【おしゃベジnote】vol.1 「プティローブノアー」阿部好世さんをインタビュー 「野菜×おしゃれ」の魅力

WE ARE THE FARM(ウィーアーザファーム)

私がずっと通い詰めている、大好きな野菜レストラン「WE ARE THE FARM(ウィーアーザファーム)」とのコラボレーションが実現し、このサイト「fashion bible」に新たな連載コーナーが誕生しました。名付けて「おしゃベジnote」。ファッションジャーナリストで野菜ソムリエの宮田理江が「野菜×おしゃれ」の魅力をお伝えしていきます。

実は、野菜好きが高じて、野菜ソムリエの資格を取得しました。数年前から野菜の魅力にはまり、野菜のおいしいレストランで食事をしたり、野菜を取り寄せて自宅でもりもり食しています。もっぱら食べる専門です(笑)。野菜をたくさん食べるようになって、身体の健康はもちろん、心まで穏やかな気持ちになった気がします。

今回の新連載(不定期)では、「野菜×おしゃれ」をテーマに選びました。ファッションにも気持ちを落ち着かせたり、うきうきさせたりといった、心の健康に働きかけるパワーがあると思います。Wellness(ウエルネス)効果ですね。特に今回の新型コロナウイルスをきっかけに、そうした働きをより実感しました。これからはWell-being(ウェルビーイング)なライフスタイルが一段と関心を集めそうです。野菜を大切に育てるように、自身のクリエーションを丁寧に提案する女性を、野菜を絡めつつ、ご紹介していきたいと思います。

こちらに登場していただくクリエーターの方々を、皆様と同じ「WE ARE THE FARM」のテーブルで囲む、素敵なサロンイベントをいつか実現したいと思っております。その際はお付き合いいただけましたら幸いです。

 

【おしゃベジnote】 vol.1 「プティローブノアー」阿部好世さんをインタビュー 「野菜×おしゃれ」の魅力

記念すべき第1回のゲストは、コットンパールのジュエリーブランドとして有名な「petite robe noire(プティローブノアー)」の阿部好世(あべ・よしよ)さんです。ヴィンテージとモダンテイストの絶妙ミックスや、強さと愛らしさを兼ね備えた独創的なコスチュームジュエリーはファッション業界内でも人気の高いブランド。お人柄にもファンが多く、私も阿部さんに魅了された一人です。手仕事技で丁寧につくられているクリエーションの秘密をはじめ、おしゃれの楽しさ、野菜との関わりなど、他では公開されていない、貴重なお話をうかがいました。

 

◆手仕事の素晴らしさに魅了され続け、メキシコ職人とのコラボをスタート

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Q: 「petite robe noire」のアイテムは、クラシック感とモダンさの響き合いがタイムレスな雰囲気を生んでいます。デザインする際に意識しているのは、どういった点ですか?

デザインするにあたっては、特段のテーマ立てをしていません。自分の気持ちの動きを重視して決めています。たとえば、2020年春夏コレクションでは職人技を意識しました。

もともと日本の職人さんによって、丁寧につくられているブランドです。今シーズン(2020年春夏)からは職人技にもう一段の広がりを加えたいと考え、メキシコの職人さんとも制作を始めました。

メキシコは古代文明が栄えた場所だけに、奥深い歴史と文化が受け継がれています。王様がいたので、献上品として服飾品や宝飾品、アクセサリーなどがたくさんつくられました。手仕事の文化も残っている点でとても魅力的な国です。

メキシコにたどり着いた理由は、以前から私はアメリカに行くことが多かったから。ネイティブアメリカンのいわゆるインディアンジュエリーを学ぶことが主な目的でした。インディアンジュエリーの始まりはメキシコともいわれています。

メキシコを単身で訪れ、手仕事の素晴らしさに引き付けられました。以後、何度も足を運んで、職人さんと直接のやり取りをして今に至っています。

 

◆鏡を見たときに、時代の背景を感じながら、胸がとときめく

Q: ヴィンテージパーツやコスチュームジュエリーの魅力は、どういうところにあるのでしょう?

