第10回JFW(東京発日本ファッション・ウィーク)、3日目[E:shine]
◆matohu(マトフ)
http://www.matohu.com
デザイナー 堀畑 裕之 / 関口 真希子
テーマは「かさね 秋冬」。
ぼかしをかけた濃淡を響き合わせる「かさね(重ね、襲)の美学」。
丈や色合いを計算して重ねた様は幽玄の世界に誘う。。。
直線的な洋服カットを踏襲しないで、和の曲線美を再発見。
例えば、フロントは正面でまっすぐ打ち合わせず、曲線を描いて折り合う。
ボタンの並びも弧を描く。ジャケットやスカートの裾も自然なラウンドが施され、
歩くたびに動きが生まれて。
現代東京の何気ない風景からテキスタイルを起こしたとのこと。
黒地に白ぼかしの入ったパンツスーツは雪が積もったよう。
フィナーレに登場したぼかし染めのワンピースは
冬の朝の眺めから着想したという。
1枚仕立てのはずなのに、何枚も重ね着しているように感じられる
色あせた色目のマリアージュが美しい。
◆bortsprungt(ポシュプルメット)
http://bortsprungt.net/
デザイナー yuya
北欧の白い森の中にポシュプルメットという白い村がある。
この村で起こった出来事をシーズンごとに物語として
テキスタイルプリントに反映しているブランド。
エプロン掛けしたようなふんわりスカート、食器をプリントした
丸襟ワンピースなどで、家庭的なイメージを持ち込んだ。
テーマは「Party」。
ニッカボッカ風パンツや、Tシャツワンピなど、ルームウエアの延長線上に
あるような、ほっこり感のある服を発表。
ペザント(農家風)っぽいスラウチなフォルムが部屋着と外着の境目をあいまいに。
◆support surface(サポートサーフェス)
http://www.supportsurface.jp
デザイナー 研壁宣男
裾をねじって結んだようなスカート、ひじで絞ったスモック風のトップスなど、
布のよじれ、しわの演出。背中にねじりを加えたり、シャーリングを入れたりと、
バックスタイルに遊びを取り入れたが、正面はミニマルというアンバランス美。
肩が内側に入ったような、肩周りにギャザーを寄せたお得意のフォルムは健在。
「Naked」をテーマに、きわどいバランスを操ってみせた。
◆KAMISHIMA CHINAMI(カミシマ チナミ)
http://www.t-three.co.jp/
デザイナー カミシマ チナミ
異素材のミックスがたくさん登場。
ナイロン系ミリタリーコートにファーをポイントであしらった上、
マスキュリンなジャケットにもファー。
首周りを埋め尽くすボリューミーなネックウエアが目をとらえる。
フードと首周りだけを取り外せるネックウエアや、
フリルをたっぷり巻いたリストウォーマーも目新しい。
リュックみたいに背負っているが、実は後ろから見たら、
ジャケットをぶら下げている、リュック形ジャケットもお目見え。
視線を誘導するキラーアイテムを身体のパーツ、パーツに用意。
◆G.V.G.V.(ジーヴィージーヴィー)
http://www.k3coltd.co.jp
デザイナー MUG
テーマの「Silencio」はスペイン語で「静寂」という意味だそうだが、
その言葉とは裏腹に、ストリート風のパンチが利いた、
エモーショナルな色とかたちが心を躍らせる。
真っ赤なレザーのビスチェドレスは官能的でグラマラス。
赤ヴェルヴェットのコンビネゾンに、赤く染めたファージャケットを羽織るコーデ。
サテン地のスカジャンと、シースルーのロングスカートの合わせ。
ベージュのパンツスーツの上に、黒のショートジャケットを重ねるという
「アウター2枚重ね」にも注目。
袖口に長いフリンジを垂らしたり、ライダースジャケットとポンチョを
融合させたようなデザインなど、モード先端度の高いコレクション。
◆jazzkatze(ジャズカッツェ)
http://www.jazzkatze.com/
デザイナー 周布歩美
ピッタリしたのダンサー衣装のようなボディスーツに、ジャケットを羽織ったり、
真紅のマイクロショート・パンツにウールっぽいコートを重ねたりと、
コーデの異端ぶりは際立っていた。
丸襟のリボンブラウスの上から、シースルーネットのコンビネゾンを
重ねるコーデは正反対と思える素材をミックス。
ボディスーツには抽象アートっぽいプリントが施され、
