお目当てに泊まってくださる方もいらっしゃいます。
逆に、「MOGANA」の滞在中に、アメニティという形で「シゲタ」を初めて使って気に入り、買って帰るお客様も大勢、いらっしゃいます。「MOGANA」で初めて知ってもらって、日常でも使い続けてもらえるのは、私たちが目指す「日常とのつながり」という点でもありがたいことです。
もともと「シゲタ」では作っていなかったハンドソープのポンプ式ボトルを、「MOGANA」向けにわざわざ作っていただいたところ、ファンの間で評判になったので、「シゲタ」さんのほうでも取り扱いを始めたという流れもありました。今はコロナの影響で見合わせていますが、これまでは約2カ月に1回のペースで「シゲタ」のセミナーを「MOGANA」で開かせてもらっていました。
◆驚きやストーリーのある「淡路島からの朝食」
Q 特別なプランやイベントを除いて、夕食を提供していない理由は? 一方、どうしてこれほど朝食に力を入れているのでしょうか。
【繁田】
京都にはおいしい店が本当にたくさんあります。だから、夜に関しては街にある、いろいろな店の中から選んでもらったほうが、お客様の立場になって考えると、絶対にいいなと思うんです。特に連泊する場合は、夜ごとに街の中から選択してもらうと、食事のバリエーションが広がります。
でも、朝食に関しては、朝の始まりとして、ホテルで提供したいと考えました。ただ、出すのであれば、圧倒的な朝食でないと、わざわざホテルで食べていただく意味がないと思い、かなりこだわりを持って献立や趣向の開発を重ねました。
【有子】
私たちが朝食に求めたのは、驚きやストーリーです。京都のホテルで京料理の朝食は、よくあることです。私たちがそれをやるのでは、あまり意味がありません。いろいろと考えた末に、「淡路島」という答にたどり着きました。実は私の出身地が淡路島(兵庫県)なんです。
淡路島はかつて「御食国(みけつくに)」でした。御食国というのは、平安時代の頃まで、皇室・朝廷に食べ物を貢いだ地域です。
淡路のほかに、若狭国(今の福井県)や志摩国(三重県)がありました。つまり、それぐらい食材が豊かな地域なのです。今でも魚、肉、野菜などのおいしい食材がいっぱい取れる場所です。
そこで、淡路島の食材を京都に運んでくるというストーリーを、かつて朝廷に贈り続けてきた御食国の歴史と重ね合わせて、朝食で伝えたいと考えました。だから、「MOGANA」の朝食は主に淡路島の食材を、淡路島の器で出しています。
出し方の演出も工夫しました。驚きの生まれるデザインを考えた結果、「fukiyose(=吹き寄せ)」という様式を選びました。「吹き寄せ」というのは、風が吹いて、様々な種類の落ち葉や枯れ草が1カ所に集まった様子を美しくめでる言葉です。菓子の盛り合わせもこう呼ばれるものがあります。それぞれの持ち味を生かした、日本の美意識を物語るような存在です。この「吹き寄せ」に見立てて、淡路島の多様な食材を、大皿に盛り付けた料理を、朝食のメインに据えました。
◆融通を利かせた「アネックス(別館)」的な使い方を 出張料理も提供
Q あらかじめ予約すれば、夕食を提供してもらえるプランも用意されていると聞きました。
【繁田】
夕食に関しては、「外に出たくない」というご要望に応じて、京懐石の名店「懐石 瓢樹(ひょうき)」さんの割烹料理の夕食を部屋で召し上がっていただけるプランを用意しています。懐石スタイルのまま、「瓢樹」の料理を味わえるのは、烏丸御池の本店以外では「MOGANA」だけです。
「瓢樹」さんの料理を提供するにあたっては、お弁当形式も考えられたのですが、「瓢樹」さんらしい懐石スタイルで出したい、「瓢樹」さんのよさを最大限に伝えたいという思いから、相談を重ねました。最終的には実際に「瓢樹」さんの料理人の方に「MOGANA」へ来ていただくという出張割烹の形になりました。こういうことができるのも、日ごろからおつきあい願っている賜物だと思います。
【有子】
お客様から「何か、ないですか」とご相談を受けたら、私たちは特別なことをしてくださる、知り合いのお店をいっぱい知っているんです。いくらかのわがままを聞いてくださる料亭さんとか、オリジナル料理をこしらえてくださる料理人さんとか、助けてもらえるところがたくさんあります。だから、アネックス(別館)みたいな感覚で、「MOGANA」を介して、いろいろなご要望に応えていきたい。こういうアネックス機能を生かしたサービスは、この先も広げていきたいと考えています。
◆オンリーワンの体験を味わえるプランが続々