ヴィンテージ物は昔につくられただけあって、時代の背景を感じられるのが、魅力の一つです。ちょっと胸がキュンとときめくところがあります。かつての持ち主と思いを重ねる感じもあり、付けた瞬間に気持ちが変わるっていうのが、とても素敵だなと思います。

自分の顔周りを鏡で見たときに、何か変わるという、メイクのようなうれしさがあります。自分で自分のことをうれしくさせてあげられるとか、気持ちが切り替わるとか、そういった独特なパワーがあるんじゃないかなと思います。

 

◆ルールにしばられず、自分目線のコーデで自分らしく

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Q: 阿部さんは、ジュエリーの重ね付けがお上手ですよね。

ありがとうございます。お客様から質問が多いんですが、実際には直感的に「これがいい」という感じで、自身が好きでつくったものを重ね付けしています。

自分では意識していないのだけれど、やはりコツがあるのかなと思って、「これとこれを合わせています」と、今は言葉で伝えるようになりました。ユーチューブも含めて、ちゃんと言葉で表現するのが大事だと感じます。

自分のつくっているものに関しては、重ね付けの楽しさというか、生け花のような感じです。一応、大枠での決まりがあって、その先は自由に、思い思いに楽しんでほしいと思います。

重ね付けに関して、意外にみなさんは「やっちゃいけない」と思っていることがあるみたいですが、あまり心配しなくてもいいでしょう。たとえば、素材や色などで見た目の異なるもの同士を合わせると、洋服のテイストミックスに似た効果が生まれ、新たな魅力が出てきます。洋服でも全身をカッチリでまとめるよりも、カジュアルなものとずらして合わせたほうがこなれて見えるというのと同じような感じです。

自分では「この色とこの色を合わせてもおかしくないんですよ」といった「肯定系」の表現で言います。「これとこれを合わせちゃいけない」という否定的ではなく。たくさんつけると、これもこれも良しなんだな、合うんだなと、あらためて気づくことがあります。自分で練習して、いろいろチャレンジできるのが、重ね付けのいいところ。ルールにしばられる必要はありません。

 

Q: 近頃は「丁寧な暮らし」が支持されています。ファッションの面でも、愛着を持てる品とつきあう態度が広まっています。アクセサリーの選び方や使い方も変わってきそうでしょうか?

洋服と同じで、パパパッと買うっというよりも、自分の目線で、自分のフィルターで、自分の意思で選ぶっていう傾向が強くなるのかなとみています。惹かれるポイントを、自分で意識して選択する人が増えるのだろうと思います。

 

◆人間も水分でできているから 野菜のみずみずしさが好き

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Q: 野菜好きとうかがいました。具体的にはどんな野菜がお好きですか? 自分で料理する場合、外食する場合は、それぞれどういう食べ方が好みですか?

野菜は大好きです。野菜そのままの形をしたものをごろごろと食べたい。

自炊では野菜を生かした料理が中心です。家でしかそういうのは食べられないから。東京の外食で野菜ごろごろはあんまりないですよね。

 

Q: 野菜のどういうところによさを感じますか? ご自分の健康にプラスの効果をもたらしていると感じますか?

まず、みずみずしいところ。人間も水分でできていますからね。フレッシュで気持ちいいって気分になります。野菜を取り入れること自体が健康によさそう。おいしくてみずみずしい食事は、内側から気持ちをよくしてくれます。

 

Q: 丁寧に育てられた野菜を食べる暮らしと、手仕事で仕上げられたアクセサリーをまとうおしゃれには、いくつかの共通点があるように思えます。大人の女性が自由におしゃれを楽しむためには?

ただの「消費」ではなく、気持ちがついてくると、自然と大切にしたくなるものでしょう。アクセサリーも手作りの品って、1個1個が全部違います。野菜もそうで、それぞれに個性があるわけです。

丁寧に育てられた野菜を食べると、何だかうれしくなったりします。「ありがたいな」という思いが湧いてくることも。そういう気持ちへの作用っていうのは、豊かだと感じます。

年齢を重ねると、選ぶ物がだんだん変わってくるんだと思います。若いときは単にお腹が満たされればいいというのがあったかもしれませんが、今はおいしいものや自然なものがいいというような好みに変わってきています。身につける物や生活にまつわる品も同じような気がします。若いときは服はたくさん欲しいから、かわいくて安ければいいと思っていても、大人になると変わるように。

 

◆野菜の色「グリーン」を作品に選ぶ理由

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Q: グリーンに代表される、野菜の色は、「petite robe noire」のコレクションにも取り入れられています。植物や天然由来の色は、ジュエリーに魅力的な存在でしょうか?