ワンピースにはロシアのマトリョーシカのような柄がちりばめられていた。
◆lessthan*(レスザン)
http://lessthan.jp/
デザイナー 安藤大春
ジャケットやシャツの正面と背中側を逆にしたデザインがトリッキーでユニーク。
テーマはそのまま「表裏一体」。
人間の二面性を、服に落とし込んだイメージ。
グレー地に黒いタイダイ調のむらがあるジャケットやコートなど
全体にダークカラーが多く、ミリタリーやストリートの匂いも漂う。
1枚のスカートにプリーツ、フレアー、フリルなどの要素を詰め込んだ
ミックステイストしたものも登場。
◆fur fur(ファー ファー)
http://www.furfurfur.jp
デザイナー 古橋彩
ラッフルで埋め尽くしたような白系ワンピースなど、
お得意のボリューミーなレイヤードスタイリングは、
ヘッドアクセもボリュームたっぷり。
あえてミリタリーテイストのコートと重ねるテイストミックスも。
十字架を首から提げたり、手にしたり、白と黒のコントラストを
生かしたちょいゴシック系スタイルも。
マニッシュな中折れ帽に、チュールレース素材のウエアをミックス。
足元はカムフラージュ柄のハイカットスニーカーやエンジニアブーツで
ひねりを加えて。
◆SOMARTA(ソマルタ)
http://www.somarta.jp/
デザイナー 廣川 玉枝
ダークファンタジーが手仕事ディテールと交錯する世界を披露。
テーマは「Wunderkammer・独(=珍品を集めた博物陳列室、好奇心の部屋)」。
骸骨(スカル)をそのままぶら下げて歩くようなバッグはその象徴。
それらしい不気味さやグロテスクが忍び込んでいるが、
フォルムはダイナミックで華やか。
ファーのしっぽみたいな物がヒール靴やブーツのかかとについていて、
歩くたびにゆらゆらゆれてキュート。
白の過剰なまでにデコラティブなフリルブラウスや総柄の白タイツが
ロマンティック&ミステリアスなムードを醸し出す。
◆MIHARAYASUHIRO(ミハラヤスヒロ)
http://www.miharayasuhiro.jp/
デザイナー 三原 康裕
「旅」をテーマに、登山やハイキングルックをアーバンにアレンジ。
キレイめに大人っぽく着こなすスタイルを提案。連れ出したくなるような
バッグやリュックを、モデルに寄り添わせた。
ボロルックを思い起こさせる、ニットに穴が開いたり、ほつれたようなディテール。
黒や赤のゆるい網目から透けるニットドレスに、
ファーコートやレザージャケットで合わせる、めりはりの利いたエレガンス。
グランジっぽいニットで、別格の成熟度を証明した。
◆DRESSCAMP(ドレスキャンプ)
http://www.dresscamp.jp/
デザイナー DRESSCAMP DESIGN TEAM by Marjan Pejoski
デザイナーがこれまでのマラヤン・ペジョスキー氏から、
デザインチームに変わった今回のコレクション。
ミリタリーコートや花プリントワンピなど、シャイニーなベージュ系や
アーミーグリーンのワンピなど、リアルクローズ風にまとまっていた。
そこに黒地のレオパード柄にカットワークされたレギンスで
スパイスを効かせて。ジップ使いがアクセントになったショートパンツスーツや
スリムパンツなどトレンド感あるアイテムも登場。
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第2回シンマイ・クリエーターズ・プロジェクト
AKANE UTSUNOMIYA/THE INDIVIDUALIST(S), a label by Luise&Franck/FABIOLA ARIAS/A DEGREE FAHRENHEIT
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【東コレ】araisara/motonari ono/Takumi Hatakeyama/Tokuko 1er Vol/IN-PROCESS BY HALL OHARA/The Dress & Co. HIDEAKI SAKAGUCHI/RITSUKO SHIRAHAMA/AGURI SAGIMORI/JOTARO SAITO/HISUI
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