Q これまでもいろいろと趣向を凝らした宿泊プランを提案してきました。秋から冬にかけては、どのような新プランが企画されているでしょうか。
【有子】
オンリーワンの体験を味わっていただけるプランを、いくつも用意しています。たとえば、茶道の聖地ともいえる大徳寺の中でも、非公開の塔頭「大慈院」のご住職と河原で、竹の茶室「帰案」を建てて味わう月見茶会を10月に開催したり。
紅葉の名所、永観堂では、一般拝観の終わった後、夕暮れ時に多宝塔に登り、お坊さんと一緒に夕日を眺める特別プランを企画しました(予約受付は終了)。天龍寺の塔頭、宝厳院非公開エリアの書院から庭園を眺められる、完全貸し切りのプランをご用意(予約受付は終了)。しかも京料理「嵐山熊彦」の料理を味わえるという、ダブルの意味で唯一無二の体験が楽しめます。淡路島の「割烹はと」から料理人を招いて、淡路島の高級食材を味わっていただく「”御食国”淡路島の旬を味わい尽くす会」も9月に開催する予定です。この先も新しいプランをいろいろと企画していくつもりです。
◆もう一つの住まいとして、日常的な時間の流れに寄り添うホテル
Q 新型コロナウイルスの影響で、日本でも旅行や宿泊のスタイルが様変わりしそうです。新たな魅力や楽しみ方は、どのようなものがあるでしょうか。
【繁田】
「宿泊」という概念が様変わりしつつある気がします。仕事とレジデンスの境界線があいまいになり、仕事とプライベートの線引きもぼやけてくる。そんな時代が訪れそうです。従来の「旅」というイメージも揺らいでいく予感があります。
ただ、これは必ずしも悪いことではないかもしれません。先ほども少し言いましたが、旅や宿泊を「非日常」と位置づけるのは、少し違うと感じます。人間の生きている時間は9割以上が日常です。だから、日常を豊かにしないことには、人生全体が豊かにならないのではないでしょうか。その意味から言えば、ホテルはもっと日常に融け込んでいくほうがお客様の人生に役立つとも考えられます。
テレワークが広がって、オンとオフの切り替えが難しくなったといわれますが、もし、そうであるなら、これからは日常をいかにもっと豊かにするかが次のテーマになってきます。近場を楽しむマイクロツーリズムも注目されていますが、むしろ「日常という旅」を意識して、日々の時間に寄り添うようなホテルとして「MOGANA」を打ち出したいと考えています。その発想から立ち上げたプロジェクトが会員制サービスの「MOGANA members(モガナメンバーズ)」です(https://yadomogana.com/topics/members_proposal/)。
もう一つの住まいとして「MOGANA」を気軽に訪れていただく「京都住まい」を提案しています。「デュアルライフ=京都での2拠点生活」が「MOGANA members」のキーコンセプトです。そういう時間の使い方に、「MOGANA」を役立ててもらえるとうれしいと思います。「もう一つの家に戻る」的な感覚です。
たとえば、平日に大阪で仕事を終えた後、「今日は気分を変えたいな」と、ふと思い立って、ふらっと「MOGANA」に寄って、街で食事を楽しんで、明日は「MOGANA」からまた仕事に向かうといった「普段着」的な使い方です。
わざわざ旅を企画して、ホテルに泊まるのではなく、日常的な時間の流れに「MOGANA」を組み込む。「時間」の概念を変える。そういう形で「ホテル」の概念や立ち位置を揺さぶっていきたいですね。
▼取材を終えて
世界遺産の古都・京都にあって、名前の通り、泊まり客が「こうあってほしい」と思えるような、新しいホテルのあり方を提案し続ける「MOGANA」。オーナーご夫妻のこだわりと情熱が感じられるホテルは、日々の生活を丁寧に過ごしたくなる今の時代の気持ちになじむ場所でした。長く愛着を持って物を扱う態度が支持され始め、時間の過ごし方も変わりつつある中、様々な「気づき」をもたらし、旅と日常を融け合わせるという、「MOGANA」の提案は、単なる「宿泊」を超えて心に響きます。泊まった部屋のインテリアや部屋着、アメニティ、そして朝食などを思い出すと、また「MOGANA」に戻りたいという気持ちが自然とわいてきました(滞在リポートはVol.1をお読みください https://riemiyata.com/travel/44393/)。
MOGANA
https://yadomogana.com/
~関連記事~
京都「MOGANA(モガナ)」滞在リポート part1 「丁寧な時間」に浸れる宿 あふれるこだわり、細やかな心配り
https://riemiyata.com/travel/44393/