実は昔からグリーンをよく使うんですよ。グリーンを選ぶことが多いんです。田舎育ちなので、子どもの頃から緑が身近でした。

自分で色を選んで、初めて買ってもらった自転車が緑だったんです。山で遊んでいたので、グリーンが好き。緑が好きっていうのは、ものづくりを始めてからあらためて気が付きました。自然と緑を選ぶ機会が多いのを見て、やっぱり緑が好きなんだなって再確認しました。

 

Q: 新潟県のご出身で、割と身近に野菜があったそうですが、自然が豊かな新潟での暮らしは、野菜好きになるうえで、影響が大きかったのでしょうか?

周りは大半が農家で、我が家も祖母が農作業に精を出していました。朝、収穫物を出荷する農家の人を見て育ちました。

出荷分からあふれたり、予定よりできすぎたりした野菜が我が家の玄関先にドサッと置いてあるくらい、野菜に恵まれていて、一家だけでは消費しきれないほど。夕食にトマトがお皿いっぱいに盛られるような、本当に野菜ふんだんな食卓でした。

私自身も小さい頃は祖母と一緒に畑に行っていました。畑仕事は時間がかかるし、大変な作業なんですよ。お水をあげたり、朝は野菜を収穫に行ったりと、おばあちゃんのお手伝いをしていたのを覚えています。キュウリやナス、トマトなどを摘むのは、あの土地の子どもにとって自然なことだったんです。

 

Q: 「あったらいいな」と思う野菜料理の店、食べたくなる野菜の出し方、気に入った野菜料理などを教えていただけますか?

野菜がごろごろいっぱい入っている、家庭的なカレーライスなんていいですね。野菜のかたちがきちんとそのまま残っているような、見た目が武骨な野菜そのものって感じが好き。上手に料理してくれると、目一杯食べられるから、そういう料理がうれしいですね。

 

◆これからは「どうやってできたのか」「どんな人が携わっているのか」がより大切に

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Q: 新型コロナウイルスは生活意識を変えました。ファッションやアクセサリーとの向き合い方にも変化が生まれると思いますか?

今回の新型コロナウイルスはどこから来たのかとか、いろいろ気になりますよね。様々な面で、より注意深くなるきっかけになった気がします。

これからは食べ物にせよ、生活にせよ、すべてのことに関して、「どうやってできたのか」とか、「どんな人が携わっているのか」とか、そういうところにまで気が回るようになる雰囲気を感じます。一つの事柄について、いろいろ考えるようになりそう。身につける服やアクセサリーに関しても、そうなるんじゃないかなと思います。その物にまつわるストーリーや歴史とかに目を配るような変化が起きるのではないでしょうか。

 

Q: 最後に告知したいことをどうぞ

HPインスタグラムでは阿部の言葉でお客様に商品の説明をコメント記載させていただいています。作り手の意図や物の裏側にあるストーリーをお客様にも知っていただけたらなと思いまして・・・(HP内にある  YOSHIYO Diary  では毎日阿部が記事を更新)そんなインターネットのツールを通じて日々のささやかなこと、一緒に共感いただける人を募集中です!

