「ANREALAGE（アンリアレイジ）」は2022年3月5日、2022-23年秋冬パリコレクション「PLANET」において、宇宙航空研究開発機構（JAXA）の協力のもと、宇宙で人類が活躍する未来のファッション表現を探求するコレクションを発表しました。フランスオートクチュール・プレタポルテ連合会（Federation de la Haute Couture et de la Mode）が運営するパリファッションウィークオンラインの専用プラットフォームとANREALAGE OFFICIAL ONLINEで配信されました。
このコレクションは、JAXA相模原キャンパスにある「宇宙探査実験棟」を会場として披露されました。この施設は珪砂を敷き詰めて月や惑星の表面地形を模した実験場を有し、宇宙探査にかかわる研究開発の拠点として、探査機等の実験に利用されている実験施設です。
ショーは、月面に降り立つ一歩から始まります。1969年の月面着陸をオマージュし、ユナイテッドヌードとのコラボレーションスニーカーには、アポロ11号のニール・アームストロング船長が実際に月面で着用していたシューズの底面を再現しました。
「空調服」のファンを搭載したルックや、発光ジャカード織物で仕立てたルックも登場。重力の影響を受けてボリューミーだった膨らみがしぼみ、シルエットが一変する趣向も盛り込まれました。キルティングドレスやコートの肩やジャンプスーツのウェストラインは落下し、ドレープやギャザーが服に生まれます。
月面の音楽には、シンセサイザーの先駆者、冨田勲氏の『月の光』を用い、地上の音楽はショパン国際ピアノコンクール第２位の反田恭平氏の『月の光』を用いました。
宇宙やサイエンスの雰囲気を帯びた、フューチャリスティックなムードが印象的です。宇宙服と地球服の境界をあいまいにするかのようなコレクションには、平和への祈りも込められているようでした。