【Profile】
阿部 好世 (あべ・よしよ)さん
プティローブノアー・デザイナー
ブランド創立10周年を超えた昨年から、コスチュームジュエリー製作現場をメキシコに構え、日本の職人の繊細さとメキシコ原住民にしか出来ない手作業のものづくりのために、東京とメキシコを行ったり来たりの生活。旅の風とともに、より新しいうれしさの発見をお届けできるようアクセサリーのことばかり考えて毎日を過ごす日々。静かな場所で本を読むことが好き。

 

■取材を終えて
阿部さんのインタビューであらためて感じたのは、「野菜好きの人らしい自然体のしなやかさ」。気負いやてらいがなく、地面から茎がスッと、まっすぐ伸びているようなすがすがしさ。自分らしさをしっかり持っているインディペンデントな態度が印象に残りました。

阿部さんの人柄に触れるうえで、私がおすすめしたいのは、阿部さん自らがコスチュームジュエリーの使い方や、上手なコーディネートを教えてくれるユーチューブ番組『Jewelry – the YOSHIYO show』です。毎週木曜日に更新されていて、素敵なアクセサリーのHow toを阿部さんから教えてもらえる、必見の番組です!
https://www.youtube.com/channel/UC1bCtjNtFSLUd8h6kJr2dXg

もう一つは、公式ホームページに不定期で公開されているエッセイ風の読み物「YOSHIYO Diary」。こちらは、アクセサリーの収納方法や、阿部さんの私物コーデ、ギフトのご案内などを、阿部さん自身のやわらかい言葉でつづっています。https://www.petiterobenoire.com/news/

このギフト内容がまたユニークです。グリコの「おまけ」のように、子どものころ「わ、なんだろう」となぜか高鳴ったあの不思議な立ち位置の「おまけ」のようなそんなちょっとしたギフトをお届けさせていただく企画」と紹介されています。お客様を大切にしている、阿部さんならではの素敵な提案に胸がときめきます。

「petite robe noire」のオンラインショップには、夏のおしゃれを盛り上げてくれる魅力的なコレクションがたくさん登場しています。いつもの服から、別のムードを引き出せるアイテムがそろっているから、この機会にぜひチェックしてみてください。https://boutique.petiterobenoire.com/

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WE ARE THE FARM(ウィーアーザファーム)

さて、ここからは、「WE ARE THE FARM」の新店舗、東京・豊洲にオープンのご案内です。阿部好世さんがおっしゃていた、ごろごろ野菜がおいしいレストランです!

私がこよなく愛する、野菜が主役のオーガニックレストラン「WE ARE THE FARM」の新店舗が東京・豊洲にオープンします。店舗の場所は、新たな複合商業施設「豊洲ベイサイドクロス」のタワーCの1階です。ゆりかもめ・東京メトロ有楽町線の豊洲駅に直結しています。

赤坂や渋谷、恵比寿などで人気の「WE ARE THE FARM」が湾岸エリアに初進出を果たします。提供する野菜は無農薬で無化学肥料。しかも固定種、露地栽培、朝獲れと、こだわりの素材を味わえます。

農家が代々、育ててきた「固定種」の野菜が魅力のオーガニックレストラン・デリを運営する農家集団「株式会社ALLFARM」の新店舗です。ALLFARMは自社農園(千葉県佐倉市)で野菜の栽培、収穫から運搬、店舗経営までワンストップで手がけています。

WE ARE THE FARM(ウィーアーザファーム)

看板メニューの「ケールのシーザーサラダ」(税抜650円)をはじめ、「畑の鉄板バーニャカウダ」(税抜3,600円)など、野菜本来の滋味を感じ取れるメニューがそろっています。店舗限定メニューやテイクアウトも提供する予定です。

江東区や臨海副都心、中央区、ゆりかもめ・東京メトロ有楽町線沿線から利用しやすい場所に、「WE ARE THE FARM」が新たに登場。健康的な野菜食を楽しめるレストランが身近になりそうです。

私も今からオープンが待ち遠しいです。ぜひ、野菜好きの方には足を運んでいただきたいお店です。まずは、「ケールのシーザーサラダ」から堪能して、パワーのある野菜の魅力を実感していただきたいです。

・店舗名: WE ARE THE FARM 豊洲店
・住所: 東京都江東区豊洲 2-15-12 豊洲ベイサイドクロスタワー1F
・アクセス: 豊洲駅から徒歩1分
・TEL: 03-5859-5503
・営業時間: <ランチ> 11:00~15:00(LO14:30) <カフェ> 15:00~17:00
<ディナー>17:00~23:00(フードLO 22:00 食事LO 22:30)

https://www.toyosu-baysidecross.jp/shop/
https://tabelog.com/tokyo/A1313/A131307/13245734/

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